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4話 〜現在魔女発生中〜
「ねぇ君〜大丈夫?」
最初に聞いた言葉は、そんな呑気な一言だった。
「んんッ…、ここは…?」
「ここ?神浜市だよ!」
聞いた事ねぇ…てか、マジで転生したのか?
心の中で思うだけだった。声には出さない。
「神浜市、、」
「私は、甘他 旋。
君と同じ中学校だよ!」
「…何故分かった?」
多分その時、一瞬戸惑う様な仕草を、彼女はした。
「……制服を、見たから…」
「へぇ〜、それで分かったんだ、」
そういうと、彼女はホッとしたように息を吐いた。
「…てか、何でここに倒れてるんだい?
しかも、大の字で…寝てた訳では無さそうだけど、」
「…へ?」
…一瞬沈黙が流れた。
「…大の字で倒れてた?」
「…うん、、」
『……』
気まずいッ!とても気まずい!
僕は咄嗟に起き上がった。
すると、あることに気が付く。
「……あれ?歩行者が居ない…?」
「、、、ほんとだ、」
どうやら旋も気づいていなかった。
「…魔女、か?」
旋はそう言った。
「…"魔女"?」
咄嗟に聞き返す頃にはもう遅い。
そこはもう、魔女の結界だ。
「引き出しの魔女」




