黒いハイヒールの女〜双子のメイド〜
KAD(Kill And Death)組織。監獄の要塞。
国が作り上げた性犯罪を取り締まる為の組織で、
性犯罪を犯した者は一切の人権を剥奪される。
要塞には拷問収容所、精神破壊収容所の二つがある。
強姦罪などは拷問収容所。
焼けた鉄を執行人の手によって尻の穴に突き刺される。
当然、KAD組織は被害者のケアで忙しいので牢屋に放置される。
その後、同じ囚人たちと同じ部屋に死ぬまで監禁されることとなる。
監禁された場所には、
肉の焼けた匂いと密集した囚人たちの汗の匂いで充満している。
傷の手当てもなく、食事も与えられない。
痛みに耐えて死んでいくだけだ。
痴漢や盗撮は精神破壊収容所へ3ヶ月間。
3か月間、一切のコミュニケーションは禁止。
会話や笑顔は絶対に禁止で目を合わせるのも禁止。小部屋で一人ずつ監禁。
その後は要塞の中で強制労働をする。清掃や他 資材の持ち運びなどがある。
一度入ったら二度と外へは出られない。
性別も年齢も素性も関係なく、犯罪を犯したかどうかだけが基準となる。
そして、AI監視カメラができてしばらく経った後。
電車で盗撮している犯罪者がいた。
ちなみにAI監視カメラの性能は100%だという。
天井からロボットの手が伸びてきて犯罪者を捕まえる。
「オマエ、コノデンシャ、イラナイ」とロボットが喋ると、次の停車駅でポイっと捨てた。
その場に待機していたKAD組織メンバーが捕まえ、要塞へと連行する。
紫月「ご苦労」
組織メンバー「「は!」」
組織のメンバー。
黒崎と本条は一礼をすると持ち場に戻っていった。
紫月(24)。
長い髪をキツく結び、ぴっちりと分けられた前髪。
膝丈のスカートと黒いハイヒールを履いたスーツ姿の美しい女性だ。
スーツの胸元に付けられた金色のバッジは、
金色の桜とそこに剣が突き刺さっている変わったモチーフだ。
「証拠は!」と喚き散らす犯罪者。
紫月は眉一つ動かすことなく、
「証拠はOLのスカートを写していた手元を監視カメラが写し、映像として残していた。」
と告げた。
「な・・・でも!それでもだ!
たかが盗撮で一生牢屋なんておかしいだろ!!」
紫月「ばかめ、盗撮だろーがなんだろーが、
性犯罪を犯した者は人権を一切剥奪される、
貴様は死ぬまでこの要塞で自分の墓場を清掃し続けるんだよ。」
「いやだああ!!!」
叫び虚しく、執行人二人によって犯罪者は精神破壊収容所へ連行された。
紫月(24)。
KAD組織のリーダー。
正義感が強く、凛とした女性。
新人の神無(22)。
素直で優しい性格の青年。
マリア(28)
マッチョで長い茶髪を後ろで縛ってる男性。
破天荒な性格。
ジョーニ(29)
マリアの恋人。男性。口にピアス。長いサラサラの黒髪。
すらっとしたイケメン。
お昼休憩。
「はい、ダーリン!あーん。」
「君に食べさせてもらうと更に美味しくなるよハニー。」
「やだぁ、ダーリンたら〜!」
マリアがマッチョな体を左右に揺らしながら喜ぶ。
そんな二人を横目に神無が呟く。
「僕たち、何を見せられてるんでしょう。」
「すぐに慣れる。」
紫月がお茶を飲みながら冷静に言う。
「えー・・・。」
「そうだ、これからメイド喫茶に行くぞ。」
「え?」
聞き違いだろうか。紫月さんの口からメイド喫茶だなんて。
「あら、まだ知らなかったのね。KAD組織のメンバーにはね、要塞にいないで外で警備をする人もいるじゃない?」
「はい。」
「KAD組織が管轄してるメイド喫茶があるのよ。
そこではメンバーも働いているわ。」
「へー、それじゃあ偵察的な感じなんですか?」
「まぁそうだな。メンバーだけでなく、働いてくれている人たちにも何か困ったことがないか聞いているんだ。
前に、メンバーではないんだがメイドの男の子が痴漢にあってな。」
「すぐにKADメンバーがとっ捕まえたけどね。
その子、まだ働いてくれているわ。とっても素直でいい子よ。」
「え!?男性も働いてるんですか?」
「ああ、面談はしっかりとしているから従業員の中から変な奴は一度も現れていない。」
「その面談って紫月さんが?」
「よく分かったな。」
そりゃ、あの鋭い目付きで面談受けたら、
ふざけた考えの人なんてびびって逃げちゃうよ。
むしろ普通の人も。
今働いてる人は結構肝が据わっているのかも?
