お土産話とお土産配り④
いつもご覧いただきありがとうございます!
ちょっと文字数多めです。
おはようございます!
晴れましたねぇ……良かったです。
明日は、麗香さんのところにお邪魔して鍛練する日なのです。
なので今日のうちに、スカーレットさん、クレハさん、ヴァイスさんに出来ればお渡ししたいです……!
そしていつも通り、ユアストの通知を開きます。
Your Story ‐ミツキ‐
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エトワールの所で、新しい星座をみかけました。
ぜひ、彼らを知ってください。
リゼットとカレン、貴方の3人で思い出話に花を咲かせました。
とても和やかな時間を過ごせました。
お疲れ様でした。
ゆっくりした時間を過ごせましたね。
ユアストは、戦闘だけじゃなくゆったりとした時間や人との関わりを大切に出来るから、素晴らしいです。
お土産を渡すのは自己満足ですが、それを喜んでくださる方がいるので、わたしはそれだけで嬉しいのです。
よし、今日も1日頑張りましょう!
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帰宅!
何事もなく学校生活を終えました!
洗濯物を畳んでからお風呂のスイッチを入れて、キッチンを覗き込むとお兄ちゃんがいました。
「今日もお兄ちゃんが作ってくれるの?」
「おう、あと2週間くらいは家にいるし」
「ありがと。……今日は何?」
「にんにくトマトソースパスタ」
「夜か休みの日にしか食べられないやつ!」
美味しいのですが、匂いがですね!
「ソース作るから、麺みててくんね?」
「おっけー」
兄の隣に立って、麺がくっつかないようにゆらゆら混ぜます。
そして1本取り出して、ちぎります。
うん、丁度いいかもです。
手早くざるにあけて水気を切って、つぎの袋を開けます。
兄は隣でにんにくをオリーブオイルで炒めたフライパンにトマト缶を投入しています。
うわぁ、いい匂いです!
麺も茹で上がり、ソースができるのを待っていると、お兄ちゃんが味見して頷きました。
「うん、こんなもんだろ」
「お腹すいた!」
「ちょっと待ってろ」
わたしがお皿に麺を盛り付けて、お兄ちゃんがトマトソースをのせます。
はわぁ………お腹すきました。
にんにくの香りってどうしてこんなにも食欲をそそるのか……
「「いただきます!」」
んん!鼻に抜けるにんにくの匂い!トマトの酸味!
ちょっとピリッとして美味しいです!
「おいしー!」
「やっべ俺天才だわ……うま」
美味しい……美味しいしか言えない……美味しいです……
「ただいまー…うわ!美味しい香りする!」
「ちょっと、お母さんの分ある!?」
玄関の方からバタバタした音が聞こえてきます。
「おかえりなさい」
「おかえりー」
「ただいま!お母さんとお父さんの分は!」
「フライパンにあるぞ」
「麺は冷めちゃったけど」
「構わないわ!お父さん、行くわよ!」
「はいはい、母さんちゃんと手を洗ってからなー」
キッチンへと消えるお父さんとお母さんをみます。
「なんか、お母さんテンション高いね?」
「元気だな」
なんだかいつもよりテンション高いですね。
何かいい事、あったんでしょうか。
お兄ちゃんと食べ終わったあと、お母さんたちの食べる様子を眺めながら最近あったことなどを話します。
「働きすぎて、来週1週間休み貰ったのよ」
「1週間!」
「連休も休みなく働いてたもんな母さん……」
「だから、満月も流星もやり始めたっていうユアスト?私とお父さんの分も買ってみたわ」
「えっ!」
「まさか!」
「お母さんものんびりゲームやるわよ〜!2人がハマっているんだもの、気になっちゃったわ」
まさかまさかです!
お母さん忙しくて、勧めようかなって思ってはいましたがやめておいたユアストを!
