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推敲1

作者: TOLA

今回この作品にアクセスしてくださいましてありがとうございます。

早速ですが、あまり気持ちを入れ込まずに読んでください。

考え込むことは個人的に好きなのですが、考え過ぎはよくないとも思います。

つまりはそんな考え込むことをそのまま話にしてみようと思いました。

でも、きっとファンタジーにしたくなると思います。

したくなってしたくなって出来たら良いのですが・・・

それはカズキ君(登場人物)と相談しないといけません。

本屋に行けばまぁ見かけるであろう小説。

作者がいて、読者がいて、それなりの商業材料?になったり。

TVアニメーションやTVドラマ、映画などの画像に置き換えられ、読者は多方面から小説を楽しむことができるようになった。


さて、世間一般の人が「普通だよね」と口を揃えるであろう普通っプリの主人公、名前をカズキと言うこの成人男性。

仕事は本屋の店員、サラリーマンではなく本屋の店員、店長でも無い本屋の店員。

背は高いというわけではない、体つきも悪くは無く良いわけでもない、容姿や存在感もそれなりに悪くは無い。強いて特徴を挙げるなら・・・メガネを掛けていることと、今現在その本屋の制服らしきエプロンを着ている点ぐらいか。


この本屋さん、町の大通りから脇道に入って、高速道路に雨よけをされる日陰のポジションに存在している。

うむ、大きなチェーン店や有名な○○のような本屋ではなく、それでも本店はこの国の首都に布陣しさらに支店が各所に・・・両手足で数えるくらいは存在する本屋さんである。

その支店の一つにカズキは朝から夕方過ぎまでを固定している。

定休日は毎週水曜日、しかしそれはこの支店の店長が決めた曜日で他の支店は別の曜日だったりするのである。


さて、カズキ。店の窓からレジが見えるがそこに彼の姿は無い。

今は本棚の掃除をしているらしい、背中がチラチラと見え隠れしている。

今日は水曜日、そう定休日である水曜日である。なるほど、入り口のドアには定休日の看板が右側を3度ほど傾けて掛かっている。

しかし、中では忙しない動きを見せたり見せなかったりの店員カズキの背中。

今こちら向いた。入り口をちらりと見やって、棚の影に姿を消した。

・・・ふむ、奥に行ってしまったようだ。


カズキは倉庫に入り、箱の中にきれいに揃えられた品物をガサっとやや雑な感じに持ち上げると、両足でカニ歩きのような動きを見せながら体の前にぶら下げた品物を左右に振りつつ、店の中に戻ってきた。


ガツっ。っと角が本棚の隅に当たってもまぁ気にしてないよねあの顔は。


品物、現在下の辺りに揃えられてた二、三冊が少し凹んでいるようだ。

誰か!彼にもう少し丁寧な作業をするように言ってあげて!

本日定休日である。うむ、店に居るのは売り場準備に来ているカズキただ一人。

よし、今カズキの足の間で規則正しくない振子運動をしている重さ約4kgの品物よ。

ガンバレッ!未来はある!


作業を終えたのか腰に手を当てて軽く全身をひねるカズキ、手をブラブラとさせているがあまり激しく振れないようだ。

なぜなら狭い、人一人が少し注意しながら進めるような通路、さらに自分の背の高さはあろうかという本棚の壁、壁には本の背表紙が『さぁ、読め!』と言わんばかりにせり出しているようでいない。たまにせり出している本は、カズキの手によってストッと奥に戻される。


カズキ、手を軽く組み、頭の上にぐぐぅーっと持ち上げた。


「んーーっ、たぁ・・・」


腕がだらんと下がる、そして見事に壁に埋まっていたはずの本に、取っ掛かりの少ない本に引っかかり、壁がごっそりと削られた。


「うぁっつ!」


瞬時に受け止めようと動くのは反射神経的に悪くないことの証明だ。

例によってカズキも膝を落とし、右手と左手、さらに太もも辺りまで使って崩れた表面の残骸を受け止め・・・まぁ、こっそり5冊ほど谷底にボチャンしたわけだが。

「っとっと」と太ももで壁に押し付けた本の様子を目で追うカズキ、だがっ!

次の瞬間


「あ、あ〜〜〜、あ”〜〜〜〜〜〜・・・はぁー・・・」


カズキ、よくやった。お前の頑張りは見事に無駄に終わった。

かろうじてカズキの体に引っかかった本は、砂のように手の隙間を抜けカズキのやる気を奪っていった。

カズキは心底ウンザリした顔になったなぁ。はたから見ていても分かるくらいにオーラが寂しさを増したようだ。


しかしそこは店員、見事な気持ちの切り替えしで落とした本を取り上げた。

一冊、二冊、三冊と彼の手に本が集まってゆく。

四冊めを取り上げ、彼は本棚にそれらを差し込んでゆく。

収め終わると拾う、そしてまた収める。

ため息一つ出す前にささっと本をしまうところなんてなかなかだと思わないか?


さて、かれは先ほど運んでいた荷物を持ち直した。

奥にある作業台の上に置き、袋の中身を物色する。


ゴソゴソ


彼は 袋の中 から 本を取り出した!


