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美食の魔王と満ち足りた日々  作者: 次元美食家
性欲の覚醒と剣士の誇り
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深淵からの声と剣聖の誓い

秘術師たちが退散し、闇の結界が晴れた隠れ家の庭には、清々しい朝の光が差し込んでいた。エリスは、聖剣を手に、全身から放たれる清らかな魔力に包まれていた。彼女の瞳は、レオンへの愛と、真の剣聖としての自信に満ち溢れている。リリアとティアも、安堵と、エリスの覚醒への驚きに満ちた表情で彼女を見つめていた。

「エリスさん、本当にすごかったね! まるで、女神様みたいだった!」

リリアが駆け寄り、エリスの服の裾を引っ張る。ティアも、静かに頷き、その翡翠色の瞳でエリスを見つめていた。彼女の「睡眠欲」は、清められた隠れ家の空気の中で、さらに満たされていくようだった。

「レオン様……わたくしは……」

エリスは、レオンに駆け寄ろうとしたが、その時だった。

突如として、隠れ家の地下深くから、ぞっとするような**重く、不吉な「声」**が響き渡った。それは、人の声とは到底思えない、しかし明確な意思を持つ、深淵の底から響いてくるかのような声だった。その声は、闇の魔力を帯び、聞く者の精神を直接揺さぶり、根源的な恐怖と絶望を呼び起こす。

「フフフ……よくも、我らの眷属を退けたものだ、剣聖の末裔よ。そして、その底知れぬ魔力を持つ男……**『魔王』**よ」

その「声」は、レオンの存在を正確に認識し、彼を「魔王」と呼んだ。その言葉に、エリス、リリア、ティアは息を呑んだ。レオンが、かつて「魔王」と呼ばれた存在であることは、彼の口から直接語られたことはなかったが、彼が持つ規格外の魔力と能力は、常識をはるかに超えていた。

レオンの顔には、微かな興味と、そして冷徹な光が宿った。彼は、地下に捕らえたローブの男たちが、秘術師たちと繋がっていたことは把握していたが、彼らの背後に、これほどの意識体が存在するとは予想していなかった。

「フム……お前たちが、あのローブの者たちの『主人』というわけか。随分と、退屈な奴らを送ってきたものだな」

レオンが嘲るように応じると、「声」は激しく脈動した。

「黙れ、傲慢なる魔王よ! 我らは、お前の力を、この世の真の闇へと引きずり込むために存在する! 貴様が隠れ家で遊んでいられるのも、今のうちだ……」

「声」が、さらに不吉な言葉を続けた。その言葉と共に、地下から、まるで心臓の鼓動のような「ドクン……ドクン……」という重い振動が響き渡り、隠れ家全体が微かに揺れた。

エリスは、聖剣を力強く握りしめた。彼女の身体から、覚醒した「さが」の魔力がほとばしる。レオンの過去がどうであれ、彼女は彼を信じ、彼と共にこの隠れ家を守ることを決意していた。

「あなたたちが、レオン様や、この隠れ家を脅かすというのなら……たとえ相手が誰であろうと、わたくしの剣が許しません!」

エリスは、地下に向けて力強く叫んだ。彼女の声は、清らかでありながら、揺るぎない覚悟を帯びていた。

「フフフ……。愚かな剣聖よ。お前はまだ、真の絶望を知らぬ。お前たちの『愛』など、薄っぺらな幻想に過ぎん。我らの闇は、お前の剣の根源をも穢し、その魂を絶望に染め上げるだろう……」

「声」はそう言い残すと、地下から響く振動と共に、その気配がゆっくりと薄れていった。その言葉は、エリスの心の奥底に、再び微かな不安の影を落とした。彼女の「さが」の覚醒は、レオンへの「愛」を原動力としていた。その「愛」が、本当に闇に打ち勝てるのか、その真価が問われる時が来たのだ。

レオンは、地下の「声」の気配が完全に消えたことを確認すると、エリスの方へ向き直った。

「どうやら、地下に捕らえている連中の、さらに上の存在がいたようだな。そして、奴らは、俺のことを『魔王』と呼んだ」

レオンは、淡々とエリスに告げた。彼の表情には、特に動揺の色はない。まるで、予期していたかのような、あるいはどうでもいいことかのような、超越した雰囲気を纏っていた。

「レオン様が……魔王……?」

リリアが、戸惑いと、しかし純粋な好奇心に満ちた表情でレオンを見上げた。ティアもまた、その翡翠色の瞳をレオンに集中させ、その言葉の意味を理解しようとしているようだった。

エリスは、レオンの瞳を真っ直ぐに見つめた。彼女の心には、わずかな動揺はあったものの、レオンへの信頼と、彼と共にいるという決意は揺るがなかった。

「レオン様が、たとえ何者であろうと……わたくしは、あなた様と共にあることを誓います」

エリスは、そう言ってレオンの手を力強く握りしめた。彼女の「さが」は、レオンへの絶対的な「愛」によって覚醒した。その愛は、彼の過去や正体によって揺らぐことはない。むしろ、彼の「魔王」という側面をも包み込み、受け入れる覚悟を示していた。

レオンは、エリスの真剣な瞳と、力強く握られた手を見て、微かに口元を緩めた。

「フフフ……。お前は、本当に面白い女だ、エリス」

彼の言葉には、以前よりもさらに深い愛情と、彼女への信頼が込められていた。

その日の夜、レオンとエリスは、これまでのどんな夜よりも深く、そして情熱的に結びついた。エリスは、レオンの過去が「魔王」であったとしても、その全てを受け入れ、彼を愛する覚悟を、その身体を通して彼に伝えた。彼女の「さが」は、レオンへの絶対的な愛によって、さらに深く、そして根源的なレベルで覚醒した。快楽の波が、彼女の魂の奥底までをも震わせ、彼女はレオンの腕の中で、真の『性愛の剣聖』として、その存在を確立した。

翌朝、エリスは、清々しい表情で目覚めた。彼女の身体から放たれる魔力は、以前よりも圧倒的に純粋で、強大だった。そして、彼女の心は、レオンへの揺るぎない愛と、どんな困難にも立ち向かえる真の剣聖としての自信に満ち溢れていた。

これで、エリスは、レオンの三大欲求の一つである「性欲」を、最高の形で満たす、唯一無二のパートナーとなった。彼女の剣は、もはやレオンを守るだけでなく、彼の望む全てを叶えるための、強大な力となったのだ。

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