恨み
更新が一か月もできてなくて、ごめんなさい(´;ω;`)
「はあ!?」
美菜は血走った目で叫ぶ。
「あ、あんた、何様なのよ!そんなしょうもない嘘を…」
「これは、事実です!」
おミヤは声を荒げた。
その圧に、美菜もようやく黙り込む。
「陽斗さん、聞いてください。」
おミヤは俺をじっと見つめた。
「美菜さんは、あなたへの復讐を企てています。」
「………は?」
俺は思わず聞き返した。
「ふ、復讐って。俺、なんかした?」
「いえ。なにもしていません。先ほどの話からして、おそらく自分だけ死んでしまったことに怒りを覚えているのだとおもいます。」
「お、お前……」
美菜は鋭くおミヤを睨みつける。全身から殺気を漂わせている。
しかしおミヤは構わず続ける。
「さっき、美菜さんはこうおっしゃいました。『バグが生じて、こんな姿で生まれ変わってしまった』と。しかし、あなたにとっては逆に好都合だったのではないですか?その姿で生まれ変わったら、だれにもばれることなく復讐を果たすことができる。」
「おミヤ、ちょっと待ってくれ。だれにもばれないって、めっちゃ俺にはばれてるんだが。」
「うーん。もしかしたら、陽斗さんにばれたのは事故だったのではないでしょうか。生まれ変わった場所が陽斗さんの肩だった、とか。おや、図星のようですね。」
俺は美菜の方を見る。彼女は黙ったまま、荒い息をして、こちらを睨んでいた。
「まあ、続けましょう。そして結果、美菜さんはターゲット本人から姿を見られてしまった。どうやって誤魔化すかと考えた時に…」
「恋人、か。」
「はい。」
なんてことだ。俺は頭を抱えた。今までの彼女の愛は、全部偽物だったのか?
「落ち着いてください、陽斗さん。」
「で、でも…。」
「大丈夫です。」
おミヤはまっすぐに美菜の顔を見つめた。
「美菜さん。あなたの作戦がばれてしまった今、あなたはこの世界にいることができない。自分でもわかっていますよね?」
「……。」
「さあ、神に祈りなさい。冥界へ戻るのです!」
「……ち、ちくしょおおおおおおっっ!!!!」
美菜は絶叫した。
その途端に、美菜の全身から光が放たれた。
「ユ、許サナイ…七瀬陽斗、オ前ダケハ……」
光がさらに強くなる。
そして美菜は無数の光の粒になって、空へ舞い上がっていった。
俺たちは、その光景を黙って見つめていた。
いや、言葉が出てこなかった、と言うのが正解だろう。
俺は、強い恨みを抱かれていた。
しかも、あんなに愛していた美菜に。
俺は溢れてきそうな涙をぐっとこらえた。
すると、俺たちの目の前になにかが倒れこんだ。
「おミヤ!」
「おミヤちゃん!」
相当な体力を使ったのだろう。おミヤはそのあと、3日間も寝込んでいた。
次回、エピローグとなります。




