3.父、人を頼る (2)
遅くなりました。
「重要な要件ですか…」
ラートリアと私は一つの机を境に互いに向き合うように置かれている椅子に座っている。そして、先程からラートリアはなぜか私をジト目で見てくる。公爵である私にそんな目を向けてくるとは、なかなか肝の据わった女性である。
私が部屋に入ったとき、ラートリアは緊張して顔を強ばらせていたというのに、互いに椅子に座り、一呼吸置いたあたりで私が見た夢の話をしてからというものそんな目を向け始めたのである。ちなみ御者には部屋の外で待ってもらい、現在部屋にはラートリアと私の二人しかいない状態である。
「そうだろう。わが娘の危機なのだ。早急に何とかしなければなるまい。」
「でも、夢なんですよね?」
「もちろんだ、そんなことが現実であってたまるか」
「そ、そうですよね…」
そう言っていたラートリアは困惑していた。なぜか、私を残念な目で見ているような気がする。こいつは私が公爵だと本当にわかっているのだろうか。プライドばかり高い貴族にそんな視線を向けたら、大激怒間違いなしだ。私がそんなことを考えていたら、ラートリアは一瞬、私にポカンとした顔を見せた後、視線を机に向け、手を顎につけて、考え込んでしまった。何か気になることでもあったのだろうか?
「ところで公爵様」
しばらく、考え込んでいたラートリアは何かに気が付いたのか、私に視線を戻してそう言った。
「なんだ?」
「〇¥@SAd"!#%KH?>=~\」
「どこの国の言葉だ?」
「あれ?わかりませんか?」
「聞いたことのない言葉だ。」
「そ、そうですか」
「ああ」
ラートリアが突然よくわからないことをいいだしたので、深くは突っ込まないよう一言返事をして、私はこの話を終わらせた。部屋に沈黙がおとずれる。
「と、とりあえず、お茶用意しますね」
少し変な空気になってしまったのを気にしてか、ラートリアは逃げるように部屋を出て行った。