1話 伝説の帰還
初めての投稿です。暇つぶしに自分の癖を詰め込んだものです。文学に優れている訳でもないので下手くそですが、暇つぶしよければ読んでいただければ満足です。
20xx年、ある日から雨が降り始めた。冷たく、孤独な雨、その雨は降り止むことはない。国家の名前はその降り始めた日からジュビアという名の国となった。
そこに住む煙草が大好きな俺、ロベルトは、小さなタバコショップを営んでいる。止むことの無い雨の中ではタバコ屋での喫煙が主流になり、バーのような作りになっているものが多い。俺の店もそのひとつだ。そんな俺の小さなタバコ屋でも一定の重要はあるようだ。
まだ誰も来ないので、一服していた時、入口の鈴がチリンとなり顔を向けると見慣れた奴が入ってきた。
「やってるかぁ?」
だるそうに入ってきたのは昔からの常連、ブラウンだ。体は痩せ細っていて、黒いロングコートに身を包んでいる。腰にはシルバーのリボルバーがきらりと光っている。クマは酷く目つきも悪い。
「いつも通りやってるよ。セブンスターね。」
ブラウンはニヤリと笑い、軽く頷いた。
「あと、コーヒーもいいか?」
ブラウンはカウンターの席に腰を下ろした。
「珍しいな。」
いつもタバコを買っては直ぐに店を去るブラウンがカウンターの席に座る。
「最近は忙しくてな、なかなかゆっくり出来なかったんだが、一段落行ったみたいだ」
「例の人狼か?」
おっと、言い忘れていた。この世界では雨が降り始めてから奇妙な病気も流行りだした。全身の毛がまるで狼男のように生え、徐々に理性がなくなり最後は人狼に成り果てる。これを俺らは人狼病という。人狼病の原因は分かっておらず、人狼になったものは研究のため賞金がかけられ、人狼狩りで稼いでいる奴もいる。ブラウンもその1人。ブラウンは腕利きの狩人である。数多の人狼を狩り、生計を立てている。
「ああ。狼は仕留めた。生きてはいないがな」
そう言いながらタバコに火を付け灰皿を手元に寄せる。
「そうか。人狼を生きて檻に入れるのは難しい。仕方ないだろ。」
「生け捕りにできなかったから、賞金は減った。全くあの化け物を生け捕り前提とか国は狼を舐めすぎだ。あいつは何人ものハンターを喰っている。」
ブライアンはそう言いながら煙を俺の顔に向けて吐いてきた。煙草を灰皿に置いて珈琲を手に取った。
「あともう1つ、お前に話がある。上のやつにそろそろバディを組めと言われてな。」
そう言いながらあの鋭いあの目で俺の顔を見てきた。
「おいおい、冗談はよせよ。俺はもう引退してる身だぜ?」
確かに俺は昔狩人をしていた。が、あの事件以来俺は刑事をやめている。
「いや、俺はまじだぜ。あんたの伝説は聞いている。シルバーラビット・ロバルト。なんでも過去最多なんだろ?バディを組まずたった1人で160匹以上を狩り尽くしてよく言うぜ。まだ誰もこの記録を越えられてねぇ。正真正銘の狩人だ。他にもあるぞ?例えば煙草を吸い終わるまでに3匹を…」
笑いながらベラベラと俺の黒歴史を話してきやがった。聞いてるのも恥ずかしく、口を抑えた。
「む、昔の話だろ。今じゃ煙草にしか興味のないヤニカスおじさんだ。今更バケモン狩るには厳しいだろ。」
「まぁ、断られるのはあらかた分かってたが、仕方ない。これどけはつかいたくなかったが…」
そう言い懐から何かを俺の前に置いた。
「こ、ここ…これは!!」
「あぁ、今じゃ入手が困難になった超高級煙草、その名もブラッドシルバー。」
「まてまてまて、これをどこで手に入れたんだ!?しかもワンカートンも!」
さすがに目の前に昔の相棒を出されると動揺を隠しきれずテンションも上がってしまった。
「まぁ、俺の知り合いにこいつを作っている奴がいてな、定期的にくれるんだ。どうだ?俺と組めばこいつが毎日手に入るぜ?」
「組ませてい下さい。」
即答。抗えない!悔しいが今1度ブラッドシルバーを吸うためブラウンとバディを組むことになった。
これはヤニカスおじさんと目つきの悪い2人組が伝説を超えるまでの物語




