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第1話 ダンジョンアタック

新作です、更新は不定期でやっていく予定です。

 ダンジョン、それは摩訶不思議な迷宮。

 周期的に変化する内部、何処から現れたかわからないモンスター、そして、トラップ。

 だが、そこにある宝物一つを持ち帰るだけで左団扇で豪遊が出来る程の収入を得ることが出来る。

 ダンジョンの最深部まで攻略すると、英雄として学校の教科書に歴史の偉人として名を載せる事にもなる。

 そして、この地球では魔法と科学が同時に存在し、その両方の技術を合わせた魔科学という技術が存在していた。

 そんな星のある場所にいるダンジョンでの宝物をトレジャーする事で生計を建てるトレジャーハンターの一人がこのお話の中心に立つ。

 これはそんなお話。



 ダンジョン惑星地球の日本東北エリア、白神ダンジョンにて。

 一人のトレジャーハンターが今日もダンジョンアタックに励んでいた。

 「はぁ〜、昨日はボウズだったからなぁ〜、早い所お宝を見つけないと生活費がヤバいな・・・」

 俺こと間 月輝人(ハザマ ルキト)はダンジョントレジャーを売って生計を建てるトレジャーハンターの一人だ。

 「・・・浅い場所だとモンスターも出てこないからなぁ〜、やっぱり()()()()事故と言うか事件に巻き込まれたのが痛かったな〜、装備も一通り新調したばっかりだったし・・・よりによって()()()の食料が全部パァ〜だったからな・・・」

 今の状態だと装備の新調する際に作ったローンの支払いが滞る可能性が高い。

 「このまま深い所まで潜るしかねぇか・・・このダンジョンはまだ未解明な部分も多いし、()()()()()と予想されているみたいだしな。」

 出てくるモンスターは幸い動物系が多くなっている。

 「なら、ドロップアイテムに食料が混ざっている可能性も高いだろうし、期限が後3日しか無いローンの支払いもダンジョンに潜っているうちはどうにか誤魔化せるからな、成果を上げるまでいっちょ頑張るかぁ〜。」

 幸い自分はかなり荒事が得意な方だ、ステータスを()()()()()自分の状態を確認する。

 「よし、【ステータス】!」


 名 (間 月輝人)

 ジョブ ストライカー(格闘家)

 体調 良好

 体力 A

 精神力 C

 筋力 A

 技術 B

 敏捷 A

 魔力 B

 頑丈さ B


 俺は自分の現在のステータスを確認して自分の実力を再確認する。

 自分の実力を測り損ねるとダンジョンでは当然死に繋がる為である。

 「ゲームみたいにリスポーンなんてこの世には無いからな・・・」

 特に好きではなかったが、自分と同い年で同じ仕事をしている奴らの何人かが既に亡くなっている。

 その原因が全部調子に乗って危険な探索を行なった為となれば慎重にもなるというもの。

 「次はスキルの確認とアーツの確認だな。」



 スキル一覧

 戦神の加護 効果 (戦闘系ステータスの成長率の上乗せ)


 武芸の素質 効果 (戦闘系スキル、アーツの取得条件の緩和、熟練度の上昇率の補正)

 

 強運 効果 (敵から手に入るドロップアイテムと宝箱から手に入るアイテムの品質が上昇)


 逆境 効果 (敵が多い程ステータスが上昇)


 女泣かせ 効果 (女性の好感度が激上昇、行為時の満足度も常に最高)


 身体強化 効果 (常時身体能力が強化される、現在の強化レベルは5です、最大レベルは10まで可能です)


 アーツ一覧

 風刃脚 効果 (音速で蹴りを放つ事で風の刃を飛ばすアーツ)


 爆雷拳 効果 (雷を纏った拳を地面に叩きつけ、自分を中心に雷の衝撃波を放つアーツ)


 瞬拳羅刹掌 効果 (悪鬼羅刹の勢いで猛打を一瞬で敵に叩き込み粉砕する上位アーツ)


 ベッドマウンディング 効果 (対象者の性感を高め、屈服させるアーツ)


 快気法 効果 (休息効果を高め、疲労回復速度を高める)


 自分のステータスを一通り確認したところで、

 「やっぱり、後半に紛れ込んでるスキルやアーツは何なんだろうな?しかも効果もしっかりとあるしな。」

 ホストをやってる奴らにこういったスキルやアーツを持っている奴がいるのは知っているが、正直このスキルとアーツは初めてステータスを開いた15歳の時からあった。

 その後、18歳の時に幼なじみと()()()した時に効果が本物であることを知った。

 「俺の実家は道場だったからな〜、卒業まで鍛錬ばっかりだったから、女の子とそんなに会話もしなかったし、その唯一の例外がその幼なじみである里奈だったからな〜、里奈の奴に泣かれるな。」

