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逸脱するもの

ドルフ・ラングレンじゃねーよ!(はるな)

3話


何か出てこい!


そう頭の中で考えた瞬間、視界が僅かに青みがかり、体が重くなった。


その数瞬後に、頭上にホログラムのような見た目の魔法陣?が現れた。


そしてそれを目視するのが早いか、意識を失った。


気がついた時にはクレーターの中心部のような場所に立っていた。


「えっ、あれ?どういうこと?」


先程まで辺りには、見渡す限りの草原と、所々に生えた木々、遠くには森林、その遥か遠くには天を突くような峻険な山々が広がっていたはずである。


しかし、今目の前に広がっているのは、百数十メートルもあるような大きさのクレーターである。深さも相当で、数メートルはある。


「どういうことなんだ、えっ俺がなんかやったのか」


アニメの主人公が言いそうなことをほぼ無意識に発してしまい、頭が追いつくと何を臭い台詞を言ってるんだと先程の自分を批判する。


だがそんなことを考えている場合ではない。


とにかく周りを確認せねば。


この穴の縁を目指して移動する。また意味不明な状況にあるのに何故か気分が良く、それが返って不気味だった。


硬質化しているクレーターの内部から這い上がる。まるで溶岩が冷えて固まったような感じだった。


実際溶岩を生で見たことはないが。


そしてなんとか崖の縁から這い上がり、辺りを見回すとそこには想像を絶するような光景が広がっていた。


遠くからでも良く見えた山々は健在だが、植生豊かだった草原は一面の焼け野原と化していた。


所々に見えた木々は全て枯れ木のような見た目になっている。


よく見れば煙をあげている木もあった。


そして遠くに見えた森林だが、それが目につく限り轟々と燃え盛っている。それも見える限り全てだ。


山火事なら森を舐めるように線状に広がっていくと思うのだが、見渡す限りの全ての森林が燃えていた。


「この世の地獄だ」


この光景の感想を端的に言い表すとそうだった。


浅緑の草々の上を飛び回っていた大小様々な虫、それを捕食しようと飛び回っていた雀のような小鳥。


牧歌的な光景は全て消えていた。


それらが全て地獄に置換されたかのように。


「また違う世界に来ちゃったのか?いや、あの山は見覚えがあるし、えっ、これ俺がやっちまったのか...」


声がどんどん先細っていたが、聞くものは存在しないので関係ない。


それよりもこの光景を自分が生み出してしまった可能性が高いことに、徐々に恐怖心が湧いてきていた。


自分がやったことといえば、何か武器よ出てこいと思考しただけである。


そうしたら謎の模様が浮かび上がり、気がついたらこれだ。


なんの苦痛も感じなかった。


それどころか今の気分は、パニック状態にある頭と真逆のように清々しい気持ちで一杯だった。


心なしか体も軽くなっている気がする。


その要素も恐怖心を煽る対象だった。


何故こんな恐ろしい光景を目にしてこんなに気分がいいんだ!


そして体調も十時間睡眠を取った後のように清々しいんだ!


そして数分頭を抱えて地面に蹲っていたが、すぐに恐怖心とこの光景を生み出してしまった罪悪感も晴れたようで、今では仕方ないと思うような気分だった。


「考えてみれば人的被害は目につく限りではない、動物は数え切れんほど死んだが所詮畜生、そして俺の体調は絶好調!考えてみればデメリットなんてそんな無いじゃないか!」


彼は、先程までとは打って変わって顔に笑みを浮かべるまでになっていた。


それがこの爆発の効果なのかは不明だが、確実に真面目な事務職公務員だった彼の何かの箍が外れてしまった、それは言えるだろう。


そして、この核爆発?を自分が起こしたものだとしても、被害がないのだから良いのではないかとして、再び人里に向け歩み始めることにした。


彼の顔には笑みが浮かんでおり、背景と合わせて彼を見たら十中八九不気味と評するような表情をしていた。


彼の思考は今、絶世の美女との行為後のような多幸感と爽快感に覆われており、ある考えに至ることはなかった。


それはなぜこの爆発の中を生き延びたのか、ということ。


これが核爆発だと仮定して、強力な放射線によって急性被曝することもなく生き延びていること。


そして今までの人生で初めて感じるような多幸感はなぜ感じるのかということ。


みじかめ


彼の名前は未だ未定です。


それと引き起こした爆発の規模ですが、ウラン型原爆での最低臨界量で1.3kt つまり広島型原爆と同じぐらいです。


爆縮方法もガンバレル型です。


間違ってたら訂正などを感想にお願いします。

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