サバイバルイベント 6日目 ⑥
ご覧いただきありがとうございます!
3人と、ヒイラギの木陰へ戻ってきました。
レンさんとミカゲさんが、それぞれ何かされてますね。
「レンさん、ミカゲさん」
「おかえりですぞーミツキ氏。………そちらの大きい人はどなたです?」
「あ、オリオンさんです」
「オリオンさん」
ミカゲさんがピシリと固まりました。
「………ミカゲさん?」
「ハッちょっとスペースネコチャンになってました」
スペースネコチャン………?
「いきなりのビッグネームにボク驚きました。ミツキ氏と仲良くさせてもらってます、ミカゲと申しますー」
「おう、よろしくな」
そしてレンさんと目が合うと、ニヤリと笑って砂浜の方へ歩きます。
レンさんも立ち上がって、同じ方向に進みます。
「………おう、やるか」
「……いいのか」
チラリとこちらを見るレンさん。
何がなんだかわかりませんが、どうぞお好きなようにしてくださいな。
わたしは頷きます。
「肉が焼けるまで手合わせしてくるぜ」
「いってくる」
「あ、はい。行ってらっしゃいませ」
手合わせでしたか。
………手合わせ?
「気にしない方が良いですよミツキ氏。脳筋ぽい人等の会話は拳なんですよ」
「は、はぁ……」
拳ですか………
なにやら何かを打ち合うような音が聞こえてきました。
会話ですか………すごい鈍い音が聞こえてきますが。
(ミツキ、ワイバーンの肉が食いたい)
「ワイバーンのお肉ね」
「………ワイバーンと戦ったんです?」
ミカゲさんにスクショを見せます。
「わァ……ワイバーンもいるんですな……」
「本当にドラゴンみたいなモンスターでした」
「本当に腕が翼みたいですなぁ」
は!言われると確かにそうです。
腕が翼です!
モンスターって面白いですね………
「空中にいるモンスターとどうやって戦ったんです?」
「それはですね………」
焚き火の準備をしながら戦闘の様子を簡単に説明しました。
「やはり筋肉………ですな。あとペルセウス氏の有翼のサンダル、便利でいいですなぁ」
「空を飛べるのは便利ですよね。わたしは魔法がありますから、どうにか戦えますけど」
「斬撃を飛ばすことができるアーツはありますけれど、射程距離が短そうなんであんまりですなー。ボクは空中の敵を撃ち落とすためのアイテムを作ったほうが良さそうですわ」
なるほど、それは便利ですね。
いつでもペルセウスさんを喚び出せるかわかりませんし。
「……もし作れたら、言い値で買いますので頂けますか?」
「およ?ミツキ氏必要です?」
「わたしは魔法が使えなかったら何もできないですからね……そういう物理的手段も備えておきたいです」
「あぁ、なるほど……」
実際もしも魔法使用不可フィールドとかあったら、わたし、何もできません。
今後のために何か近接攻撃系アーツを覚えないとかもしれませんね。
杖で殴るにはもっとゴツゴツした杖とか、殴る専用の杖を用意したほうが良いかもしれません。
もしくは違う武器種を扱えるようにするほうがはやいですかね?
確かウィザードは杖の熟練度が伸びやすいですが、他の武器種も扱えない訳ではありませんからね。
ペルセウスさんが持つ短剣くらいの大きさが希望ですね。
そうしたらペルセウスさんに教わりたいです。
「なるほど、そういう考えするプレイヤーもいますな。よし、そういうプレイヤー向けの爆弾アイテム作ってオークションに出品しますかなー」
「魔法が効かないモンスターとかもいるかもしれないので、あったらわたし買います!」
「ミツキ氏には適正価格で売りつけますぞ」
「わ、ありがとうございます」
いろいろな事態に備えておかないとですね。
このゲーム、何が起こるかわかりません。
よし、ファイアーボールで火をつけて……よし、いい感じに燃えてます。
鉄板が無いので普通にフライパンでステーキにしましょう。
ワイバーンのステーキ……一体どんな味なのでしょう。
「あ、ミツキ氏。これもぜひ使ってくだされ」
ミカゲさんから素材が届きました。
中身は………野菜!調味料!お肉!わさびのチューブ!
「量が多くないですか??」
「たくさん収穫がありましたのでー。ボクもお手伝いしますわ」
「わ、ありがとうございます」
わたしの計画は今日はお肉を焼いて3人を労い、レンさんとミカゲさんにお腹いっぱいになってもらうことです。
明日はゆっくりします。
島に来て、いつもの倍は戦闘しましたからね!
