街の外へ
やっと街の外へ出ました!
よろしくお願いします!
朝6時です。おはようございます。
我が家は毎日6時半がご飯の時間なので、休みの日でもこの時間に起きます。
顔を洗って、簡単なストレッチをして、リビングへ向かうとすでにお母さんによって朝食の準備が行われていました。
「おはよう満月」
「おはようー」
「庭にいるお父さん呼んできてくれる?」
「はーい」
朝からお父さんは庭で何をしているのか。
庭を覗いてみると、キャンプ用品の手入れをしていました。
「お父さんおはよう朝ごはんよー」
「あ、おはよう満月。今いくよ」
食事と片付けを終えると、お母さんは仕事へ向かいます。
玄関まで見送って、また庭でキャンプ用品の手入れを始めたお父さんに話しかけます。
「お父さんお昼は13時頃でいい?メニューのリクエストなければパスタにするけど」
「うん。メニューはおまかせで」
「わかった!」
休みの日のお昼は家にいる人がつくりますね。今日はわたしの担当です。
今は8時。お昼の準備があるので、とりあえず12時までゲームしましょう!
部屋に戻って、ひとまずまた少しストレッチをして、水分も取って、準備完了!
よし、ログインです!
ログインしました!
ベッドに腰掛けて、まず最初にグレナダさんのところの串焼きを食べます。
起きた瞬間にお腹が鳴ったからです。
まさかお腹が鳴る音まで実装されているとは………
コッコの串焼き(塩)をいただきます。
あっさり塩が肉の旨味を引き出しています。美味しい。
この串焼き割と大きいサイズなので1本で7割お腹いっぱいになりました。
それでは鍵をティナさんに預けて街の外へ向かいましょう!
「おはようございます、ティナさん。鍵お願いします!」
「あらおはよう!気を付けて行っておいで!」
宿の外に出ると、また昨日とは雰囲気が変わりました。住人と思わしき方々もたくさん歩いています。
やはり朝は朝で街の見え方も変わりますね。
南門へ向かって歩いていると、何やらパンが焼けるような香りがしてきました。
………これはちょっと覗いてもいいですよね?
香りに誘われて道沿いのお店に近寄ると、そこはベーカリーのようでした。
たくさんの種類のパンやお菓子が並んでいます!
そう、おやつとか、必要ですよね?はい、必要ですよ!(自問自答)
買いました。
クロワッサンとパウンドケーキです。
おやつに食べます!
このゲームはお肉は魔物のお肉が多いので名前に見覚えはありませんがそれ以外はよく見る名前なのでわかりやすいですね。
所持金は4500リルになりました。
ちょっと稼がないとです。
まあまずは依頼をこなしましょう。
南門にたどり着きました。
門から出るプレイヤーは門番さんになにか見せてますね。
とりあえず同じように並んでみます。
「おはようございます!」
「おはようございます。門から出る場合は渡り人であればギルドカードの提示をお願いします」
ギルドカードを提示しました。
「初めて見る方でしたね。門は夕方18時には閉まりますので、街の中へ入る際は時間までにお戻り下さいね。いってらっしゃい!」
「はい、ありがとうございます。いってきます!」
門番さんに見送られて門を潜ると、目の前には大自然がひろがっていました。
「わぁ……!」
見渡す限りの草原、森、青空、そよ風。
とても気持ちがいいです!
それにみたことない魔物?を追いかけたり追いかけられたりしているプレイヤー(らしき人)もいます。
なるほど、ああいった風に戦うんですね。
ひとまずわたしは目視できる森に向かおうと思います。
魔力草×30本と角ウサギ10体討伐依頼をお昼までに終わらせますよ!
「!」
森まで歩いていると、草むらから何か飛び出してきました。
丸くて透明なぷよぷよしたフォルム……これは
「スライム、というやつでは!?」
水スライム Lv.1
アクティブ
【粘液】【打撃耐性】
-戦闘チュートリアルを開始しますか?-
スライムと見つめ合って?いたら、目の前にディスプレイが浮かびました。
戦闘チュートリアル!やります!
戦闘のチュートリアルは受けようと思っていましたので!
はいを押すと、目の前が明るくなりました。
咄嗟に目を瞑り、そして目を開けると何もない空間に立っていました。
「ここは……」
「ここは戦闘チュートリアル専用フィールドでっす!」
「わっ!」
後ろから声が聞こえたので振り返ると、少女の姿をした妖精みたいな方が宙に浮かんでいました。
「わたしは戦闘チュートリアル担当AIのツヴァイでっす!早速戦闘チュートリアルやってみよ☆」
「は、はい!」
なにやらとても明るいAIさんです……!
