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サバイバルイベント 3日目

いつもご覧頂きありがとうございます!



今日を乗り越えれば明日は休みです!

心なしかクラスメイト達が浮足立っている気がしますね。



そして放課後になりました。


「お前ら、休みだからって羽目外すなよ?フリじゃないからな?絶対に何もやらかすなよ?先生も休み欲しい」

「「「「「うえええええい!!」」」」」



おお……テンション高いですね………


「花ちゃん、試合頑張ってね」

「ええ、ド真ん中、ブチ抜いてくるわ……」


………花ちゃんの背後に般若が見えました。




休み期間中のための食材やカップ麺などを買って帰ってきました。


これでお休みの間、お買い物しなくてすみます!



今日の夕飯は餃子にします。

と言っても冷凍されているのを焼くだけですけどね。


それにオーロラソースのサラダ、いんげんの胡麻和えを用意します。

いんげん、安かったのです。



うむ!いい感じに皮がパリパリで焼けました。

たまには餃子も良いですね。


オーロラソースはちょっとマヨネーズが多かったかもしれません。

美味しいから良いとしましょう。


ご飯が進みます…………ごちそうさまでした。




お風呂を沸かす間にSNSで皆のイベントの状況を確認します。

………皆さんモンスター倒すのと食材集めに大忙しですね。



『森林休憩所でめっちゃ飯テロされたwww』

『肉巻きおにぎり食べたいな……』



…………もしや、わたしのせいです??

いやいや他の人も作っていたかもしれませんし、わたしじゃないかもしれません。


………やはり人目のあるところで何か作業するのは嫌ですね。

ちょっと疑心暗鬼になってしまいます。



あ、サバイバルを楽しんでらっしゃる方も多いですね。

釣った?魚を掲げる後ろ姿がかっこいいです。


他に注意喚起してらっしゃる方もいます。

ふむ、なるほど。

島の北東方面はモンスターのレベルが50以上と………



……それはわたし確実に死にますね。

絶対近寄らないようにしましょう。



色々な人の呟きをみていたらお風呂が沸いたので、サッと済ませます。


やはりレベルは上げたほうが良いのでしょう。

夜は怖いですが、もっと積極的にレベル上げしないと生き残れないかもしれません。


……頑張りましょう。


よし、ゲームにログインします!







ログインしました!

身嗜みを整えて、切り株に座ります。


そしてハニーピグのステーキを1切れ口に運びます。

………やっわらかぁ……よく噛まなくても口の中でとろけます。

美味しいです………至福………


ぺろりとハニーピグのステーキを食べちゃいました。

このモンスター、どこで生息しているのでしょう。


ルクレシアに生息してるんでしょうか。

ちょっと積極的に狩りたいです。


ごちそうさまでした。


よし、では休憩所を出て森を探索しましょう。

レンさんにはメッセージを入れておきます。


『休憩所を出て森を探索します。明日は朝8時にはログインします』


これで良いでしょう。

明日のお時間お約束していませんでしたので、遅いよりかは早いほうが良いと思いますし。


よし、では夜の森を歩きましょう!







森を出て気配を探りながらひっそりと歩いて、ディアデムとシリウスを喚び出します。



………考えていたことがあるのです。

この【星魔法】、88星座が近代88星座であり、わたし達の世界と同じ神話をなぞるものでもあると仮定するとしたら。


確実に喚び出したら注目を集める星座がいます。

名高き、女神に見初められし狩人と、12の試練を突破した世界に名を響かせる英雄。


確実に弱そうなわたしが強い人を侍らせている絵になってしまいます。


……もう既にレンさんとパーティー組んでいる時点でなんであんな弱いやつと!ってなっているのかもしれませんが!



ペルセウスさんが、【星魔法】の熟練度が上がるにつれてお持ちの装備の力を発揮していくのであれば、他の英雄たちもすごい力を持つに違いありません………!



お師匠様が連れていれば、なんだか女主人とその護衛みたいにみえますが、わたしがお連れすると身長も相まってただの幼女にしか見えないかもしれません……


お、恐ろしい。

やはり喚び出すに相応しい立派なアストラルウィザードになるしかありません。




「………」

「うきゃっ!?」


考え事しながら歩いていたからか、木の根に躓いて転びました。

それをシリウスが呆れた目で見下ろします。



「あいたたた……」


起き上がって座り込むと、シリウスが太ももを前脚でポンポンと叩きます。


そしてジッとわたしを見つめます。

シリウスから伝わってくるのは……落ち着け、自由、そんなイメージでしょうか。



『………楽しんできてね』

『お前さんは何も気にせず、好きに冒険しておいで。』



イベントが始まる前に、リゼットさんとお師匠様に言われた言葉を思い出します。


そうです。お二人は好きにやれと言って下さいました。

特に何かをやれと、強要されていません。



なんだか人目を気にしてしまって、消極的になっていたのかもしれません。


「……ありがとうございます、シリウス」

「……ワフ」


わかればいい。そんな感じの鳴き声でした。


よし、これはわたしの物語です。

自由にやりたいようにやりましょう!