「……僕もかい?」
「勿論。私と一緒にやるでしょう?」
「……はいはい。君の仰せのままに」
やれやれ……って感じしてますけど、お父さんも嬉しそうです。
いつまでたってもこの二人は仲良しですねぇ。
「でも父さんも仕事、忙しいだろ?大丈夫なのか」
「結構社内でも流行っていてね。父さんもそろそろ休み取れって言われてたから、母さんに合わせて休み取ろうかな」
「さすがに戦うよりも、のんびり星空みるのがいいわね。まぁ必要なら戦うのも吝かではないけど」
「……まぁ、遠くに行くならレベルは上げたほうがいいよ」
「ふふ、経験者は語るってやつね。戦闘はお父さんに任せようかしら」
なんて笑うお母さんですが、合気道五段の持ち主です。
お父さんは昔空手を習っていたとききました。今はやっていませんが……
同じように麗香さんの所の道場で身体動かしているみたいですし、動くのは問題ないでしょう。
!わたしはこうしちゃいられません!
お風呂済ませてはやくブティックと図書館へ向かわないと!
「わたし、お風呂先もらう!」
「お、おう」
「あら、ゲームかしら?」
「お店が閉まるまでに、お世話になってるNPCに渡したいものがあるの」
「NPCでも、そんなやりとりできるんだねぇ」
「僕ら、ゲームなんて子供の時以来だからね。きっと全然違うんだろうね」
説明はお兄ちゃんに任せて、わたしはリビングを後にしました。
お店が!!!
お風呂済ませてすぐログインしました!
身嗜みを整えて、パパッと食事も済ませます。
コッコの唐揚げを2つくらい食べました!
「お師匠様、こんばんは!」
「ミツキか、忙しないね」
「明日は来られませんので、今日中にできればスカーレットさんたちとヴァイスさんにお渡ししたいので!」
「そうかい、気を付けるんだよ」
「はい!行ってきます!」
巻物をテーブルに広げて眺めるお師匠様に挨拶して、扉から出ます。
「……はて、ヴァイスは今日は仕事休みって言ってなかったかね。………ふむ」
エトワールは、ミツキが出ていった扉をみてぽつりと呟いた。
お師匠様の庭からみる空は、綺麗な星月夜です。
とっても星が明るく見えます。
星野光が、庭をうっすらと照らしています。
思わずスクショ撮っちゃいました。
はっ!急がないと!
プラムをそれぞれ箱に詰めます。
よし、大丈夫ですね!
わたしは懐中時計でルクレシアへ飛びました。
石碑広場に着きました。
人が!多いですね!
わたしは人を避けてブティック『スカーレット』へ走り出しました。
人通りの少ない路地を走り抜けて、ブティックへとたどり着きました。
よし、開いてます!
息を整えて、扉に手をかけようとした所、扉が先に開きました。
えっあっ
「ふぐっ」
「きゃっ」
そ、外開き!
鼻ぶつけました……ちょっと前かがみになっていたので、避けられませんでした。
「ご、ごめんなさい大丈夫かしら」
「だ、大丈夫れす」
ちょっと涙目で顔を上げると、眩しいほどのプラチナブロンドの髪を緩く三つ編みにして前に流している、リボンが巻かれたハットをかぶった美しい女性が立っていました。
品のいい、Aラインのロングドレスを着ています。
……もしや貴族様!
「ごめんなさいね、ぶつかってしまったわね」
「いえ、タイミングが悪かったのはこちらなので、大丈夫です」
「……ローザ様、そろそろお時間です」
「……貴女、名前はなんて言うのかしら?教えてくださる?」
「えと、ミツキと申します」
「ミツキさんね、お詫びは今度させていただくわ。それまで、これを預けておくわね」
ローザ様と呼ばれた女性は、帽子のリボンをほどくと、わたしの手に握らせます。
「わたくしの魔力と名前が刻まれているから、見る人が見ればわたくしのものだとわかるわ。申し訳ないけれど、失礼するわね」
「は、はい」
「……クリスティア城でお待ちしているわ」
通り過ぎる時に耳元で小さく、囁くように言うと次の瞬間にはお付きの人?とともに【瞬間移動】されました。
クリスティア城?
……クリスティア城!?
