ガブリエーレ・リッチの手記
1915年8月4日
司令官は一体誰だ
あんなクソみたいな戦術を取らせた野郎に責任を負わせる必要がある
1回目のイゾンツォ川の攻勢は失敗した
オーストリア軍は高所を取っていたのに、我らイタリア軍は装備は貧弱で司令官は効果的な指揮をすることは無かった
しかもその司令官は作戦が失敗すると部下に責任を取らせて20人ほどの将官を更迭させたらしい
なんと愚かなことか
作戦失敗から1週間後に2回目の攻勢が行われた
この作戦では戦いが近距離戦になり全員が銃剣やらサーベルやらを用いて切りあった
あんなに人を刺殺したのは初めてだった
一時的に目標地点の山を占領したがそのあとすぐに追い返されてしまった
しかし勇猛果敢なるイタリア軍はもう一度山を占領しそこを守り抜いた
2度目の攻勢は勝利することが出来た
これがつい昨日までの出来事だ
しかし話を聞くには、この攻勢で6万も死傷者が出たらしい
立て直しに2カ月はかかるそうだ
原因は司令官のクソッタレ野郎の指揮だ
何も考えがないのにただ戦力を横に並べてむちゃな突撃をやらせた
やつの考えは分からないがやつが無能であることは確かだろう
オーストリアを降伏させるのはまだ先になりそうだ
家に帰るまでどうか無事でいてほしい
必ず帰るよ
私の親愛なるアモーレミーオ