サバイバルイベント 6日目 ①
皆様の日頃の応援に感謝です!ありがとうございます!
おはようございます!
今日は良い天気です!今日もランニングします。
着替えて、スマホを持ちます。
その時にユアストの通知も開きます。
Your Story -ミツキ-
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大きな戦いのあとはゆっくり休憩したようですね。
食事は心を落ち着かせ、活力を与えてくれます。
転職おめでとうございます。
新しい力が解放されたようです。
自らの力の事を知る事は大きな1歩です。
知識は力となるでしょう。
眷属と出会い、新たなイベントが発生しました。
解決に向けて、思うままに行動しましょう。
貴方自身の輝きで、貴方の物語を照らしてください。
お疲れ様でした。
…………プラムの木、ちゃんと実がなるといいのですが。
でもコスモス様が言ったので、確実に治りますね。
色々済ませて、はやく眷属さんに星のポーションを届けましょうか。
階段を降りると、兄が立っていました。
「はよ、満月」
「おはよう。お兄ちゃんもランニング?」
「おう、一緒に行くわ」
「……珍しいね?」
「俺もちゃんと運動しないとやべえのよ」
お兄ちゃんはお腹に手を当てます。
………お兄ちゃん………
準備運動をしっかりこなして、走り出します。
やはり朝の空気は気持ちいいです。
たまに他愛もない話をしながら、家に戻ってきました。
深呼吸して、身体を落ち着かせます。
お腹すきましたね!
ご飯を食べて、お風呂掃除をして、課題も終わらせます。
よし、ログインしましょう!
ログインしました!
ストレッチをして、泉で身だしなみを整えます。
そしてアイテムボックスから、肉巻きおにぎりを取り出して食べます。
………肉巻きおにぎりもストックが少なくなりましたね。
後で作りましょう。美味しいですし!
考えながらも口を動かしていたら、すぐ食べ終わりました。
しまった、あんまり味わえていませんでした。
……食べながら考えるのは辞めましょう。
今日は眷属さんの所へ向かわないと!
いつも通りディアデムを喚び出します。
わたしはちょっと小走りで、ヒイラギの木陰を後にしました。
果樹園に辿り着きました。
「眷属さん!おはようございます!」
『!ミツキ』
眷属さんは駆け寄って、柵を開けてくれました。
『……無事で良かったです』
「ご心配おかけしました……」
『……元気な姿を見られて、安心しました』
眷属さんは、安心したように小さく笑います。
うぐっっっ
罪悪感に襲われました。
そして眷属さんの可愛らしさに悶絶しそうです。
わたしは昨日コスモス様から聞いたことを、抜粋して伝えます。
「銀の箱は封印したので、問題ないです」
『ありがとうございます……安心しました』
「プラムの木には、アイテムを作ってきたので、それを使いますね」
『……はい、よろしくお願いします』
わたしは何があってもいいように、スピカさん、シリウス、ペルセウスさんを喚び出します。
(……色々準備出来たようだな)
「はい!スピカさんは、木の状態確認をお願いします。シリウスとペルセウスさんは、何かあった時に反応して頂けると助かります」
(わかったわ)
(心得た)
(おう!)
わたしはアイテムボックスから、星のキュアポーションを取り出します。
太陽光で反射して、うっすら青いキュアポーションは星のように煌めいています。
わたしは、木の根元へ星のキュアポーションをかけました。
「!」
すると、プラムの木が淡く発光します。
……なにやら魔力が収束しているような?
(……ミツキ、こちらへ)
「は、はい」
ペルセウスさんに呼ばれ、木から離れます。
ペルセウスさんは、わたしの斜め前に立ちました。
スピカさんもシリウスも、真剣な目でプラムの様子を見ています。
眷属さんも、手を組んで固唾を呑んで見守ります。
やがて光が収まると、そこには変わらずプラムの木があります。
そして、ポンッと軽快な音をたてて、
プラムが実りました。
『え』
「へ?」
その後も軽快な音をたてて、次々と枝に実をつけていきます。
わたしたちが呆気に取られているあいだに、溜め込んだ魔力を消費するように、プラムの木はたくさんの実をつけました。
「………わ、わぁ」
(あらぁ……元気になったわねぇ)
(溜め込んだ魔力で一気に開花したな………)
(そして実をつけたんだな………)
『す、すごい……』
眷属さんは、薄く膜が張った目を瞬きます。
『………っありがとうございます!』
「わっ」
そして勢い良く頭を下げました。
それを慌てて起こします。
「困った時はお互い様って言葉がありますから」
『感謝してもしきれないです……』
ほろほろと泣く眷属さんの涙を、袖で拭います。
な、治って良かったです。
ありがとうございます、コスモス様。
その後は泣きやんだ眷属さんと一緒に、サダルスウドの水を果物の木に撒きました。
そして最後に、プラムの木に水を撒きます。
(………うん、完全に元気になったみたい。心配ないわ)
「!完全に元気になったみたいです。心配ないですよ、眷属さん!」
『はいっありがとうございます!』
眷属さんは、笑顔を浮かべました。
『このプラム、ソル様へと捧げますね』
プラムを何個か収穫して、眷属さんはガゼボの祭壇へと供えます。
わたしはその様子を、離れた場所から窺います。
眷属さんが跪いて何かを唱えたか思うと、祭壇のプラムが消えました。
………どんな仕組みなのか………
そんな事を考えていたら、眷属さんが立ちあがってこちらへ駆け寄って来ました。
『ミツキ、お礼の果実をまとめてあります。それをぜひ受け取って…………ッ』
眷属さんが話の途中で上を見上げました。
つられてわたしも上を見上げると、
太陽を背負った、ソル様がいました。
『………大儀である』
『……ソル様』
『……よくやってくれた。気付かなくてすまなかったな』
『いっいえ!勿体無いお言葉です』
眷属さんが跪きます。
あれ、今昼間ですが??
