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サバイバルイベント 5日目 ⑥

いつもご感想等ありがとうございます!

ユニークな視点や応援のメッセージ、とても嬉しく思っております。


キリが良いので本日はまた投稿です。

約6000文字あるので読みづらいかもしれません( ´ω`;)



よし、ログインしました!

ログアウトする時にシリウスたちは還したので、ひとまずこのまま1人でプラムの木の様子を見に行きます。



葉も青々としていますが、呪われていて実をつけなくなってしまった、プラムの木。

………毒を無くせるでしょうか。



『…来ていたのですね、ミツキ』

「はい、戻りました!試しにキュアポーションを根元にかけてみていいですか?」

『はい、どうぞ』



眷属さんが近付いてきました。

断りをいれて、試しにキュアポーションをかけてみます。


………特に変わりませんね。

キュアポーションだと駄目みたいです。



「キュアポーションでは駄目そうですね………」

『そうですか……』

「あ、泉の水を採取してみてもいいですか?」

『構いませんよ』



特殊な毒ですし、今後毒に詳しい方と出会ったら見てもらいましょう。

な、何かに使えるかもという打算もあります。

滅多に出会えませんし、ちょっと収集欲がですね……




陽光の水(毒)

陽光の泉より採取した水。

無色透明な毒が混じっている。

摂取しなければ人体には無害。




泉に向かい、ポーション瓶で何本か採取しました。

間違えて使わないように、気を付けましょう。

摂取しなければ人体には無害らしいので!




プラムの木の元へ戻ってきました。


よし、ではアルタールを呼びましょうかね。

モンスターがいないので今回も生贄はわたしになります。



「……眷属さん、今から治す方法を聞いてくるので、恐らく次の瞬間にはわたしは消えると思いますが、気になさらないでください」

『……危ない方法ですか?』

「……恐らく危なくないはずです」



わたしにとっては、ですが!



「必ず解決方法を持ってお訪ねしますので、眷属さんはいつも通りのお仕事をお願いします」

『………わかりました。ありがとうございます、ミツキ。無茶はしないように…』

「……善処します!」





………HP無くなっても復活する、という考えは危機感薄れてあまり良くないかもですが。


復活するの便利だなぁって思ってしまうところもある訳です。

イベント中なので3回復活したら、島から弾かれてしまうのでそうそうやれませんけどね!


眷属さんのために一肌脱ぎます!




「〈さいだん座(アルタール)〉」




昨日も喚び出した祭壇の前に跪きます。

そして同じようにわたしを生贄に捧げます。



どうか、知恵をお貸しください。




『おやおや此度の担い手は、よう我を呼び出してくれるのう』


昨日と同じように、周りの空間が止まっています。

そして同じ女性の声が、頭に響きます。



『此度は対価を貰う約束じゃが、さて此度は何用だ?』

「……知恵を、お貸しください」

『ほう。質問か、良かろう』

「………まず、貴方の事をなんてお呼びしたら良いのでしょうか」

『………我?』



拍子抜けしたような雰囲気を感じます。

これ、重要だと思うんですけど………



『…………くはははは!名を聞かれたのは3度目じゃ。そうさな………我のことは宇宙(コスモス)と呼ぶが良い』

「……コスモス様ですね」

『うむ』



コスモス様………恐らく宇宙のコスモスでしょう。

亀裂から宇宙空間が覗いてますし。

花のコスモス?というすっとぼけは出来ません。



「ではコスモス様。質問よろしいですか?」

『うむ、構わんぞ』

「このプラムの木から、呪いと毒を消せる方法はありますか?」



わたしはプラムを片手で指し示しながら、コスモス様に質問します。



『………ふむ、また細かい呪いよの。実をつけない呪いとはな』

「呪った方の見当はついてますが、わたしは面識ないので保留中です。………解呪とかできますか?」

『ふむ、我が手を下さなくとも、そなたで治せるぞ』

「えっ本当ですか!」

『うむ』



わ、わたしが治せますか!

