サバイバルイベント 4日目 ⑨
皆様たくさんのご感想ありがとうございます!
自分のペースで書かせて頂きますね。
掲示板については今後、イベントの時や何か起こった時に周りの反応等で挟ませて頂きます!
そして100万PV突破してました!たくさんご覧頂きありがとうございます!
今後も頑張ります!
レベル差!!!!!
大きな圧を感じます。
単眼なのも、ちょっと恐怖を感じますね。
今のわたしのレベルは25です。
レンさんは32、ミカゲさんは28です。
「〈おおいぬ座〉、〈ペルセウス座〉!【魔力強化(星)】!」
わたしはシリウスとペルセウスさんを喚び出しました。
手数は多いほうが良いですからね。
2人を強化して、わたしはレンさんとミカゲさんの援護に回りましょう。
「【身体強化(魔)】!【ブースト】!ファイアーボム!」
ミカゲさんに向かって伸ばされた左腕に向かってファイアーボムを放ちます。
小さく爆発が起き、その爆発にまぎれてミカゲさんは姿を消したようです。
……どこにいるかわかりませんね!!
レンさんは右腕の攻撃を避けながらその腕に向かって攻撃しています。
ならば胴体が狙いめでしょうか。
わたしは胴体を狙おうと視線をキュクロプスに戻すと、
キュクロプスが、わたしをみていました。
「ッ!」
嫌な予感がしたため急いでその場を離れて転がると、わたしが居た場所に炎の柱が立ち昇りました。
あ、危ない!!!
恐らく避けられなかったら死んでました!!!
このレベル差ですし、マトモに食らったらわたしは死に戻ること確実です。
わたしは魔法を放ったら移動、放ったらまた移動、と動き回りながら魔法を放ちます。
ミカゲさんは姿を消したり現したりしながら、その大鎌でキュクロプスの腕や胴体を切りつけているようです。
その時だけ姿が見えます。
シリウスとペルセウスさんは、攻撃しながら注意を引いているようです。
おかげでミカゲさんへの注意が少なくなっています。
「ウォーターボム!ウォーターボム!」
どうにか攻撃し続け、キュクロプスのHPが8割ほどまで減りました。
するとキュクロプスは、両腕を頭の上へ持ち上げて手を握りました。
「ッ離れろォ!」
レンさんが叫び、シリウスが猛スピードでこちらへ戻ってきます。
その瞬間、キュクロプスは地面へ拳を叩きつけました。
「っふぎゃ」
響く轟音と爆風が身体を襲いました。
砂や岩の破片が飛んできます。
砂埃で見えなかったサッカーボール程の大きさの岩の破片が、わたしに直撃します。衝撃でわたしの身体は少し浮いて後ろに転がります。
「いたた……」
「ミツキッ!」
「ミツキ氏!」
お二人に名を呼ばれたので顔を上げると、キュクロプスの単眼がこちらを、睨みつけているように感じました。
そしてその単眼から、炎で出来たレーザー光線のような攻撃を放ちました。
(は、速いっ)
これは避けられないと思わず目を瞑りました。
その瞬間強い力で身体を引かれ、わたしは地面を転がりました。
急いで顔を上げると、炎の中でペルセウスさんが消えかけているのを見ました。
「ペルセウスさんっ」
ペルセウスさんはこちらを見て、その姿を消しました。
伝わってきたのは、無事、安堵、注意……そんなイメージでした。
「ミツキ氏、無事ですか!」
「は、はい。ペルセウスさんが、庇ってくれたので」
「……そうですか。まだ戦闘中ゆえ、反省会は戦闘が終わったらやりましょ」
「………はい!」
そうです。
ペルセウスさんには戦闘が終わったら謝罪と感謝しなければなりません。
ペルセウスさんの分もキュクロプスにダメージを与えなければ!!
