第17話 心の鏡に映る真実の姿
「…セシリア……この子は一体…誰の子なんだい?…報道では、君のお父さんの子と報道させられていたけど…違うよね?3年前、俺は君のお屋敷に行った時…君と図書館で勉強した時も…この子の事は一度も聞いていなかった……誰の子か、教えてくれるよね…セシリア…」
(清二と再会出来た事は、とっても嬉しかったです。でも、勘の鋭いこの人の事です。シャルルの事は気が付くと思っていました。父の子ではない事に…。そして私は昔から嘘をつく時の癖を、その手癖をつい、彼の前で私は再び、やってしまいました。それは手首に付けている愛用のブレスレットに触れる手癖でした)
「…この子は……養……子……の子…なんです…。父が跡取りにと…引き取ッ……」
(その時、私は愛する人にまで自らの真意の心を隠すのかと自問自答しました。貴方と私の子ですと…、素直に言いたかった。でも、言ってしまえば…彼に迷惑が掛かってしまいます。きっと彼は責任を取って、ローズ家に婿養子に入ると言うでしょう。でもそれでは、彼の自由に羽ばたく翼を私が縛ってしまいます。彼には私のようにはなって欲しくなかった。だから、彼に嘘を…告げていた時でした…。その時…彼は相変らず曇りのない笑みを浮かべて、私の唇を人差し指で塞ぐと、告げて来ました)
「…ふふっ…セシリア…君は相変らず嘘を付くのが下手だね……。もういいよ……今の君の答えで…何となくわかったからね…」
(そういうと…彼はシャルルを抱っこしたまま…近くのベンチに腰掛けました。シャルルを隣に座らせて…私の方を見て語りかけて来ました)
「…数日前に…会社のある女性から言われた事があるんだ……セシリア…君と3年前…別れる寸前に愛し合った…時…もしも子供が出来ていたと何故考えない!!と、怒られてしまってね…。この子は…あの時、君と愛し合った時に授かった子なんだね…この子は……」
(清二は真意を突いて来ました。本当に、この人はなんで…普段抜けているのに…こういう時に限って男らしく大きな背中を見せるのかしらね…そんな貴方だから…私も惹かれたのだけどね…。そして私は、彼の言葉に観念したように頷くと、重い口を開きました)
「ええ、そうよ…。清二…シャルルは…私とあなたの間に産まれた子よ…ごめんなさいね…告げるのが遅くなってしまって…。私達の愛は実って……こんなに立派な子になったわよ…」
(この国を旅立つまで、もう私は決して泣かないと心に決めていた決意の証は、彼の暖かな心でいとも容易く解かされてしまいました。そして私は、眠っているシャルルの隣に腰掛けて、愛しき息子へと語りかけました)
「シャルル…起きなさい……。この人が…あなたの本当のパパですよ…」
(決して大きな言葉ではなく、優しく子守唄を歌い聴かせる様に、いとし子に清二の事を告げると、シャルルは目を擦りながら起きはじめました)