ソル様こちらに来て大丈夫なんですかね???
そんな事を思いながら、空気を読んでわたしも跪きます。
『……星詠みの娘よ、太陽の眷属に手を貸してくれたようだな。感謝する』
「…いえ、とんでもないです。困った時はお互い様という言葉がありますから」
『謙虚な奴だ。……ちなみに太陽の代わりを置いているから太陽の事は心配しなくていい』
またサラッと心を読まれましたね……
ソル様はプラムの木を見つめます。
『まさか呪われていたとはな……アイツもよくわからんことをする』
独り言のように呟くと、こちらを振り向きます。
『礼だ。いくらでも持って行け』
「えっ幻の果実を???」
『世話になっている者に土産で持っていくと喜ばれるぞ?』
ソル様はウィンクしながらそう言いました。
眷属さんも、すごい高速で頷いてます。
え、えっと………
お師匠様、リゼットさん、カレンさん、ヴァイスさん、スカーレットさん、クレハさん、グレナダさん……それにレンさんとミカゲさん。
あ、あと王様にも渡さないとでしょうか。幻の果実ですし、お渡ししたら何かあったときの、貸しにできますかね???
指折り人数を数えるのをみたソル様は、ふっと笑うと眷属さんが持つ籠に次々とプラムを入れます。
あっそんなソル様直々に!
眷属さんが震えていますよ!
『構わん。こんなに生っているのだ、いくらでも持って行け』
「はわわわわわわ」
『はわわわわわわ』
籠に山盛りになっています。
はわわわわわわ……
受け取った籠のプラムを、ひとまずアイテムボックスへとしまいました。
そして、その内の1つを手に取ります。
太陽のプラム
ソル・プラムから生る幻の果実と呼ばれる実。
極まれに、気まぐれに太陽より神殿を通して王族に下賜される。
特殊状態:太陽がその手で収穫したことにより以下の状態が付与されている
プレイヤー:食べれば1回限り、HPを全損しても完全回復する
ハーセプティアの住人:無病息災、健康長寿
「わーーーーーっ!?」
わたしは思わず叫びました。
側にいたペルセウスさんがちょっとビクッとしました。
申し訳ないです!でもこれは叫びますよ!
「ソソソソソソル様」
『落ち着け、どうした』
「ソル様が、収穫してくださったので、特殊な状態が」
『気にするな』
ソル様は、にっこりと綺麗な笑みを浮かべます。
何も言えなくなりました………
『食べてみるといい。太陽の1等気に入っている果実だ』
眷属さんが、その場で半分に切ってくれました。
「わぁ……!」
断面がまるで太陽のように黄金色で、とても綺麗です。
「い、いただきます」
受け取ったプラムを、口に運びます。
噛んだ瞬間に、果汁が口の中にあふれました。
「!」
甘酸っぱい果肉と、フルーティーな香りが口の中に広がります!
とても甘いですが、適度な酸味が、口の中をさっぱりにしてくれます!
「っ美味しいです!」
『そうだろう』
ソル様は笑って、一口プラムを齧ります。
『うん、今回も美味い。よく育ててくれた』
『……っ勿体無い、お言葉です!』
眷属さんは、とても嬉しそうにふにゃりと笑いました。
わたしは頂いたプラムを、スピカさんとペルセウスさん、シリウスにわけます。
スピカさんは口に手を当てて、目を丸くしました。
(っ美味しいわ!)
「とても美味しいですよね!」
(……初めて食べたわ……ジャムもいいけどタルトにするのも良いかもしれないわね……)
スピカさんのその目は真剣なものになっていきます。
考えるだけで美味しいです。
(美味だな)
(さすが幻の果実。美味い)
ペルセウスさんも、シリウスもすごく味わって食べていますね。
わたしも手元の残りのプラムを、大切に味わって食べました。
『では、太陽は戻る』
『はい、いってらっしゃいませ』
「ありがとうございました、ソル様」
『泉にある物の封印も感謝する。……宇宙にも礼を』
そして瞬きの間にソル様は姿を消しました。
………まだドキドキしてます。
びっくりしました。
『まさか、昼間にいらっしゃるとは……』
「驚きましたね……」
『……本当に、ありがとうございます。ミツキ』
「……これも縁です。こちらこそありがとうございます」
わたしは眷属さんと笑い合いました。
「こんなによろしいのですか?」
眷属さんは多くの種類の果物を持ってきてくれました。
1個1個が大きいので、量が多く見えます。
『ソル様からも申し付けられておりますので。これはお礼です』
「あ、ありがとうございます……」
『この御恩は忘れません』
果物をアイテムボックスへと仕舞って、眷属さんと握手し、果樹園を後にします。
大きく手を降ってくれたので、わたしも大きく振り返しました。
-特殊イベント 太陽のプラム をクリアしました -
このアナウンスは、イベント関係者にのみ送られます
太陽からの信頼度がMaxになったため、【19:太陽】の能力が完全解放されました
「……へ?」
気軽に世に出せないものがアイテムボックスにぽいぽいされます………( ˘ω˘)
これからもこの作品をよろしくお願いします!




