お土産話とお土産配り③
ご覧いただきありがとうございます!
おはようございます!
週の真ん中です!今日も頑張りましょう。
わたしはユアストの通知を開きます。
Your Story ‐ミツキ‐
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エトワールの家で新しい星座と出会いました。
ぜひ、貴方も喚び出しましょう。
グレナダへプレゼントを渡しました。
ルクレシアの住民と友好的に過ごせているようです。
渡り人に絡まれました。
何かあれば逃げましょう。
しかし新しい出会いもありました。
友が増えました。
お疲れ様でした。
な、なんと……
か、絡まれたことも書かれてしまいましたね!
やはり逃げるに限ります。
次絡まれたら初手で【瞬間移動】しましょう。
今日はリゼットさんと、スカーレットさんとクレハさんのところへ向かいましょう!
カレンさんは、ギルドで会えるでしょうか。
なるべく人目が少ない所でお渡ししたい所ですがね………
よし、学校行きます!
帰宅しました!
サッとお風呂を済ませて、ご飯を済ませます。
昨日のお兄ちゃんのカレーをのばして、スープカレーにしました。
美味しかったです!
お兄ちゃんは、ゲームやってくるぜーとメッセージが入っていました。
わたしも、お店が閉まる前にお伺いしないとです!
ログインしました!
身嗜みを整えて、グレナダさんのところのコッコのつくね(ネギ塩)をいただきます!
………ネギ塩がずるいですこれ。
つくねとネギ塩合いすぎです……うま……
いやうま……語彙力無くします……
堪能しました!ごちそうさまでした!
よし、急いで行きましょう!
「お師匠様こんばんは!そしてリゼットさんの所に行ってきます!」
「転ばないように行くんだよ」
「はい!気を付けます!」
お師匠様は巻物をテーブルに広げて眺めています。
…とても気になりますが、リゼットさんやスカーレットさん達ににお会いしたいので!
お庭に出ると、槍を持った人馬と弓を持った人馬が、森のあちこちを指差しながら何か会話をしています。
じょ、情報が多い……!
いて座とケンタウルス座ですよね!お互いに上半身は鎧を纏っています。
そして視線に気づいたのか、お二方はこちらをみます。
反射的にお辞儀します。
顔を上げると、武器を持たない手を小さく振ってくれました。
それにもう一度頭を下げて、わたしはルクレシアへと飛びました。
石碑広場に着きました。
わたしも、今度ギルドランク上げるための依頼を受けた時に、喚び出したことのない星座を喚び出しましょう!
わたしは小走りでお店へ向かいました。
よし!開いてます!
わたしは呼吸を整えて、リゼットさんのお店の扉を開けました。
「こ、こんばんは」
「はい、こんばんは。…あら、ミツキさん」
「ん?ミツキか」
!グッドタイミングです!
リゼットさんのお店には、丁度ポーション類の精算をしているカレンさんもいました!
「ん、……なんだ、レベル上がったな」
「レベルの高いモンスターとたくさん戦いました!」
「そうか」
カレンさんは目を細めて笑いました。
リゼットさんも微笑んでいます。
カレンさんもレベルが53になってますね!
お強いです!
「えっと、お二人に渡したいものがありまして」
「あら、そうなの?」
「アタシにも?」
「はい!お土産がありまして」
「ふむ……ばあさん、店閉めるか?」
「……そうねぇ。もういい時間だから閉めちゃいましょう」
「い、いいんですか?」
「ミツキさんの話を聞かせてもらいたいわ」
リゼットさんが微笑んでそう言うと、カレンさんも軽く笑ってCLOSEの札を扉の外にかけて戻ってきました。
そのご厚意に、甘えさせてもらいましょう。
リゼットさんのお店は、お店兼住宅になっているようです。
住宅にお邪魔させていただきました。
白を基調として、薄めのグリーンを使った家具が置かれた爽やかなお部屋です。
植物が、インテリアになっています。
素敵なお部屋です!
「素敵な雰囲気ですね…」
「あら、ありがとう」
3人掛けのカウチソファに、それぞれ座ります。
ふかふかです。いい生地ですね……
リゼットさんが、お手製のハーブティーを淹れてくれました。
スッキリとした香りがします。
「ありがとうございます」
「さ、聞かせてちょうだいな」
「どんな冒険をしてきたんだ」
優しい目でこちらを見つめるお二人に、わたしも、わたしの冒険をお伝えします。
「今回催し物が行われたのが、太陽に祝福された島、『ソル・ネーソス』なんですけれど」
「まあ」
「はぁ?存在してたのかその島」
「はい。存在してました」
やはり皆さん驚かれますね、存在を。
……どんなお伽噺なのか気になってきました。
それからはダイジェストで島の様子をお伝えしました。
「……と言う訳で、こちらお土産です」
「あら、まぁ……」
「マジか……」
お二人がプラムをみて固まりました。
そして恐る恐る手に取って、眺めます。
……やっぱりプラム、やばい果実ですね。
「これが、〈太陽のプラム〉なのね……」
「幻の果実じゃないか……」
「あ、出来ればお食べくださいね。ソル様のおかげで無病息災、健康長寿になれるみたいなので」
「………マジかよ」
「驚いたわ……一国の王も一生に一度食べられるかどうかの幻の果実だもの。それがここにあるなんて……」
あ、さらにやばい理由ができましたね。
王様ですら食べられるか食べられないかというほどの果実になりました。
「………」
リゼットさんとカレンさんが目を合わせて、頷くとお互いにどこからかナイフを取り出してプラムを半分に切り分けました。
そして器用に皮をむきます。
プラムは皮ごと食べられるらしいですけど、なんとなくむいてしまいます。
「すっげぇ……」
「本当に太陽みたいね……」
小さい太陽みたいに黄金色ですからね!