ツヴァイさんが指を鳴らすと、先程見つめ合った水色のスライムと同じようなスライムが出現しました。
「まずは基本的な戦い方!あなたはウィザードだね。杖持って!」
私は杖を手に持ちました。
普段はアイテムボックスにしまってあります。
「アクティブって表示されている魔物は戦闘状態にあるんだ。倒すか、逃げるかの2択だね☆」
「逃げられるんですか?」
「逃げ切れればね!」
なるほど……敏捷も上げていくべきでしょうか。
「じゃあ、ひとまず殴る!」
「えっ」
「その杖で!殴る!基本モーション!」
な、殴る………!!
「……やぁぁ!」
わたしは杖を固く握りしめて、覚悟を決めて杖を振り下ろしました。
するとスライムのHPバーが、2割ほど削れています。
「そのまま!殴って倒してみよ☆」
「ひええ」
振り下ろしたり、薙ぎ払ったりしてどうにかスライムに攻撃を繰り返し、HPバーが全部消えました。
すると、スライムは蒸発するかのように消えてしまいました。
「おっけ!スライムって殴打は効きづらいけど、繰り返せば倒せるんだよ☆」
「そうなんですね……」
「大体の魔物は殴り続けてれば倒せるから、困ったら物理だよ☆」
このAIなんか脳筋じゃないですか???
ツヴァイさんはまた指を鳴らすと、赤いスライムと水色のスライムが出現しました。
「次はウィザードだから魔法!この赤いスライムは炎属性のスライム!水色のは水属性さ!それを踏まえて、炎スライムに水魔法使ってみて!スライムに向かって呪文唱えて飛んでけ!って思うと飛んでくよ☆」
「は、はい!」
なんか適当なような軽さですが………
えっと、水魔法で最初に使える魔法は、ウォーターボールですね。
「ウォーターボール!」
炎スライムに向かって呪文を唱えると、サッカーボールくらいの大きさの水球が炎スライムに向かって飛んでいきました。
すると炎スライムのHPバーを半分くらい減らしました!
わたしのMPバーは………ほんのちょっと削れていますね。でもあと20回は打てそうな感じですね。
「ウォーターボール!」
2回目のウォーターボールで炎スライムは消えました。
なるほど、水は炎に対して高いダメージを与えられる、みたいな相性があるんでしょうか。
「炎属性に対して水属性は高いダメージを与えやすいのさ。炎属性に対して炎魔法使っても、微々たるダメージしか与えられないよ〜!」
「ふむふむ」
「炎<水、水<土、土<風、風<炎、みたいな感じ!ヘルプでいつでも確認できるからね!」
なるほど、そういうことなら!
わたしは水スライムに対して呪文を唱えます。
「サンドボール!サンドボール!」
砂で出来た2つのボールが水スライムに飛んでいきます。
それは2つともスライムに命中し、スライムのHPを消し飛ばしました。
「お、理解がはやい!そんな感じ!魔法は使えば使うほど熟練度が上がるから、たくさん使うのをオススメするよ!」
「はい、わかりました!」
「魔物を倒せば経験値が貰えるね!ドロップ品はディスプレイに表示されて、自動的にアイテムボックスに収納される仕組みになっているよ☆」
わあ!それは便利です!
拾い忘れとかあったら困りますしね………
「あとはこの世界には名持ち(ネームド)の魔物や、フィールドボスって呼ばれるタイプの魔物もいる。それらを倒すと多くの経験値、ドロップ品、たまに称号とかも貰えたりするね」
「すっごく強そうですね……」
「うんうん、すっごく強いよ!準備してから戦うことをオススメするよ☆基本的な戦い方はこんな感じだよっ敵の攻撃は頑張って避けてね☆」
そんな簡単に言われても………
頑張って避けれたら苦労しなさそうですけど………
痛覚の設定、ちょっと下げときますかね………
ユアストはメニューで痛覚の設定を変えられます。
痛覚100%はリアリティを求める人にオススメです。
でもそれは一般人であるわたしには設定したくないので、痛覚設定は40%くらいにしておきます。
人間、痛みがあった方が覚えやすいですからね……
「戦い方もヘルプに載ってるから、わからなくなったら確認してね☆じゃ、ばいびー☆」
「ありがとうございましたあああ」
お礼を言ってる途中に視界が白く染まりました。
ちょっと軽すぎて信用なりませんが、勉強になりました。
そして目を開けるとさっきまでいた草原にいます。
水スライムさんも顕在です。
わたしは杖を構えて、呪文を唱えます。
「サンドボール!」「サンドボール!」
-水スライムを倒しました-
スライムの液体(小)を入手しました。
スライムの液体(小)
スライムを倒すと入手する素材。
何かに使える。
何かって何ですかあ!
……とりあえず何かに使えると信じてアイテムボックスに眠らせます。
初戦闘はあっさりと終わらせました。
あとは森に向かうまでに何回か戦ってみたいですね。
チュートリアルと移動で割と時間を取ったので、ちょっと走って森へ向かおうと思います!
戦闘描写は頑張りますが、割とサクサク進む予定です。
戦闘描写細かく書ける作者様たちはすごいなぁといつも思っております。