わたしは両頬を叩いて、気合を入れます。
「ありがとうございます、ミカゲさん」
「いえいえー」
ミカゲさんは白衣を翻してキュクロプスの元へ向かいました。
わたしも出し惜しみなんてしてられません。
MPポーションでMPを回復させます。
「【身体強化(魔)】、【ブースト】!【0:愚者】」
愚者の神秘を手元に召喚します。
カードはわたしに吸い込まれました。
フルMPポーションでMPを満タンにして、
「【流星】ッ」
キュクロプスの頭上に展開された魔法陣から、大きな流星が流れました。
「グオオオオッ!?」
キュクロプスの身体に当たって大きな爆発を起こし、キュクロプスがバランスを崩します。
「よし、【流星】!【流星】!」
次々と流星が流れます。
これで【自由】によるMP消費せずにアーツ使用可能になる回数を使い切りました。
HPは6割まで、削れました。
「シッ」
「【ポイズンエッジ】!【ポイズンリーパー】!」
バランスを崩したキュクロプスにレンさんがラッシュを決め、ミカゲさんは刃に毒々しいオーラを纏わせると、大鎌を勢い良く振り回して回転斬りします。
キュクロプスに【毒】アイコンが付与されました。
「グオオオオッ」
「チッ」
キュクロプスが両腕を振り回して暴れます。
レンさんとミカゲさんは距離を取りました。
「ファイアーボム!」
目潰しもかねて顔の近くで爆発させます。
このまま攻撃を続けましょう。
『星詠みの娘に、破壊の系譜を持つ男。それに宵闇の系譜を持つ娘か』
太陽は、空中に展開した小さな浮島からその戦闘の様子を眺めていた。
『中々面白い組み合わせだ。それぞれ個人で戦っているが、それ故互いを邪魔しない。……いいバランスではないか』
金林檎を口に運びながら戦闘を眺めるその目はまるで教え導く指導者のようでもあり、上位者としての目線でもある。
『封印されているとはいえ順調に倒せそうなのは面白くないな。少し手を加えるか』
大いなる力を持つものは、気まぐれである。
『苦難を乗り越えるのが試練だからな』
太陽は、その美しい顔に笑みを浮かべる。
その考えは、あくまで善意だからだ。
「ファイアーボム!ウォーターボム!」
ボム系の魔法をキュクロプスに向かって放っていると、炎は燃え盛り、水の威力が少し弱まっているように感じます。
………あれ、わたし汗だくです。
このゲーム、汗も流れるんですね!?
戦闘に集中していたから気付きませんでしたが、すごい真夏の炎天下の暑さと日差しを感じます。
「………ウォーターアロー!」
ジュッ
水の矢はキュクロプスに当たって蒸発しました。
こ、これはソル様が何かしていますね!!!
「そい!……無理ですよね知ってた!」
ミカゲさんが氷結薬をキュクロプスに投げ付けますが、凍ることなく蒸発します。
レンさんも流れる汗を拭いながら攻撃しています。
…………HPも少しずつ減っている気がします。
フィールド効果って奴ですか!?
ソル様中々鬼畜です。
まぁ試練ですから、厳しいのが普通なんでしょうけれど。
キュクロプスも暑さで動きが少し鈍っているような気がします。
これは敵味方に作用していそうです。
「ファイアーボム!」
炎魔法は少し威力が上がっているような気がします。
ですがこのままだとお互い万全に力が発揮できなさそうです。
何か、何か状況が変わりそうな魔法とかあったでしょうか。
「しし座」
もう一手のために、レグルスを召喚します。
そうして出てきたレグルスは、心なしか険しい表情をしています。
………暑い、眩しい……そして力の出力?が下がる、というイメージが伝わります。
シリウスもこちらに戻ってきて、レグルスの影で息を整えます。
シリウスからも、太陽、星、半減……そんなイメージが伝わってきました。
………まさか
「太陽の力が強すぎて、星が昼間見えないのと同じように、力も半減させられてる、ってことですか?」
シリウスとレグルスが大きく首を縦に振りました。
な、なんてことでしょう。
今まで昼間も喚び出せていたので、特に気にしませんでした。
「今まで昼間に喚び出した時にも力は半減されてたんですか?」
伝わるイメージは7割、という感じです。
わぁぁぁすみませんでした!!!