太陽のプラム、言い得て妙です。
「!うまっ」
「……とても、美味しいわね!」
お二人の、美味しい!の思いが溢れている表情をみると、嬉しくてわたしも笑顔になります。
美味しいは共有したいですからね!
「これが、一般人が食えない幻の果実……」
「……普通のプラムが食べられなくなってしまいそうだわ」
「……他にも果物あるんですが、食べますか?」
「……ちょっと見せてみろ」
カレンさんが険しい顔をされています。
普通の果物ですよ。……大きさ以外は。
「ど、どうぞ?」
「……………」
「……………」
「……なんだこれ」
「…林檎です」
「アタシの知ってる林檎じゃない」
「…太陽島の果物って、大きいのね。この年になって、知らないことを知れてとても嬉しいわ」
本当に嬉しそうに、リゼットさんがそう言いました。
「……ミツキに会うと驚かされる」
「…へへ、すみません?」
「いいよ、褒めてる。ミツキは何だか、引き寄せる力が強いな」
カレンさんがわたしの頭をわしゃわしゃ撫でます。
わわっ
「この爆弾、あとは誰に渡すんだ?」
「爆弾……スカーレットさんとクレハさん、そしてヴァイスさんです。…あ、あと、賄賂として王様に渡すことになってます…」
「うおう……シュタール王にもか……」
「……お師匠様が、アポイントメントを取ってくださると」
「なるほど、異名持ちの集会があるものね」
「…そ、その集会って、どのようなものなんですか?」
とても気になってました。
異名持ちって、何人くらいいるのでしょう。
「そうね……1ヶ月に1回、クリスティアにいる異名持ちが集まって報告や情報交換を行う集会ね。王都ミゼリアにある、クリスティア城で王を含めて行われるわ」
「なるほど、情報交換……」
「今クリスティアの異名持ちは……12人いるわ」
「12人もいらっしゃるんですか!」
「クリスティアの1番の使い手、それぞれ能力を極めた者に贈られるのが異名なのよ。異名を賜ると、まぁブランド力が高まるわね。それに弟子も取らないといけないわ」
なるほど、それはすごい人たちです。
それぞれに、1番秀でた方々が集まる集会なのですね。
その中の1人に、リゼットさんとお師匠様がいます。
「クリスティアでは異名に宝石の名を賜るけれど、日輪の国や銀華帝国では色の名前を賜るのよ。白銀の○○とか、群青の○○とか呼ばれる人は異名持ちということよ」
「なるほど、忘れないようにします」
「……ミツキ、割と異名持ちと知り合いだもんなぁ」
「?お師匠様とリゼットさんしか知り合いではないと思いますが………」
「……あー、そうか」
カレンさんがやべっみたいな顔をしました。
え、他にも異名持ちと知り合いですか、わたし!?
「ふふ。異名持ちは、それぞれの国にいるわ。他の国にも、薬師の異名持ちもいるのよ」
「リゼットさんだけじゃないんですね」
「クリスティアでは、私が1番よ」
リゼットさんが微笑んでそう言います。
すんごいお言葉が聞こえましたね!
リゼットさんが、クリスティアで1番の薬師です!
……そんな人の弟子としてプレイ出来るとは。
気を引き締めて、誠心誠意プレイしましょう。
「……そういえば、リゼットさんはメインの職業は……」
「……あら、伝えてなかったかしら。召喚師よ、妖精と精霊専門のね」
「そ、そうなのですか!」
召喚師!しかも妖精と精霊のご専門!
確かに、リゼットさんはシルキーを喚び出していましたね。
なるほど、覚えておかないとです。
「ばあさん、めっちゃ強いぞ」
「そんなことないわ」
「そ、そうなのですか……」
今のリゼットさんからは想像つかないですね。
いつも優しく笑って、ポーションを作るリゼットさんしか見たことありませんからね。
「……あら、もうこんな時間」
「わ、本当です。こんな時間までお邪魔してすみません」
もうすぐ22時になってしまいます。
お邪魔しすぎちゃいました!
「ハーブティー、ご馳走さまでした」
「こちらこそ、プラムご馳走さまでした」
「じゃあまたな、ばあさん」
カレンさんと、リゼットさんの家の外に出ます。
「カレンさんも、ありがとうございます」
「おう。こっちこそありがとうな。顔見れて良かったよ、早く帰りな」
「はい!カレンさんもお気を付けて」
カレンさんに見送られながら、懐中時計でお師匠様の家へ飛びます。
来る前にみた、人馬さん達はいませんね……
扉を開けて中に入ります。
お師匠様は、ソファで本を読んでいました。
「遅くなりました、お師匠様」
「構わんさ。リゼットと話せたかい」
「はい、カレンさんもタイミングよくいらっしゃって」
「そうか、良かったね」
「はい!……今日は失礼しますね」
「あぁ。子供は早く寝るんだよ」
「……ふふ、はい。おやすみなさい」
「おやすみ」
お師匠様に挨拶して部屋へ戻ります。
さあ、ログアウトです!
ちょっと遅くなりました。
明日の準備をして寝ないとです。
「あ、雨降ってる」
明日には止むといいですねぇ……
残念です。
では寝ちゃいましょう。
おやすみなさい。
異名持ち………一体何者なんだ………( ˘ω˘)
これからもこの作品をよろしくお願いします!




