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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

花の福集屋《ネタ》

作者: 夢幻望

今、一部のSNSの界隈ではある噂が飛び交っていた。


ーー ある者は正義だ。と

ーー ある者は犯罪だ。と

ーー ある者は救いだ。と


共通して言えるのは、花言葉には気をつけろ。とだけ。


その話題のSNSは密やかに社会に浸透していった。



「…………お願いしますっ! 、誰にも相談出来ないしっ!警察だって信用出来ないっ…… 許せないんですっ……!」



あるBARのカウンターで一人の女性が泣きながら叫んでいた。悲痛に訴える姿はただ事ではない。



「……… 何をご注文ですか?」


「っ……『シロツメクサ』と『スノードロップ』をお願いしますっ……ふっ……うぅっ……!」



カウンターに突っ伏してとうとう女性は泣き出してしまった。それをカウンター越しに見つめる一人の女性。服装から見るにこのBARのバーテンダーのようだ。



「…………よろしいのですね? 一度願ってしまうと、もう引き返せません。後から無かった事にして欲しいと言われても取り消しは効きません。それでも、注文をいたしますか?」



静かに淡々と聞き返す姿はバーテンダーにしては愛想がない。冷たい印象の彼女は、泣きじゃくる女性を慰めもせず、業務的に聞き返す。



「ぐすっ…… はぃっ!…… お願いしますっ……!」



涙を手に持つハンカチで拭いながら女性はそのバーテンダーに返事をした。



「……… 畏まりました。そのご注文、承りましょう」



そう返したバーテンダーに何度も頭を下げて、女性は店を後にした。


女性が帰ると店の奥からブロンドの髪を揺らしながら、別の綺麗で魅惑的な女性が姿を現した。



「最近、多いわね」


「マスター。居るならちゃんと店に出て来てくださいよ」


「あら、千草ちぐさちゃんが居るなら大丈夫じゃない」


「そういう問題じゃありません。っと、先程の注文ですが、よろしかったでしょうか?」


「ふふっ……。問題ないわ。ちゃんと、裏で聞いていたし、全て本音みたいだったしね」


「では、いつも通りに?」


「えぇ、女に悲しみの涙は似合わないわ。『スノードロップ』を願う彼女の為に願いを叶えしましょう?」



ブロンドの髪を靡かせながらマスターと呼ばれた女性は、街の灯りを見下ろせる窓際まで歩くと寄りかかり、豊満な胸の下で腕を組むと妖艶に微笑んだ。


そう、此処は一見すれば普通のBARだが、裏の顔を持つ店だったのだ。

その名も『Flower』。


近頃、まことしやかに囁かれる花言葉を冠して『福集』いや『復讐』をするという恐ろしい店なのだ。



「さあ、そうと決まれば東馬あずまくーん!情報収集して。内偵を千草ちゃんと凛花りんかちゃん、私でするわよ」



キッチンから顔を出したコック風の男性、東馬。テーブル席の一番奥に座り客を装っていた凛花。それぞれが手を振って店を出たり、返事をしてキッチンに戻ったりとそれぞれがすべき仕事に戻る。


これが、この『福集屋』のメンバー全員だ。半端な仕事はしない。すれば、信用に影響が出るし、自身の危険にも繋がる。成功率100パーセントを誇る裏の界隈では有名な復讐屋だ。


ターゲットは病歴もなければ、どこか怪我をしているわけでもない。至って普通の高収入のサラリーマン。


だが、祖父が会長を務め、社長を父親が担うので、次期重役と噂されている人物だったのだ。


表の顔は好青年で清廉潔白を装っているが、裏では女遊びが激しくあのスノードロップを望んだ女性は、妊娠して結婚まで約束したのに、その後、男は何かと金を要求するようになった。


拒否をすれば、親の権力を傘に脅迫。警察に相談しても確たる証拠もなければ、事件にならないと話にならないと門前払い。


心身共に衰弱し、そして、赤ん坊は死産……。男とも連絡は取れなくなった。憎しみと悲しみと絶望に瀕していた所、SNSで『Flower』を知ったらしい。



「ーー と、以上がターゲットと依頼人の関係と情報の全てです」


「クズ……」


「さいってー!」


情報共有の為に集まった『福集屋』は東馬の報告を受けて女性陣は非難轟々。


そして、それは静かに決行された。



「今回は服毒ですか?」


「ぇえ、とってもシンプルだけど確実でしょう?」


「わかりました。いつもので?」


「お願いね?千草ちゃん。決行は今夜。私と凛花ちゃんでターゲットが行きつけの飲み屋で仕掛けるわ」



ーー 夜。


ブロンドの髪をミディアムボブの茶色のカツラを被り隠し、特殊メイクで変装をしたマスターとこちらも男性に変装した凛花がカップルを装って一件の飲み屋に入っていった。


ターゲットがいる事は調査済み。毒は無味無臭で、心臓発作を起こす成分が入った遅効性液体タイプの毒。



「…… ターゲット発見。既にだいぶ酔ってるわね」


Bluetoothイヤホンを髪で隠し、マスターは外で待機しているメンバーに伝える。


「さぁ、ショウタイムの時間よ」



実行部隊の二人は目線で頷き合うと、自然に近付き接触。トイレに立ち上がったターゲットにわざとぶつか仕掛けた。



マスターはターゲットの注意を引きつつジャケットのポケットに『スノードロップ』を一輪。


男装した凛花は慌てたようにマスターに近付くフリをして、周りが二人に注目した隙にさりげなくターゲットのコップに毒薬を入れる。


この間、僅か数秒。



そして、事態が収束すると共に二人は離れたのだった。



そして、次の日階段から転落死を告げたターゲットのニュースが新聞に載ったのだった。もちろん、毒物の検出無しの完全な事故死として。更に追加情報として、転落する直前、突発性心臓発作を発症していた事も判明。


警察の見解では、かなり酔っていた所、心臓発作を《偶然》発症。運悪く発症したのが、帰宅途中の階段であった為、階段を踏み外しそのまま転落。とニュースにもなったのだった。


そして、萎れた『スノードロップ』が現場近くに落ちていたとか。しかし、事件には関係ないとして、あっさり捨てられらしい。



「ふふっ………。『スノードロップ』の花言葉は『貴方の死を望みます』だったかしらね。これで、彼女の願いは叶ったかしら?」



こうして、また一部のSNSは騒ぎになった。花の裁きやら連続殺人だの。


ただし、誰も社会に声高々にこの事を言ったりはしない。本当かどうか全て分からないのだから。

かなり、纏まっていないとおもいますが、思いつくまま気ままに執筆したので、ごめんなさいm(._.)m


連載中の話があるのに浮気してしまいましたwww

ちゃんと、連載もします!大丈夫です!ご安心を!

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