表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
消しゴムくん  作者: ヤナ
2/3

2話 出会い


彼女とは大学時代からの付き合いで、他部署ではあるが職場の先輩

彼女はいつもダメな男ばかり引き寄せる


出会って1年ほどはただの相談役だった

クリスマス彼氏に何あげよう、卒研うまく進まない、彼氏と喧嘩した、就活が…

なんて良くある悩みを聞いていたと思う


転機は突然だった

彼女からただ一言


◎着いた


とLINEが届き、インターホンの音が部屋に響いた

急に困ると注意しようとしたが彼女を見ると出来なかった


彼女は顔を腫らして泣きながらドアの前に立っていた


僕は頭が真っ白になって

「大丈夫、大丈夫です」

と意味のわからないことを言って彼女を招き入れたのを覚えている


彼女の腫らした顔にアザが残らないよう温めたり冷やしたりしながら、脱力しきった彼女から溢れる話をただただ聞いた


「彼氏に捨てられるかもしれない」

「女殴るような男先輩が捨てるべきです」

「…でも好きなの、今回は私が悪かったから」

「先輩…」

「こんな顔じゃ嫌われちゃうし謝りにいけない、彼は私の顔を褒めてくれたのに」


自分の顔が醜いと泣く彼女を前にじっとしていられず抱きしめた

彼女は一瞬身体を固くしたが僕の背中に腕をまわして僕の顔を見上げる


彼女の弱みに付け入るように

彼氏が好きで堪らないのに

そんなずるいお互いを慰め合うように


僕たちの関係ははじまりから最低だった



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