キュアポーションは効きませんでしたが!



『夜、星空の下でキュアポーションを作ると良い。勿論、〈星の加護〉も忘れずにな』

「………まさか」

『それなら効くであろうな』



………星のポーションシリーズですね!

【17:(ザ・スター)】で幸運を底上げして、星のキュアポーションを作れば良いのですね!

………夜までポーション系の素材集めですね。




『他に質問はあるかの?』

「え、えっとそうですね……」

『このままじゃと流石に対価が多いからの。気になることや知りたい事とか無いのか?』

「……あちらの泉にその呪いを生み出す銀の箱があるのです。あれ、封印とか出来ますか?」



泉の方向を指差して、銀の箱のイメージを伝えます。

破壊、はさすがにヤバそうです。

ルーナ様とやらが、壊れた事に気付いて乗り込んで来るかもしれませんし。



『………ほう、月の気配を感じるな。………破壊で無くて良いのか?』

「…壊して報復とかされたら、ちょっと怖いので」

『くはは!そうか、封印で良いなら縛ってやろう』



キン、と高い音がなりました。

コスモス様が、あの銀の箱に封印処置をしてくれたのでしょうか。



『毒を流さんように縛っておいたぞ。あの泉も程なく浄化されるじゃろ』

「ありがとうございます、コスモス様」

『良い良い。愛し子の役に立てば我も嬉しいからの』

「愛し子、ですか?」



そこまで言われると、少し照れます。

が、コスモス様にとってアストラルウィザードはどのような存在なのでしょう。



「……この質問で最後なのですが」

『良い。申してみよ』

「…………コスモス様にとって、わたしたちは何なのでしょう」



『………愛おしい子よ。我らの星、希望。そなたたちの輝きのために、我らは存在する。愛し子の敵は消す、力を請われれば貸す。我らはそなた達を大切に思うておる』



『我らは、宇宙(ソラ)の彼方より、そなたたちの旅路を眺める存在(モノ)よ』



………とても柔らかく、慈愛に満ちた声です。



『こほん!……とにかく、そなたたちの敵にはならぬ故、たくさん頼ると良いぞ!』

「……ありがとうございます、コスモス様」

『勿論対価は貰うでな!』



照れ隠しのように早口で話すコスモス様のこと、少しだけわかったような気がします。



「………対価ってどのように渡せば良いのでしょう」

『………もう良いのか?ならば対価を貰うが」



………木の治し方は教えていただきました。

泉の銀の箱も、封印していただきました。



「………はい!どうぞひと思いに!」

『………そんな処刑じゃあるまいし、気を楽にせよ』



気は楽には、できませんね……

わたし、生贄ですからね!



『では対価を貰うぞ。……また何かあれば、喚ぶが良い』

「はい、ありがとうございました」



目を瞑って、手を胸の前で組んで、感謝を捧げます。


パキパキと、祭壇の上の亀裂が広がるような音が聞こえます。

そして、目の前に何者かが降り立った気配がします。



『………迷ってもいい。自分を信じて進むが良いぞ』



その言葉と同時に頭を撫でられ、次の瞬間には周りの空気が変わったのを感じました。



恐る恐る目を開けると、ヒイラギの木陰にいました。

………先程のは、コスモス様だったのでしょうか。




ステータスを確認すると、ステータスの横にマイナス表記が表示されています。


なるほど、死に戻ったみたいですね。

………あまり死に戻った実感は無いですね。


痛みとかがある訳じゃなくて良かったです。

痛いのは、好きじゃないですからね。




よし、お弁当作りして、素材集めに行きましょう!

そして夜になったらポーション作りです。




お弁当の内容は、白身魚のポワレとコッコの香草焼き、サラダ、ご飯です!


