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第3話



シエルへの誤解が解けたキツネは、さっそく何故ドングリ池に行きたいのかを聞くことにしました。



「それで、どうして2人はドングリ池に行きたいの?」


「ドングリ池は願い事が叶うって聞いて」


「お母さんを助けたいの!」



2人の話を聞くと、どうやら2人は病気になってしまった母親が早く治るようにドングリ池に願い事をしに来たそうなのです。

父親は出稼ぎに遠くの街に行っていて家にはほとんど戻って来ず、体調が悪くなっていく母親を見た双子の2人はどうにかしなければと思い、色々調べたところこの森の池にたどり着いたという訳でした。



「ふむ、なるほど。病気の母親を治すために……か」



こんな所まで子どもだけで。と言葉を続け、危険だ、危ないではないか。と続けようかとも思ったが、自分たちで考え必死にたどり着いたこの2人をただ叱るのは何か違うのではないかと考え、コマドリは言葉を詰まらせ、そして言うのを止めました。



「そういうことなら絶対にたどり着いて、ちゃんと家に帰らないとだね!」


「うん!最初この森に入った時は怖かったけど、今はキツネさん達がいるから怖くないよ!」


「それでお母さんに元気になってもらってまた昔みたいに笑ってもらうんだ!」



双子は笑顔を取り戻し、やる気いっぱいの輝いた目をしていました。



「よし!それじゃあ、ドングリ池への道はこっちだよ!」



みんながやる気にみなぎる中、コマドリはある一匹のことを思い出しました。



「……ん?そういえばクマくんはどうしたんだい?」


「あっ!クマくん!」



キツネは思い出してクマのいる方を向いてみると、そこにはまだ身を隠して震える姿のクマがいました。

キツネはクマに近寄り、この2人は怖くないと説明をしました。



「ほ、本当に……?」


「うん!だからクマくんも一緒に行こうよ!」



クマはキツネの笑顔を見て、双子と話してみようと思いました。



「あ……あの…………」


「「…………」」



だけど2人はまだ体の大きいクマに不安や恐怖を隠せませんでした。

そんな2人を見たキツネは、クマのことを話し始めました。



「大丈夫だよ!クマくんの大きな体と声でびっくりしたかもしれないけど、少し怖がりなだけでとっても優しいクマなんだよ」


「あの……さっきは突然人間が出てきてびっくりして大声あげちゃって、逆に怖がらせちゃった……よね……。ご、ごめんなさい……。あの、良かったら僕にも案内させてもらえるかな……?」


「「…………」」



2人はクマの言葉を聞いた後、2人で顔を向かい合わせて一瞬見つめ合い、そして笑顔で頷きクマの方に再び向き言いました。



「「うん!よろしくお願いします!」」



こうして双子やキツネ達は、ドングリ池へと向かうため歩き出しました。






「逆さ虹の森の動物たち」第3話です!

やっと次回から冒険が始まります!

短い冒険ですが、最後まで見守っていただけたら幸いです。

よろしくお願いします!

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