表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22/32

(ⅩⅩⅡ)ようこそ

 翌日、学園に登校した僕は先生から連絡を受ける。その連絡とは午後に学園長と面会せよとのことだった。しかもスノウと一緒に……何か良くない予感がする。

「エイジ、なに深刻そうな顔してんだよ。こっちまで深刻になるだろうが…」


「あぁ、ごめん。学園長に話とかってあまり無いからどうなるのかなと思って」                 


「まぁ、確かにな。俺もこの前一回だけ間近で学園長と面と向かって喋ったぜ」


「どんな話を?」


「釈放うんぬん」


「……そっか」

 聞かなきゃ良かった。

「エイジ、そろそろ行こう。学園長が待ってるよ」


「あぁ、行こうか!」      

 僕達は急いで学園長の部屋へと向かった。部屋は五階の筈だ。何だか久しぶりだなぁ……

「何か緊張するね」


「大丈夫!学園長は優しい人だから、緊張しなくて良いよ」


「うん」

 僕は意を決して扉をノックし部屋に入室する。

「失礼します。エイジ・ブレイン並びにスノウ・ローゼン参りました」


「おぉ、直接顔を見るのは久しぶりだな。エイジ君!」

 お茶で和んでいるおられるようだ。

「まぁ、そんな立ってないで早くそこのソファーに座りなさい」


「失礼します」

「失礼します」

 僕達二人は同時にソファーに座る。机の上には適当な駄菓子と熱々のお茶が置いていた。   

「あぁ、その机にある物は私が用意したものだ。遠慮せず食べてくれ」

「ありがとうございます。では早速」

 クッキーを摘まむことにする。ん!これは中々……

「さて、喜んでいる所悪いが本題について話そう」

 学園長はおもむろに席を立ちこちらのソファーに座ってきた。

「今日来てもらったのは…あるお願いがあるからだ」


「お願い…ですか?」


「うむ、実は昨日クロノス聖団から依頼があってね……君達二人を聖団に派遣して欲しいそうだ」


「うそ……クロノス聖団が!?」


「クロノス聖団!?」

 クロノス聖団は確かエリート揃いと聞いているけど、まさかそんな所から派遣の要請だなんて……信じられないなぁ。  

「まぁ、無理も無いの。急な話で頭が混乱するのもわかる。そこで今日、クロノス聖団の依頼者が来ている。どうぞ!」  

 扉を開け一礼する男はまさかの……

「よぉ、昨日は良い戦いを見せてくれたね!」


「あなたは、カーネルさん!?」


「覚えていてくれたんだ~おっちゃん嬉しいぞぉ。それにしてもまた会えるなんて運命を感じるね~」


「あの!私はスノウ・ローゼンと申します!以後お見知りお…」


「そう、堅くならなくて良いよ。スノウちゃん!仲良くいこうよ!」 


「君も早く座りたまえ」


「はいはい、分かってるって!よいこらせと!」

 勢い良くソファーに座り……

「で?話は概ね聞いているよね?」


「一応は」


「じゃあ単刀直入に聞くけど……返事は?」


「その前に派遣での仕事は具体的にどういうことをするのですか?」


「具体的にね~。まぁ今後出没するキングに対処することかな」


「対処ならマイティの人達でも可能なのでは?」


「確かにね~。けどね俺は君達の腕を見込んでいるんだよ。昨日の試合、空中カメラから見させてもらったけど惚れ惚れしたよ~エイジ君の剣術そしてスノウちゃんの……ルーン」


「……」


「ルーン!?スノウ本当なの?」


「…うん」        

 ルーン、召還獣と人間が一体化すること。その力は強大だがリスクも激しい諸刃の剣……最も使える人はごく一部と聞いていたけど…

「驚いたよ~まさか今でも使える子が居たとは!胸熱だったよ!」


「ありがとうございます」


「…さて、もう一度本題!返事は?」

 どうする?この件を断っても別に大丈夫そうだけど……

「スノウ、君ならどうする?」 


「えっ、あたし!?うーん」                     

「やっぱりね~。まぁ今回の件は少々事が事だから考えるかもしれない。けど君達が入ってくれることで流れが大きく変わるかもしれない。今の君達ならそれが出来る!だから頼む!」

 強く頭を下げるカーネルさんに僕は……

「お受けいたします」


「エイジ!?」


「本当か!」


「この世界は今、未曽有の危機に晒されています。少なくとも僕はこの状況を放置することは出来ません。だから僕はこの話を引き受けます」


「エイジ……」


「スノウ、君が嫌ならそう答えてくれて良いんだ。これは強制じゃない」


「……私もいきます!」


「本気かい?スノウ?」


「うん、私もエイジと同じ……今の状況をただ眺めているなんて出来ない!」


「スノウ……」                           

「良し、決まったな!お二人さんの気持ち有り難く頂戴する!」


「ほほ、契約成立ですなぁ。良かった良かった」          

「あっ、そうだエイジ君。君に仕えていた……」


「クレインのことですか?」


「そうそう、あの子は大丈夫なの?」

 クレインなら……迷わず来てくれるよね。

「大丈夫だと思います。きっと来てくれるでしょう」

 それを聞きカーネルさんの顔が大層晴れやかになった。 

「そっか、そっか。それじゃあ明日9時に俺が車で迎えに行くわ。その時間帯までにはしっかりと朝食を取って準備をしてくれ。行く場所は勿論クロノス聖団本部…そこで自己紹介やらをするんで宜しく!そして最後に……」

 長い間を作り、笑顔でこう告げた。

「ようこそ、クロノス聖団へ!」

 こうして僕達のクロノス聖団の派遣が決まったのである。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