かっこよく言いましたが、白身魚は焼いただけです。

ちょっと言ってみたかったのです。ポワレ。


カリッと焼き上げられるように慎重に焼きましょう。



「…♪…♪…♪」



よし、出来上がりました!

美味しそうに焼けましたね。

何回か繰り返して、それをまた別のお皿に盛り付けます。

レンさんとミカゲさんが戻られたら、お渡ししましょう!



料理をアイテムボックスにしまって、立ち上がります。

ふとマップを開くと、レンさんとミカゲさんの位置が表示されます。


2人とも山の向こう側にいますね。

場所はすごい離れていますが。



わたしもやれる事をやりましょう!









そうして森の中で素材を集めました。

森の中だと妖精の雫は見つかりませんでしたが、宝箱から入手出来たのでオッケーです。


ヨモギもたくさん生えててよかったです。

魔力草には余裕ありまくりなので、作れるポーションは片っ端から作りましょう。



【神秘】の効果中の2時間で、たくさん作りましょう。

薬師のレベルもあげたいですねぇ………



ハッあの木にもさもさしているアレは!

ヤドリギでは!



「〈わし座(アルタイル)〉」



届かないので、アルタイルにお願いします!


「アルタイル、ヤドリギを落として頂けますか?」


アルタイルは頷いて、飛び立つとヤドリギを落としてくれましました。

それを回収します。


そこそこ回収すると、アルタイルは戻ってきてわたしの肩に止まりました。

な、中々の重さです。

でもたくさん働いてくれたので、わたしはとまり木になります。



「アルタイル、お肉食べますか?」


アイテムボックスからハニーピグのステーキを1切れ取り出して、アルタイルの口元へ運ぶと、口を開けたのでそのまま食べさせます。


………満足感が伝わってきました。

良かったです。


1切れでお腹いっぱいになったようなので、アルタイルを肩に留まらせたままヒイラギの木陰へ戻ります。




「あ、ミツキ氏、おかえりですわ………」

「………………」

「ミカゲさん、レンさん」



ヒイラギの木陰には2人が戻ってきてました。

何やら疲労困憊のようです。



「ボクもレン氏も死に戻ってきましたわ」

「えっ……レベル高いモンスターと戦ったんです?」

「ボクらが進んだ方向、レベル50〜の敵しかいなかったんですわ………」



………あぁ!北東部ですね……レベル高いモンスターがいるらしい北東部………

わたしは瞬殺されますね。



「………レンさん、お疲れ様でした」

「………おう」

「さすがのレン氏もお疲れですなー」

「………負けンのは嫌いだからな。もっとブッ倒さねぇと」



レンさんは自身の手を眺めて、握りしめました。

負けるのは嫌ですよね……


………でもレンさんレベル上がってるのでモンスターすごい倒してそうです。

さすがです。



「あ、こちらお渡ししておきますね。お弁当です」



作ったお弁当 (ワンプレート)を2人に渡します。

2人は受け取って、眺めたあとアイテムボックスにしまいました。



「あぶねえですわ。食べそうになりました」

「あ、お腹空いてるなら簡単に作りますよ」

「………もうすぐログアウトしますし、次の機会でお願いしますわ」



死に戻ったらステータス半分になりますもんね。

わたしも半分になってます。



「ということでボクは今日はこの辺で失礼しますな」

「はい、また」



ミカゲさんがログアウトされました。

わたしもまた夜にログインしましょうかね。



「レンさんもログアウトされますか?」

「あぁ。やることもねェしな」

「わたしも夜にログインします」

「……お疲れ」

「レンさんもお疲れ様でした」



わたしもレンさんに挨拶して、ログアウトしました。







お風呂とご飯を済ませて、ゲームにログインします。

すっかり辺りは暗くなりましたね。


わたしはヒイラギの木陰を出て、砂浜を歩きます。

そして砂浜をちょっとならして、ポーション作りの準備をします。



………やりづらいですね。

テーブルっぽいものがほしいです。

頭の中で星座の一覧を思い浮かべます。

………うーん、本来の使い方では、無いですが!