「うわぁおミツキさん本当に引き寄せるというか、運が良いというか」
「ひょわっ」
「いらっしゃい、ミツキさん」
先程の言葉を頭の中で反芻させていたら、扉からスカーレットさんとクレハさんがひょこっと顔を出します。
「さ、入るといい」
「お、お邪魔します……」
招かれてお店に入ると、前に来たときとは展示されているお洋服が変わってます!
まあ当然なんですが!素敵なお洋服たちです!
「ふふ、そんなに目を煌めかせて」
「あっすみません!」
「俺達も作り手冥利につきるよ。今日は装備を見に来たのかな?」
「あっいえ、今日はお土産を」
わたしはアイテムボックスから箱を2つ取り出します。
「スカーレットさんと、クレハさんにお土産です!どうぞ」
あ、あと手持ちを確認して、10万リル払っておきます。
わたしの装備に対する料金ですね!手持ちが全然ありませんでした。
「おや、ありがとう。嬉しいよ」
「私にも?ありがとう」
「中身は果物なので、早めに食べて下さいね!」
「ふむ、わかったよ」
2人は箱を一旦カウンターに置きました。
さ、先程の女性について、聞いていいですかね……?
「さ、先程の女性は…」
「あー、彼女はね……」
「高貴なお方、なんだけれど……」
「ミツキさんがお会いして、確かめるべきだね」
クレハさんは困ったように笑って、スカーレットさんは苦笑しています。
クリスティア城の高貴なお方!それはもう確実に……お、王族でしょうか……!
………スカーレットさんとクレハさんのお店は、王族御用達ですか!
このクオリティの高さです。そう言われても、違和感ありません!
ふと時間を見ます。
あっ21時が近いです!
図書館へ行かないと!
「スカーレットさん、クレハさん、今日は失礼します!」
「うん、今度またゆっくり話を聞かせておくれ」
「そうだね。お茶を用意して待っているよ」
「その時はお菓子を差し入れますね!」
2人に挨拶して、そっと扉を開けて、静かに閉めます。
そして図書館へ向けて走ります。
図書館って、何時まででしょうか!
「………随分急いで来たにゃあ」
「ぜぇ……はぁ……すみません……」
21時前に滑り込みました。
まるで迷惑客!申し訳ないです。
ミーアさんも、びっくりされてます。
「きょ、きょうは、ヴァイスさんは……」
「ヴァイス司書長は、今日はお休みだにゃ」
「ほあ……」
おや、お休み……!
そうですよね、お休みとかあるはずですよね……
そんなブラック企業、ルクレシアには無いはずです……
「あー、お疲れ様だにゃあ……」
「また、日を改めますぅ……」
「明日は出勤日だにゃあ」
「明日はわたしが来られないんです……またタイミングみてお伺いしますね……」
「ohすれ違いだにゃあ……」
ミーアさんにご挨拶して、図書館を後にします。
ヴァイスさんの家も知らないですし、これは明後日にお伺いするしかないですね………
お師匠様の家に戻りましょう。
ちょっと疲れたので、ゆっくりしてからログアウトします。
戻ってきました。
星野光が照らすお師匠様の家とお庭は、とても神秘的です。
スクショスクショ。
「……戻りました」
「おかえりミツキ」
「……おかえり」
足元を見ながら扉を開けると、返ってきた声が1人多いです。
えっ!!
「ヴァイスさん!」
「……なんだ」
「いえ、あの、お休みでは…」
「そうだが。……その休暇に呼び出されたのだよ、師匠にな」
思わずお師匠様を見ると、素早くわたしに向かってウィンクしました。
お、お師匠様!もしや、わたしのために……!
