恋とは何か
自分には向けられないと思っていた矢印が急に向けられた時、貴方はどう思うだろうか。
そもそも、恋愛とは何なのだろうか。
最初に彼女を好きになったのはいつからだろう。「好き」というものはもともとじわじわとやってくるものであるし、何しろ恋愛的な「好き」というのは意識したこともなかったので、いつだったかなど知る由もない。何なら今だって、本当に恋愛の意味で好きなのかはわからないのだから。人生の終わりの無い問いのなかの1つである。
だがしかし、何となくの時期なら推察することができる。2年か3年前の事だっただろうか。そのくらいの時期から俺は好意を寄せていたのだと、思う。
彼女には恋人がいた。俺は、「仲の良い友達」。恋人がいる人に恋をしてしまった訳だから、最低なのかもしれない。
これを何となく自覚し始めたものの、本当に恋なのかどうかはまだ見分けがつかなかった。友愛かもしれないし、ただ単に他の人の所有物を欲しがる、子供のような欲求かもしれないと思った。後者ならさらに最悪である。
真実を確かめる為に俺は比較対照実験を始めた。この感情は、他の人に対しても抱くものなのだろうか。
恋として判断する材料は、ドキドキするかどうか、恋人になりたいと思えるか、そして、――恋人としての営み、というやつを、欲するかどうか。
自分の中の話であったから、特に誰に迷惑をかけるわけではなかった。しかし、今思うと大分変態であったように思える。
判断するのはなかなか難しかった。
意外とこれらは感じるもので、そのうち判断材料も正しくない気がしてきた。
でも、病みがちな彼女が愚痴るとき、俺ならそんな風には思わせないのに、とか、なんでそんなに自分を否定するんだ、とか、いつも自分が怒っていることに気がついた。
こんなに全力になることなんてあまりない。
そう気づいて、ともかく、執着し始めていることを理解した。
まだ恋かは定かではない。




