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『ねぇ、あなた。ソウマと言ったかしら』
「えっええ。ソウマと申します」
『あなたとそこのコ、マカって女の子は同属なのね』
「その通りです。私と彼女はイトコで、同属です。もっともマカは血族の後継者という、大事な身ですが」
「嫌味かっ!」
マカはぷんすか怒りながら、あっちを向いてしまった。
『そう、やっぱり…』
マリーはしばらく考えた後、ソウマを真っ直ぐに見た。
『ソウマ、アタシをここに置いてくれない?』
「えっ! でもここはあなたのいた世界とは大分違いますよ? それに安全な場所とも言いにくいですし…」
「バカな同属が増えているからな」
ケッと忌々しそうに言い捨て、マカはアイスティーをすすった。
『危険なのは慣れているから、こっちが平気よ。それよりもアタシは行き場が無くて困っているの。この店主はアタシを売り飛ばそうとしているし!』
そう言ってカガミを睨み付けるも、降参だと言わんばかりに両手を上げる姿を見て、ため息を吐く。
『だからここに置いてちょうだい。できれば売ったりしないで』
「でっではどうしろと…」
『そうねぇ…。ねっ、マカ。アタシを用心棒に雇わない?』
「用心棒…」
およそアンティークドールから出る言葉とは思えない言葉に、マカは再び目が眩んだ。
「確かに戦力はノドから手が出るほどほしいが…。下手すれば存在は消滅するぞ?」
『元よりそういう存在だから、怖くないわ。…いえ、怖くないというのはウソになるわね。でも負ければ消滅というのは、あなた達にも言えることでしょう?』
真っ直ぐなマリーの視線を受け、マカは深く息を吐き、ソウマに視線を向けた。