表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生チーレム……なのか?  作者: ふぉーしぃ
異世界転生
8/24

不思議な二度目

 

「・・・・うっ!?」


 瞼が痛いぐらいに瞳を開いた俺は、耐えきれない吐き気に体勢を崩して四つん這いになった。こみ上げてきた苦みを抑えることができず、盛大に吐いた。酸っぱい臭いが森に広がる。


 胃の中の物を吐き切った後もそのまま動けなかった。頭の中に悪夢のような光景が繰り返し再生されて、そのたびにえづく。結局何とか座れるようになったのは十分ほど経った後だった。俺は肩で息をしながら、近くの木の幹に寄り掛かった。そのまま目の前をちらりと見ると、狼は白の毛を月に輝かせていたところだった。瞳は閉じられていて、起きだした様子もない。


 ならばあれは何だったのか。


 あの首を噛み砕かれる感触も、死の直前の絶望感も、少しも夢だとは思えない現実味を帯びていた。その元凶ともいえるのが、今目の前にいる狼だ。


 たしか……居眠りをしてやられたんだっけな


 あまり思い出したくないが、今あるヒントはこれしかない。必死に曖昧な内容を手探りに思い出し始める。


 あれがただの夢なわけがない。おそらく予知夢か、それに似たもの。ここは何でもありの異世界だ。常にあらゆる可能性を模索しなければ。


 まずこの狼をなんとかするのが一番早い解決方法だ。紐か何かがあれば拘束できたのだが、生憎俺は一文無しどころか食べ物にすら困っている状態だ。紐どころか糸すらない。


 ならば俺が逃げ出すか?いや、それも却下だ。この暗い山道を月明かりだけを頼りに下りるなど、よくよく考えてみれば無謀にもほどがある。その意味では狼を見つけて戻ってきたのは幸いだ。


 どうしようか。すっかり行き詰まってしまった。それでものんびり考え込んでいる時間はない。


 いつのまにか俺は、目の前の狼から少しずつ後ずさっていた



最近寝起きが悪いです。


……

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