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「先生! 『一週間』ってなんですか?」

つれづれなるままに

 地球では、六十秒で一分、六十分で一時間、二十四時間で一日、三百六十五日程度で一年です。


 そして月曜日から日曜日まで七日サイクルで曜日が設定されており、サイクルひとまとまりのことを一週間と呼びます。




○異世界ファンタジーにおける時間の単位って?


 さて、私がよく悩むのは、「異世界でどのように時間を表現すればいいのか」です。


 異世界となれば、時間の数え方が地球と違ってもおかしくありません。一分が六十秒なのか、一日は二十四時間なのか、「月」の数え方は何なのか。というかそもそも、時間の流れが地球と同じなのでしょうか?

 惑星が自転する時間すら、違うかもしれませんね。ビュンビュン高速で自転すればあっという間に日が暮れますし、ゆっくり自転するなら地球感覚で二日ほど掛けて朝昼晩が交代するでしょう。


 私の場合、考えるのが面倒なので「一秒」から「一時間」までの単位はあまりいじりません。面倒なので。ただ、「一日は二十四時間」というのは作品によってはいじってみたりします。




○「一週間」は、通用するのか?


 さて、ここでひとつ考えてみたいのが、「一週間」という単位です。

 一週間とは前述の通り、月・火・水・木・金・土・日の七日をひとまとめにした単位です。「来週会う予定」とか「先週の事件は」とか、使いやすいですね。


 でもこれって、「この世界にも曜日の感覚がある」こと前提ではないでしょうか。そして思うのが、異世界ファンタジーにおいて「来週の夜会」というのは出てきても、「今度の日曜日の夜会」ってのはなかなかお目に掛からないのです。

 それはきっと、「来週の週末」とかいう表現は異世界ファンタジーにふさわしくないからでしょう。ファンタジーから一気にOLの会話っぽくなりますね。


 もし異世界に曜日というものが存在しないなら、七曜をセットにした「一週間」という単位も使用できないのではないでしょうか。


 そういうわけで私は、一時間とか一年という単位は使っても、一週間というのは極力使わないようにしています。おかげさまで、「叶うことなら、もう一度あなたと」において「金曜日」のワードを使ったときには違和感を抱いたものです。いや、あれは現代が舞台なので金曜日が存在して当然なのですが……異世界ファンタジーばかり書いてきた癖なのでしょうか。



○一年は何日? 何ヶ月?


 続いて、一年の単位について考えてみます。

 前述の通り、地球における一年は三百六十五日、閏年のみ三百六十六日です。

 そして一年は十二の月に分かれていますね。


 では、異世界ではどうなのでしょうか。


 私の場合、シリーズによって微妙に使い分けています。たとえば「マージナイト・プリンセス」は一年が三百六十日。「春の月」から「冬の月」という、北半球と南半球の概念をぶちこわすくくり四つの月に分けています。一月は九十日です。


 また、削除済みで申し訳ないのですが「異世界で幼女化したので幼女になったり書記官になったりします」は一年十二ヶ月で「一の月」から「十二の月」までですが、日本とは季節がずれています。


「うたかたの君に、約束を」では、文中でも簡単な説明を添えています(以下引用)


 ※ ※ ※


「一月間――出発日が風の月六日なので、約六十日間ですね」


 この大陸は一年が三百六十日で、六つの月に分かれている。ちなみに月の呼称は、魔力の属性六つと同じである。


 ※ ※ ※


 これだと、一年が六ヶ月、一月が六十日の合計三百六十日ですね。名称は、炎、氷、風、雷、地、水の六つです。



 いろいろな月の呼び方や一年間の割り振りをしていますが、私の場合は「一年≒三百六十五日」というのがほぼ共通しています。何度も申し上げますが、捻った内容は面倒なのです。



○時間のカウントが違う場合の弊害


 私が時間の設定をあまり捻らない理由には一番に、面倒だからというのが挙げられますが、「年齢や時間軸での矛盾が起きそうだから」というのも大きいです。


 たとえば、地球から異世界にトリップした場合。「体が成長しない」などの特殊な状況でない限り、トリップした人間も異世界で成長します。します……よね?

 その時、異世界と地球の時間の流れが同じだったら問題なしですが、さて、時間カウントが異なったらどうなる?


 例として、「異世界Aでは、一日以下の単位は地球と同じだが、一年が二百日だった」場合について考えてみましょう。


 主人公は、二十代後半のサラリーマン。ざくっと数えると、彼は生まれてから約一万日経過しています。

 そんな彼が異世界Aに転移した場合、彼の年齢はなんと――五十歳です。

 じじい化したんじゃありません。あちらの基準に揃えるとそうなるのです。


 つまり、異世界Aにて出会った見た目年齢十代後半のお姫様は、あちらで言うと約三十歳。ガチムチお兄さんが二十代半ばくらいに見えても、彼に年齢を尋ねると「四十五歳」と答える。

 年齢一桁に見える可愛らしいょぅι゛ょも、お歳を尋ねると「じゅうよんさい!」と答える。

 異世界Aの人間の平均寿命は百三十歳くらいでしょうか? エルフじゃないよ人間だよ!



 逆に、「異世界Bでは、一日以下の単位は地球と同じだが、一年が五百日だった」場合。


 二十代後半のサラリーマンは、あちらでは二十歳程度。見た目十代後半のお姫様は十二歳。ガチムチ兄さんは十八歳。ょぅι゛ょは六歳となりました。

 こちらの異世界Bの平均寿命は、五十歳くらいです。短命そうに見えますが、時間カウントが違えばそうなるのです。


 地球と異世界で時間のカウントが違ったら、こういう面倒なことが起きるのではないでしょうか。



○時間以外の単位はどうなのだろう?


 単位は他にもあります。私の場合、頻出することもあり一番悩むのが「長さ・距離」です。

 簡単に言うと、「一キロメートルって使ってもいいの?」ということです。


 私の場合、メートルやキログラム、リットルなどの単位は使わないようにしています。使わないようにする、というのもなかなか面倒なのですが、「これは使ってもいいのかな?」と自分がもやもやするので。






○結論


 気になるなら工夫する!

 気にならないor考えるのが面倒なら、何でもいいじゃん!


 はい、身も蓋もない結論ですが、こうとしか言いようがないと思います。

 ひとつの世界観をオリジナリティ溢れるものに仕上げるのも素晴らしいことですが、その分労力を必要とするし、整合性を取るのも大変でしょう。あまりに懲りすぎると、読者にとって読むのが大変ということにもなりかねません。


 だったら、ざっくり地球と同じ単位を使ってもいいのじゃないでしょうか。

 私のように、月の名前や一年の割り振りだけ工夫してあとは右に倣えにするというのもひとつの方法です。あえて単位を話題に出さないというのもテクニックです。


 つまり、納得できる形ならなんでもいいんだ!


結論を求めてはなりません

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