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三木景昌は放心していた。
10秒前まで自宅にいたはずなのに、気付いたら森の中にいた。
意味が分からない。
「ここはどこなん?どうなってるの?」
景昌は大声で叫んだ。
「お頭、こっちから声がしますよ」
若い男性の声がした。
景昌は心底ほっとした。
これで自宅に帰れると。
「おーい、こっちでーす。」
景昌は当然助けを求めた。
これで家に帰れると思い、大げさだが泣きそうになった。
「確かに声が聞こえるな、見られたかもしれん。殺しておけ」
は?意味が分からない。殺す?
景昌は怖くなってその場から逃げた。
「あ!お頭あいつ逃げました!」
「全力で追え!!」
後ろからそんな声が聞こえると思った瞬間、左腕に激痛が走った。
「痛っっっ!・・」
痛い・・、痛いというか熱い。
急いで左腕を見た。
左腕が大やけどしていた。
景昌はなんとか逃げ切った。
奇跡的に逃げた先に洞窟があったのだ。
洞窟の中で景昌は涙を流していた。
いきなり訳の分からない場所に連れてこられて、殺されそうになり、左腕を火炎放射器か何かによって焼かれたのだ。
自然と涙が出てきた。
「もう、なんなんだよ・・なんで俺がこんな目に・・」
そう呟きながら景昌は気を失った。
目を開けると、目の前に白い顎鬚を生やした老人がいた。
「可哀想な子じゃ・・神達がだらしないばかりに・・」
老人が意味の分からない事を呟いた。
「誰?・・ここはどこ?・・なんで俺はここにいるの?」
大粒の涙を流しながら目の前にいる老人に尋ねた。
「ここはカンナという世界。君たち地球人は異世界というのかな?」
異世界??意味がマジで分からない。なんで俺が異世界に??
「色々質問はあると思うが、あいにく時間がなくての、重要なことだけ伝えるぞ」
「この世界には魔法が存在する。君の腕を焼いたのも魔法だ。魔法が使えない君はすぐに死んでしまうだろう。だから君を仙人にしてやる。仙人になると君の素質次第だが、この世界
でも十分戦えるだろう」
「わしが消えたらまずステータスオープンと唱えろ。それで君の特殊スキルが分かる。もう時間が無い・・どうか死なないでくれよ・・」
そう言い残すと目の前にいた老人は消えた。
「なんなんだよ・・あの爺さん・・それと何だっけ?ステータスオープン?それなんだよ」
景昌が涙声で呟くと目の前に文字が浮かび上がってきた。




