第一章 李 世民起つ
この小説は作者の趣味で書いているものです。
地名や人の名前の呼び方など実際には
そんな呼び方しないよ!というものが
多々ありますがご了承ください。
またこの小説に出てくる人物像は
作者が色んな小説を読んで勝手に作り上げた
人物像です。ご了承ください。
血の臭いが鼻腔をかすめ私は目が覚め起た。そして起き上がり回りの状況をみた。
昨日は確かに自分の部屋で寝たはずだった。
いやそれ以前にこんなことがこの国で現在起きているわけ無い。
「何がおきたというのだ?そしてここはどこなのだ?」
彼の目の前には見渡す限り無数の死体が転がっていた。
飢饉や疫病で死んだのではない、明らかに戦争によって死んだ者たちの死体であった。
「なんだまだ生きているやつがいやがったぞ。んっ?
しかもどこかの貴族か何かだな?たいそうな服を着てるじゃないか。俺が頂こうとするか」
突如黄色の布を頭や腕に巻いた5人の男達が目の前に現れたかと思うと
その中のリーダー格の男が斬りかかってきた。
するどい一撃だったがそれを何とかかわすと反撃にでようとしたが、
彼の手元にはなにもなかった。
「動くなよ。できればその服はきれいなまま手に入れて売り飛ばすんだからよ。」
そういうと男達は彼を遠巻きに囲み徐々に輪を縮めていった。
「万事急須か。このようなどことも分からぬ場所で賊どもに討たれるとはな・・・」
その時だった。どこからともなく飛んできた矢が寸分たがわず五人の男達の
眉間にささり彼らは息絶えた。
「殿〜!!殿ではござらんか。ご無事で何よりでした。」遠くから駆けつけてくる
3人の男達には見覚えがあった。
「秦叔宝に尉遅敬徳に李勣ではないか。」彼がそう呼んだ男達は
唐王朝を建てた李淵の次男である二代目皇帝 太宗李世民の忠実なる将軍たちであった。
「李世民殿までこちらにきていましたか。とにかくご無事でなによりです。」
李世民は改めて彼らに感謝すると現在の状況を聴いた。
李勣がいうところどうやら後漢末期の時代に何らかの原因で飛ばされてしまったらしい。
原因は解らぬが来てしまった以上死ぬわけにはいかない。
「どうしてこのような時代に飛ばされてしまったか解らぬが
もう一度一からここでわが唐王朝を建ててみるのも一興。
そなた達、また力を貸してくれるか?」
「これも天命かも知れません。われら3人ですが改めて殿に忠誠を誓います。」
そういうと李勣達は李世民の前で臣下の誓いをたてた。
李世民は足元に転がっている死体から手ごろな鎧と武器を手に入れると
詳しい情報を集めるため戦場を後にした。
「転がっている死体を見るとどうやら我々は後漢末期の黄布の乱が起きた頃に
いるみたいですな。この旗印や頭などに巻いている黄色い布をみると
そうとしか思えませんな。」李勣は歩きながら李世民に語った。
「400年以上も昔の時代に飛ばさされてしまったというわけか・・・しかし
どうして我々は飛ばされてしまったのだろうか?」
「李世民殿、今更嘆いてもしょうが有りません。とにかくまず情報を集めましょう。」
秦叔宝に諭され李世民もようやくあれこれと考えるのを諦め前に進むことに専念した。
しばらく四人は北に向って進んでいた。すると前方に大きな河が見えてきた。
時代を超えて集まる名将(作者が好きなだけ)たち。
これからもよろしくお願いいたします。