人様に迷惑をかけない程度に、ですが!


あ、魔力草。

魔力キノコもあります。


せっせと採取するわたしの後ろ姿を、シリウスが見守ってくれていました。







適当に歩いていたら、特にモンスターとも出会わずに砂浜近くまで出てきてしまいました。


あ、草むらに宝箱。

………ミミックじゃないですね。開けます!


わ、フルMPポーションが3本も!

ありがたいです!!!


いそいそとアイテムボックスにしまいます。


そしてふと、空を見上げました。



「わぁ……!」



なんて綺麗な、天の川……!

日本じゃここまで肉眼で綺麗に見たことありません!

色々な角度からスクショします。

海と星空、良い!!!星空単体も良い!!!



「……〈わし座(アルタイル)〉、〈はくちょう座(デネブ)〉、〈こと座(ベガ)〉」



ふと無意識に、星座たちを喚び出していました。

天の川と共に瞬いていたのが、彼らだったからです。


魔法陣からアルタイルと、白鳥、そして竪琴が出現しました。



シリウスが反応していないので、恐らくモンスターもプレイヤーの気配もありません。



はくちょう座のデネブ。

星座の動物たちはかの大神が姿を変えた姿だったり、人が姿を変えさせられた逸話が多いです。


デネブはどんな能力があるのでしょう。

北十字星(ノーザンクロス)と言うかっこいい別名もありますしね。



そしてこの竪琴。

砂浜に置くのも申し訳ないなと思って手に持っています。




星の竪琴

星天へと迎えられたかの奏者の竪琴。

装備した者は〈奏者〉となり、竪琴を弾くことができる。

その旋律は聴いたものに力を与えるだろう。




お、おお!?

弾いたことなくても弾けそうですね?!?

あとなんだか吟遊詩人みたいな能力ですね。

確か、歌や楽器で支援するジョブもある。というのをサイトで見ました。



シリウスとデネブからちょっと弾いてみろというイメージを感じますので、砂浜の岩に腰掛けます。

アルタイルも砂浜に着地してこちらを見ています。



「弾いたことなんて無いですから、下手でも気にしないで下さいよ!」



手に持っていた杖をアイテムボックスにしまって、竪琴を両手で抱えます。



と言っても何を弾けばいいのか……あ、きらきら星。

きらきら星の旋律を頭の中で流していたら、勝手に手が動きます。




「♪……♪……♪……♪」






……ひ、弾ききりました!

すごいですねこの竪琴!


シリウスとデネブからは、まあまあだな。っていうイメージが伝わってきます。


辛口!



「………いい、音色ね」

「ぴょあっ!?」



突然誰かに話しかけられて、驚きで竪琴を落としました。

シリウスとデネブは、声の出処へ目線を向けるだけで、特に警戒していません。


そちらを向くと、海の中から女性がこちらを見ていました。

女性のマーカーは緑なので、敵性モンスターではないです。


「あ、ありがとうございます?」

「………………」



お礼を伝えたら、女性は小さく微笑みます。



「………貴方たち陸の人は、目に見えるものしか見ないんだものね」

「……??」

「……上を見上げるだけじゃなくて、下も見た方がいいわよ」

「へ」



何やら意味深な事を仰られたあと、スーッと水の中に沈みました。



「上だけじゃなくて、下も………」



な、何が何だかわかりませんが、足元確認しろって事でしょうか。


ひとまず自分の足元を見ますが、……ただの砂浜ですね。


………アドバイスとして受け止めましょう。

今後ちょっと地面を注意深く見ようと思います。



「!……グルル…」


ちょっと考え事をしていたら、シリウスが唸りを上げます。

目線を上げると、そこには人食いヒトデが5匹いました。

ちょっとレベルが高いですね。

13〜15レベルです。


さっきまでモンスターの気配は全然ありませんでしたが!!!



わたしは竪琴を還して、アイテムボックスから杖を取り出します。


「【身体強化(魔)】!ファイアーアロー!」


そして、使い慣れた魔法を放ちました。





いつもは戦闘に必死で周りをみる余裕はありませんでしたが、今回はアルタイル達の様子を窺うことができます。


アルタイルが羽で風を起こすと、それは小さな竜巻となって人食いヒトデに襲いかかります。


あ、アルタイル!それ【風魔法】ですか!?

シリウスも、心なしか動きが機敏な気がします。

そして容赦なく人食いヒトデに突進したり、噛み付いたりします。

あれ、なんだか噛み付いたところ焦げてません??


デネブはいつのまにか海に浮かんでおり、そこから水の矢を放っています。

み、【水魔法】ですよね???



