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やりこみ廃人、始動する。

また思いつきの無計画で始めてしまった。

執筆中フォルダを圧迫し始めたので放出します。

なので投稿予定は未定。


現段階では連載は無理なのでしばらく読者がつかないことを切に祈ります。




 俺の趣味はゲーム。ジャンルはRPG。特に好きな作業がレベリングだ。

 レベルを上げてプレイヤーを強化する。

 そして過剰に上げた高ステータスでボスを蹂躙する。

 世の中にこれより楽しい事は存在しない。


 ……いや、一つだけあったな。


 それはモンスター図鑑などのやり込み要素だ。

 モンスターからアイテムドロップを埋める作業なんかはもの凄く燃える。

 特に5000分の1でしか落ちないような激レアアイテムが落ちたときの感動は他に代えられない喜びがある。


 とにかく俺の人生はゲームのためにあった。

 朝起きてゲームして、出社して昼休みにゲームして帰ってきたらまたゲーム。

 オンラインでもオフラインでもRPGジャンルのゲームならひたすらやった。

 現実の俺はどこにでもいる平凡なリーマンだったけど、架空の世界では俺だって有名人になれた。

 やり込んでいたMMOなんかでは新マップが追加されれば最速でボスを倒したこともあるし、限定一個のアイテムを何個も所有していたりもした。

 闘技場のチャンピオンを張り続けていたことだってある。


 架空世界でナンバーワンのプレイヤー。

 例え遊びの中での一番だって、一番だったことには変わりが無い。

 何事においても一番を取ることは難しい。維持だって大変だ。

 俺だってMMOのナンバーワンプレイヤーでいられたのも本当に短い期間の中だけだ。

 ノーベル賞受賞とかオリンピックで金メダルとかそんな凄いことが出来たわけでは無いけれど、だけど何かにおいて俺が世界で一番だったって事実があることに違いはない。

 だから俺の生涯に悔いは殆ど無い。


 唯一心残りだったのはVRMMOがプレイできなかったことだ。

 SFチックなフルダイブ技術はまだまだ不可能だろうが、それに近い物だったら再現できる可能性があった。

 

 例えば、網膜投影という一種のプロジェクター技術によって科学的に視界の問題は既にクリアしていた。

 網膜に映像を直接投射すると言うことは、映像をその前に加工できると言うことでもある。

 言い換えるならば普段見ている景色を加工投影すればメッセージウィンドウなどを直接表示できると言うことだ。

 例えば机の上にティッシュ箱があったとする。そしたらティッシュ箱の上に三角マーカーとティッシュ箱という文字列を直接表記した上で表現が可能だと言うことになる。

 更に、コントローラーの方も科学技術的に今一歩の所まで迫っていた。

 位置情報をコントローラーが記憶。コントローラーを動かすことでコントローラーがかかった負荷から位置情報を逆算し出力すると言うことまで出来ていた。

 つまり、棒状のコントローラーなら剣の柄を握っているような感覚で操作しコマンド入力できると言うことでもある。上から下へ、右から左へとコントローラーを振る。この情報を映像に反映させる。

 これである程度方向の斬り分けだって出来るはずだ。棒状コントローラーにスイッチを付ければスキルの使い分けだって手軽に出来る。勿論、グローブ型にすればまた違った動きも再現できる。

 歩行に関してはまだまだ問題が多いが、ダンスゲーム用のコントローラーを上手く改良すれば何とかなるんじゃないかと俺は思っている。

 音に関しても指向性スピーカーという特殊なスピーカーで一定方向に音を飛ばすという装置だってあった。これをプレイヤーの周囲に配置することで視覚以外の方法でモンスターが前後左右から攻めてくる様子を表現できるのではないかと俺は思っていた。


 だからこそ悔しい。多分もうすぐモニターのいらないゲームの時代が来た。

 それが出来ないで終わるのが残念で仕方が無い。

 これで80の爺さんだったら仕方が無いが、俺はまだ35だった。

 死因は恐らく心筋梗塞。

 ゲームのために極限まで侵食を削っていたのが悪かったのだろうか?

 ここ数年、睡眠時間の平均が三十分だった。

 食事だってゲームしながら食えるスナック菓子くらいのもので、まともに飯を食ったりすることはなかった。

 しかし、リーマンが仕事をしていない連中に勝つにはそれしか道がなかったのも事実だ。


 シャワーの時間だって極限まで削った。真冬でも五分で浴びて出てくる。

 暑い部屋から寒いシャワー室へ。冷え切った体を温い部屋に戻って温める。

 多分、寒暖差によるヒートショックが原因だろう。

 そういったことが起こりうることは知識の片隅で知っってはいたが、普段から対策しているかと聞かれればそれはノーだ。だが、後悔したときにはもう遅いのも事実。


 早急に病院に行けば助かった可能性もあったかもしれない、が運が悪いことに独身ゲーマーである俺が倒れても発見してくれるような家族は同居していなかった。


 だから俺は為す術もなく死んでしまったというわけだ。

 

 死んでしまった。

 ……そう、過去形だ。


 どう言うわけか俺の人生には続きがあった。


 日本がある世界とはまた違う世界に俺は生まれ直した。

 そして、俺はその世界で歓喜する。


 この世界にはレベルやステータスといった概念があったのだ。

 そしてゲームにでてくる戦士や魔法使いといったジョブの要素もある。


 人間には生まれつき一人につき一つのジョブが与えられる。

 このジョブは完全にランダムで決まるらしい。そしてこのジョブを特に天職と呼ぶ。

 天に与えられた職だから天職。わかりやすいね。

 更にこの天職、普通の職に比べて経験値取得速度が2倍になるそうだ。 

 そんな説明を俺が五歳の時に両親から受けた。

 両親曰く、上級かユニークジョブを引き当てるといいらしい。

 上級ジョブは強いスキルを習得できるジョブの総称で一目置かれる存在。

 ユニークジョブに到っては世界で唯一のジョブの場合も多く、引き当てられたら超ラッキーらしい。

 最下級が完全にハズレで、神殿に行けば誰でもつく事が出来るジョブのようだ。


 俺は今、もの凄くわくわくしている。

 俺はもうじき六歳になる。六歳になれば鑑定の儀で自分のジョブを知らされる。


 このゲームのような世界で、俺は自分をどれだけレベルアップできるんだろうか?


 六歳にもなれば、そろそろ体も出来上がってくる。

 何も出来ない赤子の時間とはもうお別れだ。

 ロディス・ヴァーレン、そろそろ始動します。

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