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(ⅩⅡ)クレインの出自

「お帰りなさい、エイジお兄さん」


「あぁ、ただいま」


「ご飯はもう出来てますよ」


「ありがとう、じゃあ先に食べるよ」


「お兄さん、何かあったんですね?」

 どうやらお見通しいらしい。さすが妹だ。

「実はね…」

 僕はユニバース王国で何が起きたのか詳細に伝えた。

「そんなことが…」


「もうすぐニュースに出るかもしれない。」


「まさかあの女の犯行」


「それは無いよ。彼女ならもっと手っ取り早い方法でやる」


「そうですか」


「……これ凄いね。かなり手間かかってるんじゃないの?」        

「そんなことないですよ。さぁお兄さん早く召し上がって下さい」                           


「では!いただきます」

 モグモグ

「お兄さん、食べ終わったら風呂に入ってくつろいで下さい。食器は全て私が片付けますので」


「そうさせてもらうよ」

 ユリンに気を使わせてしまった、何だか申し訳ない。僕はすぐに食事を食べ終わり風呂場に直行した。

「ふ~」

 最近色んなことが僕の目の前で降りかかっている。大会襲撃・生徒会長襲撃・ローマイアス国王殺害など…僕の予測ではまだ何か起こる。もっと大きな何かが……

「ダメだ。ぼうっとしていると余計な事を考えてしまう」

 結局5分足らずで風呂場を後にした。体に染み付いた汗を取り、髪の毛を乾かし二階に上がった。

「お帰りなさい、エイジ」


「何でこの部屋に居るの?」


「あなたの剣だから……」


「ユリンの部屋に戻」


「あなたの剣だから」

 何度言っても戻ってくれそうに無いので僕は早々に諦める。もう何も考えたくない、早く明日に備えて寝よう……

「エイジ、今日は大事な話があります」 


「明日じゃ、駄目なのかな?」


「今話したいのです」

 仕方ない…僕はベッドに入らず正座体勢でクレインの話しを聞くことにする。

「ありがとう、エイジではお話ししますね。実は私があなたの所に来るのは必然だったのです」


「ちょちょちょ、いきなり話し端折りすぎでしょ。もっと要点を話してくれないかな?」


「わかりました。では初めからお話しします。私はある人に作られた剣です」


「ある人?」


「今はまだ言うべき時では無いので控えさせていただきます。それで話の続きなのですがある人が私に言ったのです。あなたはエイジと道を共にする存在になりなさいと」


「……」


「ある人はアリシア・ベールという人に私を渡しました。時間帯は真夜中」


「ん?だとすると先生は何故そんなことを言ってくれなかったんだろう?」


「あの様子だと恐らく記憶を消したんだと思います」


「相手にとって顔を見られたら都合が悪いということなのか?」


「はい」    

 だとするとクレインを作った人物は僕が剣を持っていないことを知ってる人だと思われる。学園関係者の可能性は極めて高いな。でも…

「一つだけわからないことがあるんだ。聞いて良いかな?」


「どうぞ」


「僕に剣を渡して何をさせたいんだ?」


「明確には言ってはいませんでしたが、確か大きな闇に立ち向かうためとあの人が言っていました」  

 大きな闇…もしかすると、作った人はこれから起こる事態を知っているのかもしれない。

「話しは短めですが、ここで終わりたいと思います。では、お休みなさい。Zzzzzz」                 寝るの早!しかも僕のベッドで遠慮無く寝てるし……

「ユリンの部屋まで連れて行くか」 

 このままだとベッドに寝れないのでクレインを抱えユリンの部屋まで連れて行くことにした。ドアを開けたら何故か膨れていたけど……

 夜10時就寝。寝ている内にクレインの話しの一部に引っかかっる所があることを思い出し結局あまり寝付けなかったのであった。

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