 月山 里奈(つきやま りな)分かりやすく言うと隣の家に住む幼なじみの彼女だ。

 そう、()()なんだ。

 理由はまた今度話すから今は置いといてくれ。

 「ともあれ、潜って見ますか!」

 そう言って俺は下に降りる階段を探し、最深部を目指してダンジョンの奥へ進んでいく。


 階段を見つけて下の階層に下りるとそこも前の階層と同じ洞窟だった。

 この白神山地のダンジョンは2つあり、今回自分が潜っているダンジョンは洞窟型ダンジョンだ。

 もう一つは森林型のダンジョンでこっちは森の奥に進んでいく。

 洞窟型のダンジョンは階段を上ったり下りたりする。

 「さて、マッピングしながら歩いて行くか、もしこのダンジョンをクリアしたら借金の帳消しも夢じゃないぞ。」

 因みに今の借金の総額は三百万となっている。

 どんなに浅いダンジョンでも3階層はあるから、早いければ次の階段を見つけるとダンジョンボスとの戦闘になる。

 因みに歴史に残っている一番深いダンジョンは本能寺の裏手にあるダンジョンで踏破したのは織田信長だと記録に残っているそうだ。

 次が大阪城の地下にあるダンジョンで豊臣秀吉、その次が江戸城の地下にあるダンジョンで徳川家康の名が残っている。

 その頃の日本はダンジョン攻略に四苦八苦しており、ダンジョンの攻略=政治手腕と見られていた節があるようだ。

 そして、魔法による全世界規模の連絡手段、通称マジフォンが世界に広まったのは凡そ明治時代らしい。

 その後、携帯型マジフォンが百年後に開発され、世界はダンジョン攻略をより効率的に行う為に一つとなった。

 世界ダンジョン機構(WDO)の発足により、人間同士の戦争が無くなり、ダンジョンの攻略の為に軍隊が使われるようになった。

 現在、ダンジョンを攻略するのはその軍隊所属する者達か、スポンサー契約をした個人でのダンジョンアタッカー達だけだ。

 後は個人で銀行からの融資を受けてやる奴がいるが、そういうのは借りる前に終身保険に入らされる。

 受取人は借金の返済がまだなら銀行が第一、完済してれば妻や子供、いなければ親が受取人になる。

 因みに俺は500万の保険に入ってるぜ!?

 ・・・絶対死ねねぇ!!さり気なく親父が笑ってるシーンしか頭に浮かばんわ!?

 などと、雑念を浮かべては、現実に戻りマッピングしながら歩いて行くことしばし、

 「獲物発見!」

 頭が豚の人型のモンスター、ファンタジーの定番モンスター、オークが3匹だらしなく屯していた(たむろしていた)

 「・・・俺は魔法は使えないからな、身体強化を最大まで上げれば余裕だと思うけど、素手で殴り殺すと()()()んだよな〜、匂いが付くのは避けたい。」

 そして、俺は結局、身体強化を最大まで上げて、

 「風刃脚!!」

 回し蹴りを3発遠くから放って風の刃を飛ばし、オーク共を真っ二つにした。

 「よし、肉ゲット!!」

 倒したモンスターは死ぬと光る粒子になってアイテムに変わる。

 人間がダンジョン内で死ぬと、人間も粒子に変わり、衣類のみが残る。

 故にダンジョンで死んだ者の遺体は帰って来る事は無い。

 それ故、一時ダンジョン内での殺人が横行した時期もあるらしい。

 だから、発見されたダンジョンの前には軍の出向所や駐在所がある。

 ここのダンジョンにもあるので、このまま俺が戻らないと駐在所の軍人達が捜索に出ることになる。

 「そうなる前にこのダンジョンを制覇したい所だが・・・」

 先程手に入れた肉を次世代型アイテムバッグ、通称アイテムリングに入れて、俺は更に先に進む。

 すると今度は鳥型のモンスターが現れた。

 「今度は鳥肉か?どれどれ、スキャナー起動。」

 説明しよう、スキャナーとはモンスターや動植物などは勿論、鉱石や金属で出来ている刀剣なんかの武器防具から宝箱まで鑑定出来るトンデモアイテムだ。

 「これのおかげでミミックの不意打ちを避けれるようになったからな〜、魔科学の進歩は素晴らしい!!」

 そう言いながら、俺は鳥型モンスターの鑑定をすると、


 名 (グリーンイーグル)

