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(ⅩⅦ)アヴァロン王国崩壊

「キング、準備が完了しました」


「ようやくか……」


「誰も居ない時間帯にお絵描きしていたので少々気が滅入る作業でした」


「ご苦労」

 私の計画が本格的に動き出す。私達の恐ろしさを全世界に配信する!

「キング…メディアの方はもう少しで抑えられると思います。それとこの後の風景も私が担当します。ご安心下さい」


「わかった。お前は魔法の制御と世間に公表する映像を頼む、前線はルークにやらせる」


「かしこまりました」

 ※※※※

「こちら東門、以上無し!そちらの状況は?」


「こちら西門、怪しい人影は確認出来ず」


「了解、引き続き警戒を怠るな」


「ちっ、早々簡単には姿を現さないか」                   

「相手は王を殺した大罪人ですからね、油断は禁物ですよ。アレックス少尉…」


「んなことはわかってんだよ。とにかく俺はさっさと大罪人をとっちめて!」

 ピカー!!!

「何だ?今の光は?」


「街方面か!エリアA・B・C!状況を報告せよ」


「こちらエリアA!ぐっががが」


「おぃ、どうした?返事をしろ!おぃ!駄目です。連絡が途絶えました」


「B・Cは?」


「……駄目です。繋がりません」


「恐らくあの光の影響で街の人々がおかしくなっている可能性がある」

 そして一気に広がる爆発音。火事になっている家もある。

「くそっ、人々の精神を崩壊させる魔法か!?何て奴らだ」       

「一体何が起きているんですか!?」                 

「ソウル・ブレイク……かなり手間がかかるが魔法陣範囲に入った奴は精神を壊され、操られる厄介な魔法だ。そしてこれが使える奴は相当の手練れだ」


「そんな恐ろしい魔法が……」


「胸糞悪いぜ」


「こちら正門前!街の人々が火薬瓶を所持し、こちらに接近!」


「少尉!」


「分かってる……全員に通達!王の城に踏み入れる奴は一般市民であろうが排除しろ!可能なら気絶、無理なら殺しても構わない。以上!」


「了解!!!」


「少尉、いよいよですね」


「あぁ!姑息な方法で来やがって、絶対に半殺しだ」 

 ターゲットは確実に城の中に居る王を狙うつもりだろうがそうはいかない。俺は断固として先回りさせてもらう。

「少尉、私も行きます」

 人数が二人居る方が良いかもしれないが、連絡役は付けた方が良いか……

「いや、お前は連絡役に任命する。ここを死守しろ」            

「了解!」

 俺は城の中に入り玄関先に向かう。ここなら広いし、戦いやすい。

「さぁ、来るなら来い!」

 ※※※※

「あぁぁぁぁ」

「うぁぁぁぁ」

「くっ、貴様ら…斬れ!斬れ!」

 城付近で一般市民と聖団そして王国の兵士…容赦無い戦いが繰り広げられている。ふっ、なんて美しいんだ。

「そこの怪しい奴、止まれ!」 

 振り向くとそこには聖団の者達が武器を携え身構えている。

「何かな?私は今、急ぎの用事なんだが」


「お前の目的は王殺しだな!今ならまだ間に合う。今すぐ降伏宣言して手を上げろ!」


「……ぬるいな」


「なに?」              

「君達は無益な戦いを避けるタイプか……私は無益であろうが自分の為に目標を成し遂げる!」        


「手を上げる気は無し……確保する。いけ!」

 聖団10人は私に襲いかかってきた。愚かな……  

「ルーク、出番だ」              

「おっしゃ!」    

