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(Ⅵ)紅蓮の美少女の目覚め

 大会は中止になり、僕の処遇はどうなったのかというと……退学処分は剥奪となった。というのも昨日の出来事でそれどころでは無くなったからだ。良かったのか悪かったのか… そんなこんなで今日僕は気持ちよい眠りについてる……のだが何だろう、この膨らみは……

「ん?何だこれ?」                  かなりフニフニするんだが果たしてこれは?僕は眠たい目を何とか自力で開ける。

「うわぉ!なななななんで女の子がここに!?」


「エイジお兄さん、どうかしました……か……何で裸なんですか?」

 いつも笑顔で僕を起こしてくれるユリンが無表情になってしまった。しかもよりによってこの子何で裸なの!?あ~まずいまずいこれはかなりまずいぞ!

「聞いてくれ、ユリン!これは事故なんだ!ハハ、ハハハ」       

「エイジお兄さんの馬鹿!!!」

 僕は凄まじいビンタを喰らった。凄くヒリヒリする。

「って服!ユリン何か服無いか!」


「今持ってきます!けどその間にその子をジロジロ見たら」        

「見ない見ない!だから早く持ってきて!」

 何でこんなことになったんだろうか。ついてない……

※※※※

「ジーー」


「……」


「もぐもぐ」


「ジーー」

 気まずい。何か振っとくべきか?

「ゴホン、ユリン実はこの子は僕の持っている剣なんだ」


「えっ!?そうなんですか!この子が……名前は?」                             

「クレイン、名前はエイジに付けてもらった」


「そうなんだ。エイジお兄さん、もしかしてこれからこの子は」


「そうだね……」

 この子を外に暮らさせる…はさすがに却下。先生の所に連れていくべきだな。うん!そうしよう。        

「決めたよユリン。クレインは先生に引き取ってもらうよ。先生には僕が言っておけば解決するし」 


「イヤです」


「へっ?」


「私はエイジの側から絶対に離れません」

 席を立ち、僕に抱きついてくるクレイン、ちょっと苦しい……

「もう!何やってるんですか!クレインやめなさい。エイジお兄さんは私の…」                          

「私の?」                              

「いえ、何でもありません。とにかくクレイン食べなさい!」

 仕方なしに席に戻るクレイン。そのまま朝食を食べ始めた。

「エイジお兄さん、とりあえずこの子は家に居候させます」


「本当か!ありがとう」


「まぁ、あの子と違って兄さんを取られる確率は低そうですしね」


「ん?どういうこと?」


「いえ、さっきの言葉は独り言なので気にしないでください。では私、早めに学園に行かないといけないのですいませんが洗い物の方お願いします」


「あぁ、わかったよ。いってらっしゃい」


「はい!では行って参りますお兄さん!」 

 良かった。とりあえず笑顔で学園に向かって行ってくれたみたいだ。

「エイジ……食べ終わったらどうすれば良いのですか?」


「ちょっと待って!僕の方もすぐ食べ終えるから」

 今日も慌ただしい日になりそうだ。

※※※※

「すいません、遅れました。はぁはぁ」


「エイジ、おはよう……朝から幼女とラブラブとはどうやら私に制裁をして欲しいみたいだな」

 しまった。途中でクレインが疲れたとか言うから、背負って無我夢中で教室に向かってたから下ろすのを忘れてた。

「エイジ…ひどいよ」

 何故だが凄く落ち込んでいるスノウ。あぁ、やってしまった。

「とりあえず、クレイン降りてくれるかな?」             

「もう少しエイジの臭いを嗅ぎたかったのですが…はい、わかりました」

 ヒョイと降りる。ようやく僕の背中が軽くなった。

「エイジ、席につく前に説明を求む」

 先生は真剣な眼差しでこちらを伺っている。スノウも同様だ。どうやら言い逃れは出来ないようだ……

「わかりました。では簡単に説明します。クレインは僕の持っていた剣です」


「ほぅ~召喚獣が人間タイプか。これまた珍しいものだな」


「人間タイプ!?凄い……」                                

「先生、僕はとりあえずクレインをこの教室に入れさせたいと考えていますがどうでしょうか?」


「私はいつでもウェルカムだ」


「私も私も」

 良かった良かった。どうやら満場一致のようだ。

「では、昼頃に制服を新しく作るとしよう、クレインは私と一緒に付いてくるように」


「エイジ……」


「この先生は優しい人だから大丈夫だよ!」                                

「エイジがそう言うなら私、先生の所に付いていく」                            

「うん、制服姿楽しみにしてるよ!これからも宜しく、クレイン!」


「はい!」  

 こうしてクレインを新たに加えた学園生活が始まった。

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