 得意属性 風

 弱点属性 火

 概要 風の刃による攻撃と高速飛行による体当たりがメイン攻撃。

 羽に風魔法を纏わせて攻撃する場合もあり。


 データがあるモンスターだった。

 「ちっ、データありのモンスターか、無かったら金になったのに・・・」

 少し口汚くなったがそれは兎も角、

 「ヒャッハー!肉を寄越せー!!」

 再び、身体強化を最大レベルで施して、グリーンイーグルに俺が襲いかかる。

 「ピュイイーーーー!?」

 俺の全力ダッシュから逃げ切る事は出来ず、哀れな鳥肉に姿を変えた。

 「まぁ、不意打ちだとこんなもんだよな。しかし、豚、鳥って来たらひょっとしたら牛のモンスターもいるのか?」

 肉を回収して、その場を後にすると下に降りる階段を発見した。

 「まだ全部を探索した訳じゃないが手持ちの食料が心許ないからな、ガンガン降りようか。」

 そして、3層、4層と降りて行き、5層目で遂に大きな扉が現れた。

 「これは、間違いなくボス部屋の扉だが・・・恐らくダンジョンボスでは無いな。その手下、所謂中ボスって奴か。」

 俺がそう判断すると、俺は懐から懐中時計を取り出す。

 「今は夜の9時か、やはり休息を挟んでからのチャレンジになるな。」

 そう言って俺は通路の脇に移動してアイテムリングからテントを取り出す。

 「食料はダメになったが器材が無事なのは幸いだったな、高いドライ食料品が全部パーになった時にはあのクソ野郎を殺そうかと思ったし・・・」

 一応、ダメにした食料の代金は弁償してもらう事にはなっているが、支払いを渋りやがったせいでローンの支払いが滞る事態となった。

 「・・・地上に戻った時に支払いが終わっていないようなら奴をダンジョンにぶち込む。」

 そう心に決めて、俺は設置型ステルスフィールドを配置してから途中でゲットした肉を焼く事にした。

 「やっぱりこの次世代型アイテムボックスにして良かった、容量も多い上に携帯性も従来のバッグに比べて全然違うからな。」

 味付けは今日はまだ塩と胡椒で焼く事にする。

 「醤油や味噌は試食を終えてから考えよう。途中で卵が手に入る可能性もあるからな。」

 そう考えて俺は調味料の使用を控える。

 「やっぱり主食が全部ダメになったのが痛いな〜、キャンプらしく飯盒炊爨(はんごうすいさん)でご飯を炊く予定だったのに・・・」

 とにかく米党な俺にはご飯の無い生活が一番堪える。

 それでもしっかりと豚肉と鳥肉を頂き、俺はテントの中で横になった。


 その6時間後、俺はテントの中から出てきた。

 「快気法のおかげで疲れはそんなに残って無いな。ステルスフィールドに異常もなかったみたいだし、このまま片して中ボスとの対面と行こうか!」

 そう言って俺は扉を押した。

 大きな音を立てながら扉は開き、その真ん中に牛の頭を持つモンスターが仁王立ちしていた。

 「・・・牛もいるかもと思っていたけどよりによってミノタウロス、しかも亜種っぽいな・・・スキャナー起動!」

 俺は相手のデータをスキャンして、距離を取りながらデータを確認する。

 

 名 ミノタウロス・バトラー

 得意属性 不明

 弱点属性 不明

 概要 未解析の個体です、解析を継続するのでそのまま戦闘を継続して下さい。


 「うぉ!?マジか!?」

 どうやら遂に未解析のモンスターを見つけた。

 発見はされているが、解析が終わっていないモンスターなようだ。

 「よっしゃ!俄然やる気が出てきたぜい!!」

 そう言って俺はまずは小手試しと風刃脚を放つ。

 「ブモォォォォ!!」

 舐めるなとばかりに手に持つ戦斧で風の刃を叩き壊した。

 「やるな!せぇいやぁ!!」

 俺は超接近してミノタウロスにインファイトを挑む。

 「オラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

 至近距離からの打撃の嵐にミノタウロスが一歩二歩と下がっていく。

 下がったミノタウロスがいい位置にいたのでそのまま風刃脚を放ち、ミノタウロスの腹部に裂傷をつける。

 立ったまま吹き飛び受けた傷を気にせずミノタウロスは戦斧を振りかぶる。

 「ブモォォォォ!!」

 俺は再びミノタウロスの間合いの内側に飛び込み、

 「爆雷拳!!」

 拳を地面に叩きつけ、雷の衝撃波をミノタウロスに浴びせる。

 全身が痺れて動けないミノタウロスにそのまま上位アーツを叩き込む。

 「喰らえ!瞬拳羅刹掌!!」

 あまりに強力で速い右ブローにミノタウロスは簡単に吹き飛び、壁に激突してその動きを止めた。

 その後、スキャナーから解析完了のお知らせを聞いた所でミノタウロスが光になって消えた。

 残ったのは10キロはありそうな巨大なお肉と、ミノタウロスが使っていた物に似ている戦斧だった。

 「俺の身長に合わせたユニークウェポンか?」

 ダンジョン内のボスと呼ばれる高位モンスターを倒すと、ユニークアイテムと呼ばれる物が手に入る事がある。

 それは攻略者に合わせた装備となっており、既存の技術では到達出来ない性能の武器防具が殆どである。

 「でも、俺はストライカーなんだよな・・・でも待てよ?ひょっとしたら使えたりもするのか?」

 そう言って俺は戦斧を手に取って試しに幾らか素振りをしてみる。

 「ヤバい、身体強化全開だと片手でも重さを感じないし、しなくても普通に使える。」

 ダンジョンは幸いまだ奥があるようなので、

 「試し斬りと行こうかね?斧術なんて無いから全力で叩きつけるしか出来ないけど・・・」

 そう言って俺は奥にある階段を今度は上って5階層を後にした。

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