美味しいものを食べて自然を感じるのも大好きなので!
ゆっくりしたいと思います。
そしてイベント最終日は、イベントがお昼までなのでそれまでにログインして眷属さんのところで挨拶、できればソル様にもご挨拶したいところですね。
お肉にはご飯!と言うことでご飯も炊きます。
料理の前に炊いておけば出来上がるときに炊き上がりますからね!
そしてワイバーンの肉を取り出します。
うおう重いですね………
すごく引き締まっている感じがします。
脂身がほぼ無いですね。
これを2cmくらいの厚さで切ります。
「シリウス、完全に火を通していいの?」
(ミディアムで頼む)
「……焼いたことないから頑張るね」
ミディアム………中心部に赤みが残るように、でしたよね。
焼いたこと無いですが、注意して焼きましょう。
少し時間をかけて焼きました。
シリウスには焼肉のタレにします。
うっっっわいいにおいです!
「………じゅるり」
「……ミカゲさんの分もご用意しますね」
「ハッすみませんあまりにも飯テロで……」
シリウスの分を皿に乗せて、平たい石の上に乗せます。
(ありがとよミツキ。いただくぜ)
「はい、召し上がれ」
シリウスは大きく口を明けて肉にかぶりつきます。
一瞬目を見開いたと思ったら、勢い良くガツガツ食べ始めました。
(うまい!)
「よかったよかった」
わたしは次々とお肉を焼きます。
色々な味付けを試したいですからね。
ミカゲさんからにんにくも頂きましたし、塩も頂きましたのでたくさん焼きますよ!
「ペルセウスさんはどんな味がお好みですか?」
(塩コショウ。ウェルダン)
「わかりました!」
塩コショウを焼く前に振りかけて、焼き上げます。
ウェルダンなので、完全に火を通す。ですね!
お肉を少し冷まします。
「切り分けていいですか?」
(あぁ)
「では、どうぞ!」
食べやすい大きさにカットして、皿に盛り付けます。
フォークを渡しておきましょう。
(……感謝する。………美味だ)
「よかったです!」
うっすら表情が柔らかくなっている気がします。
美味しいもの食べると幸せですよね!
ではわたしたちのも焼いちゃいましょう。
砂浜の2人はまだ打ち合ってそうです。音が聞こえます。
「ミカゲさん、サイコロステーキはお好きですか?」
「食べやすくて好きですぞー!」
「じゃあわたし達はサイコロステーキで、お好みの味付けで食べましょう!」
「……ミツキ氏、神か?」
ミカゲさんは適当に千切ったレタス、トマトやタマネギなどでサラダを作ってくれています。
わたしは格子状にワイバーンのステーキを切って、完全に火を通します。
サイコロステーキ、いくらでも食べられますよね。
よし、完成!
塩やタレ、わさび醤油を準備しました。
「「いただきます」」
ミカゲさんと一緒にワイバーンのサイコロステーキをいただきます。
最初は塩!
「!」
しっかりと噛みごたえがありますが、噛みきれる柔らかさです。
肉厚ジューシー!しみでる肉汁も美味しい!
あ、ご飯!
はんごうを開けると、しっかりと炊き上がっています。
「ミカゲさんミカゲさん」
「はふ……うま……?ミツキ氏呼びました?」
「ご飯、ありますよ?」
「天才」
それぞれの皿に小盛りのご飯をのせます。
んんん!やはりお肉と白いご飯は合います!
「美味しい……ワイバーンのお肉、とても美味しい……」
「身がギュッとなってるのに噛みきれる柔らかさ……すごい……」
2人して語彙力が無くなります。
お肉、美味しいです!
それぞれお肉を堪能していると、砂浜からオリオンさんとレンさんが戻ってきました。
「美味そうなニオイすんなぁ」
「おかえりなさ………レンさんそれ無事です?」
「問題ない」
無傷のオリオンさんとHPが減ったレンさん。
あれ?わたしのレベルに合わせた能力のはずですよね?オリオンさん。
レンさんのがレベル高いんですが???
「お、レン氏ボロ負けですな」
「うるせえ」
「強い人と戦えて良かったですなー」
「…あぁ」
「中々骨がある奴だぜ」
あ、仲良くなってるみたいです。
良かったです。
険悪な仲だとどうしようかと。
わたしは追加のお肉を焼きます。
オリオンさんもレンさんもウェルダンがいいそうなのでじっくり焼き上げます。
塩豚も焼きましょう。
お肉パーティーですよ!
(´-`).。oO(お腹すきましたね)
これからもこの作品をよろしくお願いします!




