最終章
やはりこの小説は「トイレランド」ではじまり「トイレランド」で終わりたいと思う。
私はいつも見慣れた町を歩いていた。
珍しく学校の制服は着ておらずスーツ姿だった。
夢の中では社会人なのに学生服きたりしていたが今回はまともなカッコをしていた。
しかしそれ以降はいつも通りだった。
急にもよおしてきたのだ。
とても家まで我慢できそうもないので勇気を振り絞り
見知らぬ人の家でトイレを借りようと決心した。
現実世界ではどんなに苦しくても見知らぬ人の家で借りることはないだろう。
まず「トイレ貸してください」といっても、よっぽど人がい人じゃないと怪しまれて
貸してもらえないだろうし、もし借りられたとしてもトイレが臭くなったり糞尿まみれ
になったら嫌だなあと思うと借りられない。
さて話は戻るが勇気を振り絞ったが、どの家もトイレを貸してくれなかった。
そんな馬鹿な・・・という理由ばっかりだった。
「うちにはトイレがないのよ」
「うちはトイレ故障中なの」
「うるさい帰れ」
などといわれた。
「トイレがない」「トイレが故障中」の家には一応家の中を見せてもらったがホントにそのとおりだった。
留守の家があり、ドアがあいていたので中に入るとやはりトイレはなかった。
どうなっているんだ?
しかも近所の公園にあった公衆便所まで消えている。
こうなったら家まで帰ってトイレにいくか、どうしても間に合わない場合は野に出すしかない。
とりあえず家まで行くことにした。
しばらく歩くとどこかで聞いたことのあるような音楽が流れてきた。
そしてその音がでているところの前まで来た。
家と家の間に通路ができていて、人がたくさん入っていく。
その通路には、高さ5メートル幅5メートルの少し小さな丸いアーチがあり、赤青黄などのいろんな色の電飾に飾られて
「トイレランド入り口」と書かれてあった。
「地元にもできたのか?トイレランド・・・」
早速中に入るとどういう空間になっているかわからないが、家と家の間の空間を抜けるとかなり広い場所に出た。
そして真ん中には噴水があり、その周りは花壇になっており色とりどりの綺麗な花が咲いている。
しかしこの花の肥料のことを考えるとあまり素直には喜べない。(第一章を参照してね)
その周りには園内のマスコットキャラクターが何人かいて、若いカップルや子供たちが
一緒に写真を撮ったりしている。
しかし今見るとホントグロイキャラクターばかりだ。
なんとなく落ち着いてきたので少し周りをみる余裕ができてきた。
園内マップをみるとアトラクション類の数や種類はまったく同じっぽい。
とりあえず普通のトイレを探すとやはり園内の一番奥にあるようだ。
一番奥にある普通のトイレに向かって歩いていると
前回山奥で訪れたトイレランドでは入ることができなかった
総ガラス張りの建物で中は真っ黒のカーテンに囲われて見えないところがあったが、
今回はその入り口にガードマンがいなかった。
「チャンスだ!」
そう思い、その建物の入り口の扉のノブに手をかけたが開かない。
仕方なくガラスを割って中に入った。
中にあったのは・・・資料館だった。
トイレの歴史を知ることができるらしい。
ふと床をみると
「キミにばれないためのカモフラージュさ」
と書かれたメモ用紙がおちていた。
なんのこっちゃと思いながら、確かに少し怪しいような気もしてた。
しかしだいぶタイムリミットが近づいてきた。
やはり通常のトイレの列は凄い列で我慢できるかどうか微妙だった。
しかし並ぶしかない。
トイレを並ぶ列はとても複雑に曲がったり、他のアトラクションとクロスしたりして
進んでいる。
なんかおかしいな?と気づいたときは
「大トイレ」の列に並んでいた。現実世界でいう「観覧車」だ。
本来なら下半身裸で、用を足しながら優雅に空の散歩を満喫するらしいのだが
私は脱がなかった。しかもなんでこんなものに乗ってしまったんだ。
しかもこの観覧車は世界最大級の大きさで一周するのに30分はかかるという。
15分たち私の乗っているゴンドラが天辺に来た。
そして止まった。
そして落ちた。
落ちた。
落ちた?
そして目が覚めた。
現実世界では前ほど切羽詰った状態ではなかったが催していた。
やはりトイレへのサインだったのだ。
今度はアトラクションにトライしてみるか。
夢それは切なかったり、儚かったり、楽しかったりと色々あると思う。
今度はそういう夢の話を書こうかな?