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美食の魔王と満ち足りた日々  作者: 次元美食家
三大欲求と隠れ家生活
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平和な朝の音とちょっとした工夫

目覚めると、腕の中のエリスが優しく身じろいだ。その寝顔は、昨夜の情事と深い眠りによって、極上の満足感に満ちている。レオンは彼女の柔らかな髪をそっと撫でると、そっとベッドから抜け出した。

リビングには、すでに朝の光が差し込んでいる。鳥のさえずりが、森の奥から心地よく響いてきた。こうした平和な時間が、レオンの三大欲求を最も深く満たしてくれる。

「ん……レオン様……」

遅れて起きてきたエリスは、少し照れたようにレオンに寄り添う。彼女の瞳は、いつも以上に潤んでいて、レオンの存在が彼女にとってどれほどかけがえのないものになったかを物語っていた。

「おはよう、エリス。よく眠れたか?」

「はい……レオン様のおかげで、これほど満たされた朝を迎えられるとは思いませんでした」

彼女の言葉に、レオンは満足げに頷いた。自分の快楽を追求することが、誰かの喜びにも繋がる。これほど効率の良いことはない。

今日の朝食は、昨日捕らえたローブの男たちが持っていた奇妙なキノコと、森で採れた新鮮な卵を使ったキノコと卵のふわふわオムレツに決めた。キノコは独特の風味があり、卵のまろやかさと合わさることで、さらに奥深い味わいになる。

レオンは無限収納から調理器具を取り出すと、手際よく卵を溶き、刻んだキノコとハーブを混ぜ合わせた。フライパンにバターを溶かし、ジュワッと心地よい音を立てながら、ふんわりと焼き上げていく。焦げ付かないよう、火加減を細かく調整する。

「レオン様の手つきは、いつ見ても見事ですね」

エリスは、レオンの隣に立ち、その調理風景に見惚れていた。彼女も最近は簡単な料理を手伝うようになったが、レオンの域には遠く及ばない。

「美味いものを最高に仕上げるには、これくらいの手間は惜しめないからな」

焼き上がったオムレツは、黄金色に輝き、食欲をそそる香りを放っていた。レオンはそれを皿に盛り付け、自家製のベリーソースを添える。

「いただきます!」

エリスは目を輝かせ、フォークでオムレツを一口食べた。その瞬間、彼女の顔に幸福な笑みが広がる。

「はぁ……美味しい……! こんなオムレツは初めてです!」

口の中でとろけるような卵の柔らかさと、キノコの香りが絶妙に絡み合い、ベリーソースの甘酸っぱさがアクセントになっている。昨夜の甘い思い出も相まって、エリスの心は満ち足りていた。

「レオン様、あのローブの男たちは、どうするのですか?」

ふと、エリスが真剣な顔で尋ねた。昨日の火事の原因を作った彼らの処遇が気になっているようだった。

「ん?ああ、そいつらなら、しばらくは地下で眠らせておくさ。腹が減ったら、美味い肉にでも変えてやるさ」

レオンが冗談めかして言うと、エリスはギョッとした顔をした。

「まさか、食べるのですか!?」

「冗談だよ。だが、俺の安息の地を脅かした罪は償ってもらう。まあ、強制労働でもさせようかと思っているがな」

レオンはそう言って、ニヤリと笑った。地下に捕らえた男たちの魔力は、レオンの「美食の極致」にとっては、新たな力の源にもなり得る。彼らをどう活用するか、レオンの頭の中では様々なアイデアが巡っていた。

食後、レオンは庭の畑で薬草の手入れを始めた。エリスは、レオンの傍らで、自分の剣の手入れをしながら、時折質問を投げかける。

「レオン様、このハーブはどんな料理に使うのですか?」

「これは、肉の臭みを消し、風味を増す効果がある。あっちのやつは、睡眠効果もあるから、たまにハーブティーにして飲む」

レオンは、それぞれの植物の効能や、美味しく食べるための工夫を惜しみなくエリスに教えた。エリスはそれを熱心にメモを取り、彼の知識の広さに驚きを隠せない。

午後になると、レオンは温かい日差しの中、ハンモックで昼寝を始めた。エリスは、その隣で静かに剣の型を練習している。微かな剣風の音と、鳥のさえずりが、穏やかな午後の時間を彩っていた。

レオンの三大欲求を満たす隠れ家での生活は、エリスが加わったことで、以前よりも彩り豊かになっていた。小さなトラブルはあったものの、それさえもレオンの生活のスパイスとなり、新たな美食や快楽の機会を与えてくれる。

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