「KAD組織のことは最初に言ってあるから、
安心して働けると言ってくれる人もいるんだよ。」
紫月が神無の心を見透かしたかのように教えてくれる。
「確かに、それは大きいかも。」
メイド喫茶"ハロハロ"
このお店にはKADメンバーの双子の姉妹がいた。
名前はロンロンとメロメロ(20歳)。
二人ともサラサラの黒髪ツインテールだ。
メイドをやりながら警備を担当している。
会計中、二人は並んで立って接客をしていたのだが、
客にお尻を触られてしまった。
「「痴漢!!」」
二人の叫び声にビックリした男は逃げ出そうと店を急いで出た。無銭飲食だ。
「逃がさないよ、メロメロ!」
「はいな、ロンロン!」
二人はドアを蹴破る勢いで出ていくと男の足目掛けてロンロンがモップをぶん投げた。
衝撃で足が絡まり転んだ所にメロメロが飛び乗る。
「私たちに痴漢するなんてばかね。」
「ほんとほんと。」
「な、なんなんだ、あんたたちは・・・。」
「「私たちはメイドよ。」」
と、その時ちょうど、
紫月、神無、マリア、ジョーニが到着。
「何の騒ぎだ。」
「あ!紫月さん!!お疲れ様です!!」
メロメロがジタバタと暴れている男に乗ったまま返す。
「この人、何したんですか?」
「私たちのお尻触ったんですよ!」
「酷くないですか!?」
「あ、じゃあ、早く手錠かけた方が。」
「あらま、神無ちゃん、だいぶこの仕事慣れてきたわね、アタシ感心しちゃう!」
「忘れてた!メロメロ、やっちゃって!」
「はいな!」
メロメロがスカートの中の太ももに取り付けてあった手錠を男にかけた。
「マリア、ジョーニ、その男を頼む。」
「はーい♪」
「分かりました。」
「辞めろ!俺をどこへ連れて行く気だ!!」
「面倒くさいからあとで教えてあげるわよ♡」
「さっさと歩け。」
「二人とも、被害にあわせてしまってすまない。」
「何言ってるんですか!紫月さんは何も悪くないじゃないですか!」
「そうですよ!メロメロと私の不注意もありましたし。
スパッツも履いてるから一枚分防げましたし!」
「そうか・・・。困ったことがないか聞きに来たんだが、先を越されてしまったな。」
「それより、この方は新人さん?」
「ああ。神無だ。」
「自己紹介遅れました!俺、神無って言います。
最近メンバーになりました。」
「私はロンロン、こっちがメロメロです。」
「えーと・・・。」
「私たち顔も背丈も同じだから分からなくなっちゃいますよね〜!右目の下にホクロがあるのがメロメロ、
左目の下にホクロがあるのがロンロンって覚えてもらえれば。」
「右目の下のホクロがメロメロさん、左目の下のホクロがロンロンさんっと。」
神無がメモ帳に書く。
「真面目な人ですね。ね、メロメロ。」
「うんうん。」
「あはは、覚えるのが苦手なだけですよ。」
「おい、神無、頭に何乗っけてるんだ。」
「え?どこですか??虫だったらやだな。」
神無が頭をわしゃわしゃしてみるが、見つからない。
「違う、ここだ。」
後頭部の斜め後ろあたりにくっついていたのは小さな葉っぱだった。
「わぁ、ありがとうございます〜!」
「とりあえず、メイド喫茶に行くか。」
「はい!」
紫月と神無が前を歩き、その後ろからロンロンとメロメロが付いていく。
二人は目を見合わせて小声で喋る。
「あれって付き合ってんのかな?メロメロどう思う?」
「えー!紫月さんに恋人だなんてショック〜!」
二人に誤解されたままメイド喫茶へと向かうのだった。




