雪浴び
雪よ
恋心を凍らせておくれ
僕にすべてを与えて
すべてを奪った年上の女を
忘れさせておくれ
雪よ
あの女が悪いわけじゃない
わかりすぎるほどわかっている
いけないのは僕だから
あまりにも幼い僕だから
雪よ
ひたすら人を好きになった後に
こんなつらいことが待っていただなんて
思いもしなかった
不器用でつたない僕だから
雪をかきわけて
白い斜面を転がり落ちて
気の済むまで
雪を浴びたい
雪に顔を埋めて
雪を喰らって
果てしない白の底まで
潜り込みたい
雪よ
恋心を凍らせておくれ
雪よ
いっそのこと
僕の魂を引き裂いておくれ