「どうせ暇してたんだろう」
「暇では無いですが。本を読むのに忙しいので」
「……妹弟子の事が気になっていた癖に」
「……違いますが」
「素直じゃないねえ。ミツキの事で〜って言ったらすぐ来たのに」
「師匠!」
「そら、ミツキ。コイツにも渡してあげな」
「は、はい!」
ヴァイスさんに近寄って、アイテムボックスから箱を取り出します。
「えっと、お土産です」
「……土産」
「はい。お世話になってる方へ、お土産をご用意しまして……」
「…有難く、頂こう」
わたしから箱を受け取ったヴァイスさんは、テーブルの上で箱を開きます。
目の前で開かれるのはドキドキしますよね。
プレゼントは喜んでもらえるか、もらえないかがドキドキするのです。
そしてヴァイスさんの目が見開かれ、
「……まさか、本物の〈太陽のプラム〉!?」
「はははは!いい反応だねえ!」
お師匠様が大笑いします。
ヴァイスさんは固まりました。
それを見て、さらにお師匠様が笑います。
え、どうすれば……
「……ッミツキ!どこでこれを手に入れた」
「ソル・ネーソスで……」
「なん、だと……今もなお存在しているのか、太陽の島は……」
あのあと、すごい質問攻めされました………
あれはなんだこれはどうした……ソル・ネーソスについてわたしがみた範囲のことを洗いざらい吐かされましたね……
「………」
「おう……やつれたねぇ」
「…このプラム、剥製にしたい」
「ミツキの厚意を無にする気かい。食べな」
「……………………わかりましたよ」
すっごい間を開けてすっごい渋々プラムを手に取りました。
クールな印象だったのですが、新たな一面をみましたね……
そしてそのままかじりつきました。
わあ、ワイルドです。
「ふむ、美味だな」
「ほ、良かったです」
「普通のプラムとは実の色、糖度、食感も異なる。……素晴らしいな」
着眼点が美味しいで終わらないのがすごいですねぇ…
そのままぺろりと食べてしまいました。
指の腹で唇を拭うその姿、色気があります。
よし、これで配り終えましたね!
休みになったら、心置きなく依頼を受けて、王都方面に向かえます。
「お師匠様、わたし明日は来られません」
「そうかい、わかったよ。ワタシも明日は集会がある」
「れ、例の集会ですね」
「ちゃんとアポイントメント取ってくるさ」
「……お忙しそうですから、そんなお時間取っていただかなくていいですからね?」
「さぁてね。あいつも冒険の話を聞くの大好きだからねぇ」
そ、そうなんですか。
すごい冷静沈着な凛とした雰囲気を持つ方だと思ったのですが、そんな面もあるんですか。
「……ではそろそろ私は帰るとします」
「ヴァイスさん、お時間いただきありがとうございました」
「気にしなくていい。良いものを貰ったからな」
ほんの少しだけ笑って、扉を開けて外へと出ていきました。
その姿を見送って、お師匠様に向き直ります。
「お師匠様も、ありがとうございます」
「ちょっと用があって呼んだだけさ」
「……ふふ、本当にありがとうございます。わたしもそろそろ戻りますね」
「ああ。おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
手をひらひらさせるお師匠様に背を向けて、部屋へ入ります。
そしてベッドにダイブします。
ログアウトしました。
ベランダでちょっと夜風に当たります。
これで皆さんにお土産を渡せたので、明後日は王都に向かうとします。
王都方面の依頼を受けて行けば、早めにランクアップも出来るかもしれませんしね。
……雲が出てきたので、部屋に戻ります。
今日はもう寝てしまいましょう。
おやすみなさい。
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おはようございます!
ぐっすり眠りました。
着替えて身嗜みを整えて、ユアストの通知を開きます。
Your Story -ミツキ-
30ページ目
ブティックでは運命的な出会いがありました。
あの女性は誰なのか、気になりますね。
スカーレットやクレハと談笑しました。
次はゆっくりできるといいですね。
図書館ではヴァイスに会えませんでしたが、エトワールの所で会えました。
グッドタイミングです。
皆、貴方のお土産を喜んでくれたようです。
お疲れ様でした。
ついに30ページ!
なんとなく感慨深いです。
嬉しいですね、ページが刻まれるのは。
今日はユアストにログインできません。
明日、新しい景色をみにいきましょう。
よし、今日も1日頑張りましょう!
次は閑話を挟みます〜!