 ルークの突然の奇襲により兵士全員はなすすべも無く一瞬で片付けられる。さすがだな   

「ルーク参上!これからどうすれば良いんだ?」                                   「お前は私と共に来い!」


「了解!」        

「これより城の中枢に向かう。狙うはアンドレア国王の首!……行くぞ」


「よっしゃー、気合い入れて行くぜ」

 城の正門は兵士と市民だらけ…なので私達は裏に回ることになる。そこには窓があった。窓は開けっぱなしか…ちょうど良い。ここから入るか

「ルーク、この窓から侵入するぞ」


「了解!」        

 もうすぐお前の首は吹き飛ぶことなる、楽しみに待っていろ。アンドレア国王……クックックッ

「誰も居ないか。やはり多くの聖団は市民の方を対処しているらしい。こちらの思惑通りだな」    

 私達は玄関先へ向かうことにした。どうやら玄関先からでないと二階には上がれないらしい。

 歩いて数分、ようやく玄関先に到着する。内装はやはり国王の城だけあってかなり豪華だ。だが、この後の予定ではこの城は……

「隙ありぃぃぃ!」     

 二階から飛び降りてくる騎士が居た。どうやら待ち伏せされてたらしい。私はすぐさま大剣を取り出し、追い払う。

「ちっ、そう簡単には倒せねぇか」


「残念でしたね。聖団の方……」


「俺にはアレックス少尉という名前があるんだよ」

 アレックス少尉……髪は茶色、全体的にチャラついている感じだな、制服が飾りになっている…聖団も墜ちたものだ。  

「すまないが君と戦っている時間はあまり無いんだ。ルーク、この場は任せる」


「お任せ下さい!」 


「っ!行かせるかよ!!」


「おっと、よそ見はしない方が身のためだぜ!」

 ルークはすかさずアレックスの攻撃を素手で止める。やるな、ルーク……

 私は駆け足で王の元へと向かった。

※※※※

「くそっ、逃したか」


「へへ、行かせねぇよ」

 大柄な男が俺の行く手を阻む。さてどうやって倒そうかな?

「悪いが、こっちは急いで奴の元に向かわなければならない!だからお前はここで……消す!」                槍を一気に振り下ろし、大柄な男の頭部に狙いをすませる。だがその攻撃は素手で何食わぬ顔で受け止められてしまう。こいつ…涼しい顔しやがって!

「くっ、この野郎」


「次は俺の番だ。楽しませてくれよ」

 空いた右手で俺の腹に直撃させるつもりか!?そうはさせねぇ。俺は左手を槍から放し対応する。            「ぐあぁぁぁぁ!」 

 ビキビキと骨が割れる音がする。野郎……握力が段違いだ!普通にやってたら確実に負ける。俺は一度体勢を整えるため距離を置く。まずい、左手が動かねぇ。

「おいおい、もう左手がぶらんぶらんかよ。しょぼい腕してんな」


「糞野郎が……絶対に消す」                  

「俺はキングの塔……キングは守らなければならない。だからお前の相手をする時間は無い。ここで果てろ……」

 そう言うと、両手をそれぞれ中心に寄せ何かを精製していた。そしてそれは姿を現す。

「ヘルアックス!どうだ…イカした名前だろ?」


「本当に…大した野郎だぜ。いくぜ、おらぁ!」

 俺は唯一使える右手にだけ力を込め、大柄な男に立ち向かう。だがその攻撃も全く歯が立たない  

「くっ、何で…何で喰らわねぇんだよ」 

 男はニヤリと笑い……

「何で喰らわねぇのか?そんなの簡単だ……お前が弱すぎるからだ」


「!?」   

 男は右足で俺を壁まで蹴り飛ばす。くそ、まずい!身体が言うことを聞かねえ。   

「じゃあな。少尉さん」


「くそったれが」

 ビシャ!!!

