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東方開拓都市イスカの民話集

誰も知らない祠

作者: 笹本廉太郎

君の話を聞く前に、僕の話をちょっと聞いておくれよ。


誰も知らない祠を知っているかな。


え?誰も知らないなら知るはずないって??

確かに。


でもこの祠は誰も知らないことでそこそこ有名なんだよ。

祠というものは何かを奉ったものだ。

それは神様だったり、なにか大きなことを成し遂げた人だったり、場合によっては悪い何かを押さえるためだったり。


さて、誰も知らない祠の何をみんな知らないのかもう気づいたよね?

そう、この祠は何をまつってあるかがわからないんだ。


この祠は僕たちが入植してくる前、以前この辺りに住んでいた民族が作った祠なんだけどこの祠には一切の飾りや意匠なんてものがないんだ。

え?旧民族のものなら回りに祠にかかわる遺物がないのかって?


ああ、うん。

着眼点は良いね。

でも、それもないんだ。なんせその祠は岩山の断崖絶壁の上にあるからね。

回りにあるものとしたらとても危険な朽ちかけた登山道と祠だけ。

学者たちは岩山を信仰の対象にしたんじゃないかって予想をたてたんだけどそれも違うみたい。

なぜなら岩山には別にもっと立派な祠があってそれには山を奉ると書かれているんだ。


じゃあ、変わり者のすみかだって?

うーん、それもどうだろう?

祠の大きさは普通の家の半分の半分くらいしか大きさがないんだ。

このサイズだと人間はおろか小柄なゴブリンだって住めやしないよね。

それに、祠のなかには生活の道具みたいなものもない。


こんなわけで祠が何故あるのか、何を奉ってあるのかは誰も知らないんだ。


どうだい?面白かったかい?

え?割りと普通?そうか…せっかく仕入れた話だけど残念だ。

でも、暇な金持ちに見物にいかせるなら良さそうだろ?


で、君の話はどんなだい?


ああ、隣町の村長さんが秋祭りの余興に古今東西の意味のないモノを集めた展覧会を?


あっはっは、それは面白そうだね。

きっと、ずっと後の人がそのアイテムを見つけてこれはなんだろう?ってあたふた悩むんだろうね。


あれ…こういうのどこか

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