ボアって
あらすじ直しました。
書き始めたばかりの頃、あらすじと言うほどのものがなくてどうしていいのか困って、何もかけませんでしたが
半分を過ぎたので現状を記しました。
もう少ししたらまた改める予定です
ボアって聞いたらふつうに裏ボアのジャンバー、ボア付きブーツでしょう?現在、それを持っているものはおらず、『そういう生き物!!』って言われたら、
アナコンダとかアミメニシキヘビ、ボアってなるよね?ボアって言うのはまず大蛇でしょう?
いまだに慣れないんだけど、イノシシをなんでボアって呼ぶのかな。わたしに教えてくれた人はワイルドピッグて言ったよ。回教徒だったせいか。
さて、今日は川の近くにトムとサムが厳重に警戒しながらやって来た。マットも一緒だ。河原の生い茂るカヤは一部見晴らしが利くよう刈り払われて、水辺まで近づけるようになっている。
川向こうの林が少しだけ陽を遮る東向きの土手を降りて、二人して川砂に紛れるゴロつく石を選んでひょいひょいと飛び歩きながらついていくと、サムに声かけされる。
「石の上ではなくて、石を避けて歩けー。石はグラグラするから怪我をしやすいって毎回言っているだろう?」
「ショーティッ!オレ、ジャンプ得意だからっ!ぜんっぜん平気だしっ!!」
マット、大はしゃぎ中。手に握った虫取り網を杖代わりについてヒョコヒョコ石から石へを渡る。川のほとりには滅多に来ることはない。しかも今日は採取に来たのだ。テンション上がるのはもう仕方がない。
用心をしないと怪我を負うので子どもが河原へ行くことは厳しく禁じられている。河面にはゾエアが湧くし、カヤの藪にはさまざまな生き物が潜んでいる。やばいのはマムシとかボア。
そう、ボア。
この場合のボアってどっちだよ?って毎回、話に出るたびに、冒頭のように思う。
正解は獣のボア。どこにでもフットワーク軽く出現する雑食の大型獣。重量の乗った牙で突かれてても、体重の乗ったタックルで弾かれても、ヒトなんてさっくりやられる。シカだとしても突かれてしまえばヒトは簡単にヤられる。弱い生き物なんだ。
その弱い生き物の幼体マットの分際で、うちのサムに口ごたえなどしていたが。オッさんたちのマネをしてショーティ呼ばわりなどかますから。
ぷるん。
後ろ襟を摘んで吊るされている。
喉に服の襟が食い込んで苦しそうだ。もんがもんがと身を捩っているがいよいよいよ喉に襟が決まっていく。マットの薄く焼けた顔がおさるのように赤くなっている。ちょっとヤバい?
ボアにやられる前にサムに仕留められるのか。
「マットぉー。そう言うときは素直にごめんなさいしろー」
見かねたトムがとりなしてくれる。涙目で咳き込みながら、口の中でモゾモゾ言ってる。でもアレは『コメ茄子犀』なので謝罪する気がない。使い古された手口に数年前まで同じことをしてたトムが掛かるわけもなく、せっかくの取りなしを蔑ろにされてまで庇うことはしない。って言うか人差し指でチョイチョイと脇腹をくすぐってさらにキツい状況に追い込む。いきおい大きく身体を捻って激しくもがき始めたマットの勢いにサムは小動もしないで、
「な。大人を見縊ってはいかんのだ」
などと淡々と諭している。さすが指導担当。はね返り世代育成に慣れてる。トムもこんなんだった頃があったんだろうか。
河原から土手に上がる斜面の雑に刈られた草に目をやって目的の蔓を探す。今日は甘葛を採取するのだ。カキ氷にかけても甘味を楽しめるほどしっかりと甘いシロップの素材で、条件さえ合えばよく繁茂する。この河原では驚くほどよく茂る。50cm以上伸びた蔓を刈ることになっている。
ミツバやイチゴのように一枚の葉が分かれている、五つに分かれたツヤのある濃い緑の葉が向かい合わせの対になってついている蔓を探す。ついでにセリやカンゾウなど目についた草もナイフでプチプチ摘む。爪を立てると真っ黒になるしだんだん痛くなるし、繊維が丈夫なせいでキレイな断面にならないしむしりきれなくて裂ける。
甲高い奇声を上げながら摘むマットは背中越しにいるのは良く分かるけど、黙ってゴソゴソと草をかき分けてるトムは気配だけなのでそこにいるのはひょっとしてボアじゃない?とか思って時々ビクッとしながら顔を向けている。視界に入るのはまず、トムなんだけど、一回蛇がニョロっと移動してた。焦ったけど、向こうもそそくさと刈っていないヨシの茂みに入っていった。
こんなスリルのある環境で摘むのではなく畑で生産すればもっとたくさんみんなで食べられるのに。誰もが一度はそう望むけれど、こんなによく茂るのは条件が適っているからで、畑で実現させるのはちょっと無理。
夏は暑さを嫌い、明るい半日陰を好むけれど朝日が当たることは絶対。
根が蒸れると枯れる。でも水を好み、水切れをしても枯れるので、水捌けの良い砂地で常に水を与える。
ふざけてる?
だが、コレを実現してるのがここ、東向きの河原なのだ。水がパシャパシャいい感じで跳ねてていつも水を砂地にたっぷりあたえている。
置かれた場所で咲きなさい。とか絶対むり。条件が合わなければ黙って萎れて消えるだけなのよ。移植に何度も失敗してここで刈ることになったわけだ。下から3節残して刈り取った蔓を輪にまとめて籠に収めた。
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次回は1/31土曜日 朝6:10です また見てくださいね