「あ~あ血まみれになっちまったよ。早く洗い落としてぇな」

※※※※

 ドアを開ける。そこにはアヴァロン王国の王……アンドレス国王が席に座っていた。

「待っていたぞ。ローマイアス王を殺した不届き者よ…」


「お待たせしました。王よ…首を頂戴させて貰います!」


「そう易々と渡す物か。行け!我が優秀な騎士達よ」

 カーテンの裏側から二人のベテランらしき騎士が姿を現す。

「貴様、名は!」                       

「申し遅れました。私の名はキングと申します。短い間ですがどうぞ宜しくお願いします」


「キング…王か。その名は相応しくない!ここで消えろ!」 

 二人の騎士は私に襲いかかってきた。 私は背中から大剣を取り出し、それぞれの攻撃をなぎ払う。

「ふん、ならばこれならどうだ!」

 二人の騎士の動きが一気に変わる。さっきまでの動きが嘘みたいに変わっている。こいつは見極めがし辛いな。

「参ります!」

 大剣で対処するがあまりにも速過ぎるためかすり傷を受ける。まずいな……

「どうした!もう終わりか?ハハ、大したことなかったな!決めるぞアマ!」


「分かりましたテラス兄さん!」 

 一気に仕留めるつもりか…させん!私は大剣を一周回して牽制を取った。    

「なっ」


「こいつしぶとい」


「ふっ、しぶといのが私の強みでね。……そろそろ私も本気を出すとしましょうか」

 私の魂から召喚獣を呼び出す。来い…         

「カオスハーク!」


「……俺の眠りを妨げるとはな」


「ドラゴンが喋っただと!?まさか……!?」

 騎士二人は同様を隠し切れないようだ。それもそうか、こいつは一年前……

「何故、何故お前がそれを所有している!?それは確かペルシャ峠である男の犠牲で解決したはずなのに!」             

「王よ、現実を見てください。今こうしてカオスハークは存在しています。では今からその力の一部をお見せしましょう。行くぞ!ハーク」


「心得た」

 ドラゴンは大剣に身を宿す。そして大剣の外見は大きく変貌する。ただの大剣から禍々しい紫色を帯びた大剣へと…… 

(さっさと終わらせろ)


「あぁ、そのつもりだ」


「うぁぁぁ」

 正面・背面それぞれを狙ってくる騎士二人…ぬるいな。

「消え失せろ」


「何、霧だと!?見え……がはぁ」


「かすり傷のお礼だ。ありがたく受け取れ」

 大剣を構え一気に縦に振り下ろす。すると見事に身体がそれぞれ左右に分裂した。

「兄さん!くそっ、どこにいる?」


「ここだよ」


「そこか!」

 一歩引き下がり、なんとか回避する。危ない奴だな……

「ついでだ。お前にも礼をしておく。最後まで私との戦いに付き合ってくれてありがとう。ではな」   

 後ろに回って顔を大剣で刺す。脳が良い感じにえぐれただろう。    

「あぁぁぁ。アマ!テラス!うわぁぁぁぁ!」


「最強と謳われていたアヴァロン王国も今日で終わりです。ではお休みなさいませ、アンドレス国王殿」


「貴様の仮面を剥ぐ!」

 王は剣を持ち、こちらに向かって来た。

「死ねぇぇぇ」


「やれやれ」

 隙を見て王の右手を振り落とす。これで動かなくなるだろう。

「ぐぁぁぁ」                         

「そんなに素顔が見たかったのですか?良いでしょう、今ここでお見せします」                       私は仮面を取り外し素顔を見せる。

「お前…あの時の!?」


「その節はどうも…あれは中々厄介な放浪召喚獣でしたね。本当に苦労しました。では……ごきげんよう」

 王の首を跳ね落とす。苦労したがこれで回収完了だ。

(では、我は眠ることにしよう)


「あぁ、そうしてくれ」

 カオスハークは私の心臓に入っていった。そこにルークが駆けつけて来た。

「さっすがキング、もう終わりましたか!」            

「首は回収した。この場に要る意味は無くなった。撤収するぞ、ルーク」


「了解」        

 ビショップにも連絡を入れておくか。    

「はい、私です」


「ビショップ、作戦は終了だ。後は適当に建物を潰して、ポイントSに合流せよ」


「かしこまりました」

 電話を切るや否やルークはすぐに私に……

「さて、アンドレス国王は無事成敗出来ましたね。次はどこに行くんですか?」

 私が次に向かう場所はもうあそこしかないな。

「次はメディアに出る」


「へー面白そうですね」


「そうだな。何はともあれこの出来事を公開すれば……」

 どう動くか楽しみしているぞ……クロノス。ハハハハハッ!!

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