そうですよね!星ですもんね!
なんたる不覚………ゲームだと昼間でも輝ける、という感じなんだと確認を怠ったのがここにきて響くとは。
となると、もう残るのは持久戦か、賭けに出るかしかありません。
今の時刻は夜で、現時点での100%の力を出せるはずですが、太陽様の力のせいで昼間以下の出力になってしまっているのであれば、中々持久戦も厳しいです。
「ウォーターボム!」
ウォーターボムも、ほんの少しHPを削って蒸発してしまいます。
ずっと気になっていたさいだん座を召喚して何かの力を借りる、という手もあります。
これは博打ですけどね。
さすがにキュクロプスを生贄には、出来なさそうですし。
生贄の選択肢はわたししか居ません。
レグルスやシリウスが突進したり、噛み付いたり爪で攻撃したりしています。
「ミツキ、ポーションあるか」
「はい!」
HPが半分程度にまで減っているレンさんがこちらに駆け寄ってきました。
MPも減っているようなので、ハイMPポーションも何個か渡しておきます。
「……レンさん、この戦闘、どう見ますか」
「このままじゃジリ貧だ。せめてこの暑さがどうにかなればな」
「レン氏回復したらはやく戻ってきてくだされーーー!!」
ミカゲさんがロックオンされて、猛攻を受けています。
それをレグルスとシリウスが援護に回っているようです。
「……かなりの大博打なんですけど、試してみたいことがあるんです。試してみてもいいですか?」
「……へェ」
レンさんが面白いものを見つけた、みたいな笑みをこちらに向けてきました。
それはモンスターに向けて頂いて!
「お前が博打なんて珍しい。いいんじゃねェの」
「恐らくご迷惑をおかけするかもしれませんが、わたしに気にせず戦って下さいね」
「……わかった」
手持ちのポーション系を何個かレンさんに渡すと、レンさんはキュクロプスに向かって殴りかかりました。
「ヒィ……ゼェ………ミツキ氏、ボクにもポーション系、貰えますか……」
「すみませんミカゲさん!こちらどうぞ!」
ミカゲさんが注意を引いてくれていたので、どうにか方針を決められました。
「この暑さはヤバヤバです。なにかいい手があります?」
「使ったことないわたしにとっての大博打をやろうかな、と思います。ご迷惑をおかけするかもしれませんが、ミカゲさんもわたしに気にせず戦って下さいね」
「ミツキ氏の大博打……ヤバそうですな。まぁボクそういうの大好きなので、楽しみにしてますぞー」
「それまではボクとレン氏でどうにか注意を引きつけておきますわ!ボク暗殺者なんですけどね!」
そう言ってミカゲさんは姿を消して、キュクロプスに奇襲を繰り返します。
一緒に戦うプレイヤーが大博打なんて、そんな良く思われるものではないと思います。
ですがお二人はわたしの思いを肯定してくれました。
これで状況を変えられる力じゃなかったらどうしよう、との迷いはありますが、それはそれ!どうにかアルタールにお願いしましょう。
「〈さいだん座〉」
わたしはアルタールを喚び出しました。
戦場に不釣り合いな祭壇が、魔法陣から浮かび上がりました。
わたしは祭壇の前で跪いて、両手を組みます。
‐生贄を捧げますか?‐
生贄の対象はプレイヤー、モンスターとなります。
対象:ミツキ レン ミカゲ
戦場にいるプレイヤーが対象となるんですね。
ここはわたし1択です。
‐ ミツキ を 生贄に 捧げます ‐
何が起こるかわかりませんが、状況を変えられる力を、お貸しください…………!!!
『良かろう良かろう。我が力、存分に貸し与えてやろうぞ』
頭の中で、女性の声が響きました。
4日目終わらなかったので、次回に持ち越しします!
これからもこの作品をよろしくお願いします!
レビューを初めて頂きました!とても嬉しいです!ありがとうございます!




