4.父、人を頼る (3)
お久しぶりです。かなり遅くなってすみません。
「では公爵様、いくつか私の質問に答えてください。」
お茶を入れて戻ってきたラートリアにそういわれたので、私は普段の娘の様子や私が娘とどう接しているかなどを話した。
もちろん、私は娘の教育には自信を持っていたので、娘には一切の不自由はさせていないと、どうどうと言った。だが、話終わった後、彼女が少しあきれられていたような気がするのが不思議だった。
ラートリアは真剣な顔で私の話を聞いてくれて、今はさっきと同じように机に視線を向け、手を顎につけ深く考え込んでしまっていた。
ときおり、彼女はは私にもほとんど聞き取れないくらい小さい声でブツブツ何かをつぶやいていてた。「もしかして、この世界は…」と言っていたのは聞き取ることができた。
なぜ、私の娘の話からこの世界のことがわかるのだろうか?この女は少し頭がおかしいのかもしれないと少し思い始めてきた。
「お待たせしました。私には未来のことはわかりませんが、少しだけ助言させていただきます。」
ずっと沈黙が続いていたが、考えがまとまったのか下を向いていた彼女は私のほうを向きそういった。
「失礼ながら公爵様、あなたのアルシャ様への教育は間違っております。そもそも......」
彼女の怒涛のお説教が始まった。声を張り上げるのではなく、落ち着いた様子で長々と私を諭してくる。その時の彼女は、子供のころに何より恐れていたマナーの家庭教師に似ていた。
一切、口をはさめなかった…
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家に帰る途中、馬車で私はショックを受けていた。
「人に説教されるなんていったい何年ぶりだろうか、まさか公爵である私に説教をするとは…」
あの後、彼女のお説教は少しと言っておきながら1時間も続いた。だが、彼女の話は何も見えていなかった私に強い衝撃を与えた。
「あなたは、わがままで傲慢な女性を妻に迎えたいですか?」
私はラートリアのその言葉に頭を強く殴られたような衝撃を感じた。当たり前ではあるが、政略的な意味でもない限り、そのような女性と積極的に結婚したいという者はそうそういないだろう。
そして、私の普段の行いから私の娘もそうなってしまう可能性が高いというのも分かってしまった。
まさか自分の良かれと思っていた行為が娘の将来に悪影響を与えてしまうかもしれないとは思いもしなかった。少しおかしな女性だと思っていたが、やはりラートリアは噂通りのすごい人なのだと実感した。
これからは、娘のために私もがんばらなければならないな。たとえ娘に嫌われるようなことになっても、今までみたいに何でも買ってあげるのはやめよう。それに公爵令嬢として、やってはいけないことをやったらきちんと叱ろうと思う。
頭には私に叱られて泣いている娘が浮かぶ。
あれ…無理かもしれない…
これからも少しずつ書いていきたいと思うので、不定期になってしまいます。すいません。