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つまらない日常
木曜日。
放課後のチャイムがなれば、
散らばっていく教室。
そんな中、私はカバンを持って、
4階へと足を運ぶ。
誰もいない、静かすぎる図書室に、
そっと足を踏み入れた。
図書委員のカウンターに座って、
昨日まで読んでいた本のページを開ける。
5時までの間の1時間、
本の整理とか、
夕陽が眩しくなったらカーテンを閉めるとか、
仕事なんてないようなもの。
高校に入ると図書室に来る人なんて、
ほとんどゼロに等しいし、
だから1人で、
ぼーっと時間をつぶすだけ。
高校に入ってすぐの役員会議。
図書委員になったのは、誰も立候補しなかったから。
1週間に1度の図書委員の仕事が、
木曜日になったのだってこの曜日が空いてたから。
図書室に来るのも、図書委員だから。
特別な理由なんてひとつも無かった。
あの人に、会うまでは。