わたしも負けじと魔法を放ったり、杖で殴りつけたりします。


「よっ…と!やぁ!」


人食いヒトデから飛んでくる酸液を避けて、杖をフルスイングし、トドメにファイアーアローを放ちます。





‐人食いヒトデを倒しました‐

種族レベルが1上がりました。

任意の場所へステータスを振って下さい。

SPを2入手しました。

メインジョブレベルが上がりました。

星の砂、魔石(小)を手に入れました。



レベルが高かったからか、5体倒しただけでレベルが上がりました。





ミツキ Lv.17

ヒューマン

メインジョブ:アストラルウィザード Lv.8/サブ:薬師 Lv.4


ステータス

攻撃 31 +1 (+5)

防御 34 (+17)

魔攻 56 +2 (+10)

魔防 34 (+17)

敏捷 31 (+15)

幸運 29 +2




中々順調にレベルが上がってますね!

SPも溜まってますし、何かパッシブスキルを取ろうかとも思いますが、何があるといいのか選べないんですよね………


よし、また保留にしましょう。




「なんだかシリウスたち、動きが良かったですね?」



シリウス、アルタイル、デネブからは旋律、パワー、上がる、そんなイメージが伝わりました。


……ふむ?ベガの竪琴は【星魔法】で喚び出した星座へのバフでしょうか???


また後で試してみましょう。


気付けば中々いい時間になっていたので、休憩所に戻ってログアウトしましょう。




ちょっと足元に気を付けて、わたしたちは休憩所へ向けて歩き出しました。





宝箱を見つけたり、月光草をみつけたりしながら休憩所手前まで戻って来られました。シリウスたちにお礼を告げて、還します。


宝箱からはマヨネーズが出て来ました。

とても、不思議な感覚です。宝箱から……マヨネーズ………

運営の遊び心でしょうか。



そういえば気付かないうちにレンさんからメッセージが届いてました。



ふむ、レンさんも明日は同じくらいにログインするそうです。

楽しみですね!何か新しい発見があるといいのですが!



よし、ではログアウトしましょう。

明日に備えて早く休みましょうかね。





ヘッドセットを外して棚に置きます。


そして軽く伸びをします。

そういえばイベントの事、両親に言ってませんでしたので言っておきましょう。


階段を降りると、何やらリビングの方から大きな話し声が聞こえます。


!この声は!



急いでリビングの扉を開けると、そこには見慣れた兄の姿がありました。


「お、お兄ちゃん!」

「お、満月!ただいまー」

「おかえり!」



わたしより5つ年の離れた兄、終夜流星(よすがらりゅうせい)です。

天体写真家をしています。



「お兄ちゃん、どのくらい家にいるの?」

「1ヶ月くらいだな。撮った写真の選別しなけりゃならんし」

「そっか、お疲れ様だね」

「少し見ない間にちょっと焼けたんじゃない?」

「うんうん。あ、満月、夕飯ありがとうね」



両親もソファでコーヒー飲みながら、兄の土産話に花を咲かせていたようです。



「そういえば満月、何かあったのかい?」

「ゲームは終わったのかしら?」



あ!兄の姿をみたら忘れてました。

明日のスケジュールを家族に伝えます。


「程々にやるのよ」

「身体が衰えないようにね」

「うん!ありがとう」


家族が寛大で良かったです。


「お兄ちゃん、これさっき撮った星空」

「……へぇ、すげえ綺麗じゃん」

「へへ、ちょっとした布教。お兄ちゃんもどう?」

「割と興味出た。写真の選別したら調べるわそれ。ユアストだっけ?」

「そう!」



両親も星空をすごい褒めてくれました。


「プラネタリウムと同じくらい素敵ね。博物館でも取り入れられないかしら」

「それは中々難しそうだね……」

「あはは……」



久しぶりに家族揃って話をしました。

ちょっと遅くなってしまったので、もう休みましょう。



「明日早いんだ!寝る!おやすみなさい!」

「おやすー」

「おやすみ、満月」

「おやすみ」





部屋に戻ってベッドに潜り込みます。

明日、楽しみですね。


おやすみなさい。







おはようございます!

楽しみすぎて眠れないかと思いましたが、ぐっすり眠れました。


アラームを止めて、ユアストの通知を開きます。




Your Story ‐ミツキ‐




21ページ目




ハーセプティアの空を気に入ってくれているようで何よりです。

空はいつ見ても違った表情を見せます。

貴方の心に残る風景であれば良いのですが。



彼女との出会いは偶然です。

これからも偶然の出会いをお楽しみ下さい。

竪琴、素敵な音色でした。



お疲れ様でした。






彼女……あの海の女性………なんだったんでしょう。

イベント関連だと思うのですが。


………考えてもわからないものはわかりませんので、今日のイベントに集中しましょう!


ちょっとランニングして、ご飯食べたらログインすることにします!





これからもこの作品をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
上だけでなく下も...私達が乗っている地上も星ですねぇ... 無意識に太陽と地球を星から除外しがち
[一言] そのうち竪琴演奏しながら戦闘するようになったりするんですかねぇ 杖持って殴りマジっぽいムーヴをする以外の戦闘スタイル確保みたいな しかしイベントの上位向けのエネミー棲息地域は魔境ですねぇL…
[一言] でも確かにダイブタイプのゲームならカプセルホテルみたいな感じで場所を取らずに再現された星空や恐竜なんかも見られるのか……実際にあったら絶対に行くなぁ
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