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漬物はネクロマンサーの香り~大量レベルアップの秘訣は新鮮な野菜の死体。大根アンデッド(漬物味)から始まる最強への道~  作者: 喰寝丸太
第13章 闘技場から始まる争奪戦

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第75話 勇者の手の内

 屋台をしていると色々と情報が入ってくる。

 魔獣に聖騎士が百連勝したが、神器は現れずだとか。

 勇者が莫大な賞金を懸けてならず者と決闘を始めた事とかが耳に入ってきた。

 勇者の手の内を調べる為に対戦を見に行かないとな。


 店番を四人に任せて観戦する事にした。

 ちょうど始まるところだった。

 大男と勇者が対峙する。


「俺は剛力無双のタグシャ。勝ったら、本当に金貨1000枚くれるのだろうな」

「勝てればな。御託はいいから、掛かってこい」


「大いなる力を宿らせたまえ【マッスルパワー】」

「ふん。とっとと来い」


 大男が大剣を振り下ろした。

 勇者がひらりとかわし剣は地面を叩いた。


「何をした」


 勇者が剣を抜き大男の首を刎ねた。

 何だ。何が起こった。

 ぱっと見は勇者が華麗に剣を避けて反撃したように見える。

 しかし、振り下ろした剣をそのままにしておく事はないだろう。

 跳ね上げて連撃に移ればいい。

 俺の目には大男が硬直したように見えた。


 分からん勇者の手の内が分からん。

 もっと観察したい。


 次の相手は水魔法使いだった。

 ところが魔法使いが水の弾丸を撃つも、ことごとく地面に落ちた。

 そして逃げようとした魔法使いが転んだ。

 そして斬殺。


 何となく手の内が分かった気がする。

 たぶん、重力だろう。

 これはどうなんだろう。

 しとめるのに物理は駄目だな。

 闇魔法はどうなのかな。

 火魔法使いと対戦するまで見てみよう。


 試合は何度も行われ、いよいよお目当ての火魔法使いが対戦相手として現れた。

 魔法使いが炎弾を放つもことごとく地面に落ちた。

 これは闇魔法でも危ないかも。

 霊術はどうだろう。


 ミディとシャデリーを呼んできて、勇者を攻撃してもらう事にした。


「闇よ安らかな眠りを【スリープ】」

「どうだ」

「駄目よ」

「くそう。魔力にも重さがあるのかよ。そんなのありか。ミディ、ゴーストを勇者にとりつかせろ」

「ゴーストさん、お願い」


「どうだ」

「ダメ。たどり着く前に地面の中に落とされて近づけない」


 ゴーストは物体を透過するけど、重力も物体を透過する。

 結局近づけないのか。

 ゴーストにも重さがあるとはな。

 俺の攻撃で通用しそうなのは窒息攻撃ぐらいだ。


「空気よ、生ける空気のリビングエアになれ【メイクアンデッド】」


 駄目だ。

 空気にも重さがある。

 真空の壁を重力で押し潰されたようだ。


 勇者が俺たちの攻撃に気づいていないのが救いだが、これはどうにもならん。

 呪いならチャンスありか。

 でも呪いも結局のところ魔力だ。

 重力に負けるのだろうな。

 光なら重力の影響を受けづらいが。

 リビングライトにレーザー攻撃を再現しろっていうのは無理だな。

 光の記憶にレーザーはない。

 レーザー発生装置が作れれば問題は解決するが、そんな物は作れない。

 困ったぞ。


 音と光で耳と目を奪っても殺せないんじゃどうにもならん。

 重力が目に見えれば隙は探せるが、どうする。

 見たところ勇者は重力の影響を受けてないように見える。

 なら範囲は全方位だと思っていた方が良い。

 マンドラゴラヴァンパイアの叫びも魔力だ。

 効果はないだろう。

 これは攻略法をゆっくり考えないと。


「二人ともご苦労様」

「何かおごりなさいよ」

「ミディ、屋台の焼きリンゴが食べたい」

「よし、気分転換だ」


 三人で焼きリンゴの屋台を訪れた。

 リンゴを焼いた甘い匂いが辺りに漂う。


「三つくれ」

「はいよ」


 木の串に刺さったリンゴをミディがふうふうと息を吐きかけて冷やしている。

 んっ。

 何か今、閃いた。

 ああ、そうだ。


 あれがあった。

 それを使える状況にもっていくのが一苦労だ。

 でも勝機が見えた。


 俺も熱々の焼きリンゴを食べる。


「ミディ、ありがと。ヒントを貰えたよ。焼きリンゴ好きなだけ食べていいよ」

「ほんと」

「あまり甘やかすと良くないわよ」

「じゃ、夕飯がいつも通り食べれる範囲でなら、食べて良いぞ。ミディはもう分別がつくよな」

「ミディ、子供じゃないもん」


 勇者対策も出来た事だし一杯飲みたい気分だ。

 売り物の漬物とエールで乾杯したら怒られるかな。


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