まさにオタカラをゲット!!と言わんばかりに高らかと両手で持ち上げるなんてことは絶対しない。

右手で取り、作業台に置く。

次の一冊を取り、作業台に置く。

次の一冊を取り、先ほどの本の上に重ねて置く。

次の一冊を取り、ちょっと離したところに置く。


作業が続きます。

もくもくと取り出し、もくもくと置く。

作業が終わったようです


空になった袋をシューっと両手で上下に細い形にさせる。

そしてくるっと一巻きして作業台の横に吊るしている大きな袋(中に同じように巻かれた袋が入っている)のなかに放り込んだ。


チラっと腕時計を見たカズキ。

時間は昼を少し過ぎたくらいである。

カスキ、お昼の時間なのである。


昼食は店の外で食べるのか?それともお弁当なのか?

カズキはエプロンの紐を緩め、奥へと消えてゆく。

奥には従業員用の事務所があったりするんだろうな、その中には専用ロッカーがあったりして案外壁際に大きな鏡があったりして、カズキはそれで身だしなみをちょちょっと確認して自分のロッカーを開いた。

そう・・・彼はロッカーの中にちょっと自分の意図していないものあることに気づくであろう。

彼のカバン、黒っぽい斜めがけのショルダーバッグなのだが。

カズキはそのカバンを手に取ろうとした瞬間・・・


・・・・彼は、ピクッと手を止めた。


カズキのメガネがキラリと光る、その中の彼の目の表情が消える。


「・・・サイフ・・・忘れたんだった・・・」


彼はカバンを見て思い出したのだ。

自分は今日、いつもと違うカバンで来たことに、そして、中身がいつもと違うことに。

サイフが無い。

サイフが無いとはつまり、彼の持ち物であるサイフが今、彼の手元から離れており、財布の中にあった今日の食費を含む五千円が無いということなのだ。


ゴクリ・・

つばを飲む

そして、カズキの思考はめまぐるしく加速してゆく。


どうする、財布がない・・・

お昼ごはん・・・買えない・・・

取りに帰るか・・・いや・・・まだ本が片付いてない・・・

今日はあまり仕事無いからささっと作業済ませて帰るか・・・


この間3秒。


カズキのとった行動、それは。


ロッカーを閉じ、脱ぎかけていたエプロンをもう一度付け直した。

そして事務所を後にして戻ってきたりするはずなのだが・・・


奥から帰ってきたカズキの手には小さな包みが、そして、もう片方の手には水筒が!

お弁当だったのか! カズキ! お弁当か!


作業台の上でお弁当の包みを広げた彼は中身のおにぎりをひとかぶり、ちょっとモグモグしてもうひとかぶり。

おにぎりはカズキの手に収まるちょうどいい大きさだ。

ラップに包まれている、ちょっと青緑がかった黒い色のおいしそうな海苔に包まれている、おにぎりの中にはきっと梅干が入っているに違いない。


彼のことだ、大きな梅干を丸ごと放り込みそれを炊き立ての白ご飯に包み込んで、海苔を巻いたのだ。

さぁ、もうひとかぶりもすれば中身とご対面だ。

薄い塩味の利いたお米に守られている大きな赤い宝石、その酸味にある者は口を尖らせ、ある者は目を閉じ、口いっぱいに広がる新鮮な刺激に酔いしれるのだ。

カズキは思ったのだ、今日はおにぎりがいいと。

そして、中身は梅干にしようと。

オーソドックスなこの選択だが、疲れた体に適度な塩分をそして酸味を与えるこの組み合わせは万人がほぼ納得できると確信する。


カズキの口がその至極を味わうべく左手に持ったおにぎりを口へと近づけてゆく・・・

さぁ、カズキは目を細めるのだ。

あまりの酸っぱさに口が尖り、ん~~~~っと言うのだ。

さぁ、あと5センチ、あと3センチ、1センチ!


がぶり!


中から出てきたのはそう、朝ご飯に食べた焼いた塩鮭の切り身だった。

彼は朝ごはんの残りを同じく残りのご飯に包み込み海苔を巻いたのだ。

だがそのままでは時間とともに傷んでしまうので一旦冷凍庫にいれ冷やしたものを包みに入れて持ってきたのだ。

事務所の奥にはレンジがあり暖めなおしたのであろう。

彼は水筒に入った若干ぬるいお茶を飲むとそのまま余韻に浸っていった。


カズキは前のほうをボーっと見ている。

目に映るのはいつも見ている作業台のある光景だろうか。

周りには新作の本のポスターなんかが飾られている。

その壁のほうをただボケーっと見つめる活力の無い目。

しかし、ちょっとした幸せに浸っているであろうやさしい目。

そんな顔をしながら彼のお昼はゆっくり優しい時間を伴いながら過ぎてゆく。


お昼が終われば残りの作業が君を待つ。

カズキのそしてカズキの仕事場の本屋の運命は彼の次の行動に大きく左右されてゆくのである。

そして、大きな転機が訪れ、選択を迫られ、カズキは考えるのだ。

しかし、こんなにも・・・私の推敲が外れてしまっているとは・・・

まだまだ思うように未来を構築できていないようだ。

もう少し彼を見つめてみることにする。



お疲れ様でした。

次の機会にもし続きを読んでくださるときはよろしくお願いします。


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