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幕間
「ふうん、君はそういう風に思うんだね」
一人の少年が、木の陰に立って、つぶやいた。体操服から覗く手足は折れそうなほどに細く、病的なまでに白い。
「やっぱり、似てても、別人だ。ね、そう思うだろ?」
吐き捨てるように言って、少年は腕にまとわせた小さな白蛇に視線を落とした。白蛇は、同意も否定もせず、ただ小さく真っ赤な舌をちろちろと出しながら、するすると手首に巻き付いて、指にその胴を絡ませた。
少年が手をあげて、口元に寄せる。そのままふうっと、息を吹いた。途端、白蛇が鱗の破片となって砕け去った。
一陣の風が吹く。
「やはり、他に道はない。あの方の願いを叶えるために―――古河ちかこには死んでもらおう」
音もなく吹き荒れた突風は、しかし枯葉一枚動かすことなく突如収まった。
突風が去った後には、少年など最初からいなかったように、どこにでもある森が午後の木漏れ日に輝いた。