「〈ろ座(ダリム)〉」



魔法陣から、炉が出てきます。



「……ダリム、申し訳ないですが、ちょっと台として使用したいので、火を消して頂けますか……」



炉に火を消せとは酷なお願いだと理解してます。

てめえこのやろうと思われても仕方のないことです。


ダリムは、そっと火を消してくれました。



「………ダリム……ありがとうございます………」



罪悪感しかありません………!ちょっと涙出て来ました。

ろ座とちょうこくしつ座で迷った挙句この暴挙、申し訳ないです………!



「〈みずがめ座(サダルスウド)〉」



喚び出したサダルスウドは、目が合うとふわっと笑います。

そしてわたしがポーション作りの用意をしているのをみると、拳を握って頷きました。


うっ………いい子です………




「【17:(ザ・スター)】」


手のひらの上で、星と女性が描かれたカードが浮かんで消えました。光はわたしに吸い込まれます。



【可能性】のパッシブスキルと、幸運+20が付与されたのを確認しました!


では作りますよ!






材料が尽きるまで、ひたすら魔力草たちを混ぜ込みました。

キュアポーションは30本作れました。

オールハイポーションは40本、ハイMPポーションは20本作れました。


さてこれを倍に増やします。



「【複製】」



うん、増えましたね!

【鑑定】で調べていきます。


………………バッチリです!作れました!






-サブジョブレベルが2上がりました-



レベルも上がりましたし、満足です。

わたしは出来上がった星のキュアポーションを眺めます。




星のキュアポーション

状態異常を回復する。

星の力で解呪、破邪の力が追加されている。




良かった、これでプラムの木が治るはずです。

それらを全てアイテムボックスにしまいます。



「ダリム、サダルスウド、ありがとうございます」



ダリムの炉を撫でると、火を小さく灯してスーッと消えました。


サダルスウドも笑顔を返してくれました。

その頭を撫でて、また林檎を切り分けます。



「明日、林檎以外も頂ける予定だから、頂いたら分けようね」

「!」


パァァと表情が明るくなり、大きく頷きました。

サダルスウドは果物が好きなんですね。

というか甘いものが好きなんでしょう。



サダルスウドと並んで、星空と海を眺めます。

水面に反射してキラキラしてます。


さざ波の音だけが、響いています。

とても落ち着きますね。



しばらくそうして海を眺めました。

いい時間になってきたので、ログアウトすることにします。


「……付き合ってくれてありがとう、サダルスウド」


サダルスウドはふわっと微笑み、立ち上がるとわたしの頭を撫でてくれました。


まるで、無理しないようにね、と言われているような……

自分よりも幼い見目の子に撫でられると、照れますね。



「…ありがとう」



最後ににぱっと笑うとスーッと消えました。

………すごく、皆に甘やかされている気がしますね。



さて、ヒイラギの木陰に戻ってログアウトしましょう。

明日は眷属さんに、星のキュアポーションをお渡しです。






ログアウトしました。


ヘッドセットを外してストレッチします。

窓からみる空は、どんよりとしています。


「……残念」


星空は見えませんね。

早く寝てしまいましょう。



寝る準備をして、ベッドに潜り込みます。


「おやすみなさい」


無自覚にやらかす主人公も好きです( ˘ω˘)


これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
[一言] 話せる様になった子とまだ話せない子がいるんでしょうか
2023/05/22 11:15 退会済み
管理
[一言] >ろ座とちょうこくしつ座で迷った挙句この暴挙、申し訳ないです………! 以前に記載があった様に、皆さんお呼ばれしたいんですよね。 それがどんな理由であれ… だからこそ、こうなるの(火を消し…
[良い点]  祭壇での質疑応答部分「星にとって自分たちは何なのか」のあたり ちょっとずつゲームの特色・深みが明るみに出てきた感じが良
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