新アイテム作り
前話でレンの性別がわかりにくかったのでそれについて書き足してあります。レンは男性となります。
これからミツキを振り回しつつ、たまに手助けしてくれるフレンドになる予定です。
ルクレシアへと戻ってきました。
ギルドで依頼の達成報告とお金おろしましょう。
そうしたらお師匠様のところへ戻って、アイテム作りをしましょう。
‐討伐依頼を達成しました‐
アイレ村近辺のウルフ、角ウサギの討伐
イビルフォックス5体の討伐
報酬として5000リル手に入れました
よし、これで良いでしょう。
星の砂を買うためにお金を少しだけおろします。
ギルドの外へ出て、オークション画面を開きます。
星の砂、と。今回はそこまでの数はいらないので、この星の砂30個セットを25000リルで買います。
うう………お金が減っていきます。
やはり今度は自分で採取しましょう。
よし、ではお師匠様のところへ戻ります。
わたしは路地に入って、懐中時計を手にしました。
「おう、おかえりミツキ」
「ただいまですシリウスさん」
芝生で寝そべるシリウスさんにご挨拶して、家の中へ入ります。
ソファにはお師匠様がいらっしゃいました。
「お師匠様、戻りました」
「おかえり」
お師匠様はソファでなにか作業してらっしゃいますね。
何をしてらっしゃるのでしょうか。
「………気になるかい」
「はえ、すみませんお仕事中に」
「構わないよ。そら、座りなさい」
お師匠様の言うとおり目の前に座ります。
「ワタシのサブジョブは正確には宝石彫刻師と言うものでね。宝石の加工や研磨、彫刻を手掛けるモンさ」
「宝石彫刻師………」
「採掘、モンスターを討伐するとたまに宝石を採取することができる。それを細工して装飾品に使えるようにするのが仕事さ。宝石彫刻師が加工すれば、宝石に様々な効果を付与できる」
そう言って、お師匠様は手に持っていた宝石をクッションに置いてわたしの目の前へスライドさせます。
「そら、見てみな」
「は、はい。よろしいのですか?」
「見るだけなら構わんさ」
ダイヤモンド
大きさ:24カラット
58面体ブリリアントカットされている
【全状態異常耐性(大)】【魔力消費軽減】
【全ステータス上昇(大)】
「はわ」
だ、ダイヤモンド!!!
テレビで見たことある大きさです。
すごい綺麗に光を反射してます。
素晴らしいですね………
「すごく綺麗です」
「そうだろう」
お師匠様はニヤリと笑います。
「お前さんも鉱石拾ったら持ってくるといいさ。偶になら加工してやってもいい」
「わ……依頼料すごく高そうですね……」
「アタシの腕は安くないさね」
お師匠様はカラカラと笑います。
もしも手に負えないような鉱石を見つけたら、お師匠様に相談しましょう。
作業に戻られるお師匠様に許可を取り、離れたスペースで薬師セットを広げます。
「あら!おかえりなさいミツキ!」
「スピカさん、ただいまです」
キッチンからスピカさんが顔を出しました。
なにやら甘い香りがします。
「今から何か作るのかしら?」
「はい、このスペースでアイテム作りをします」
「なら息抜きのお茶セットに甘いもの用意するわ!待っててね」
パチンとウインクをして、キッチンへと戻られました。
止める間もなかったです。
………よ、よし。アイテム作りましょう。
今回は作るのはオールポーション、オールMPポーション、オールハイポーション、オールハイMPポーション、キュアポーションの5つです。
「〈みずがめ座〉」
そしてサダルスウドを喚び出します。
「今回もよろしくお願いしますね」
こくりと頷くサダルスウドの頭を撫でます。
へにゃりと笑うお顔がかわいらしいですね本当に。
えーっと、作り方は……
そう作り方は変わらないようですね。
魔力草とヤドリギの種をすり潰して混ぜ合わせると。
サダルスウドからお水を貰って、魔力草とヤドリギの種を混ぜ合わせます。
よし、【精製】!
オールポーション
パーティーメンバーのHPを20%回復する
…………うっすら紫色のポーションができました。
何故???ヤドリギの種のどこに紫色要素が???
………ちょっと毒っぽい感じがしませんかこれ。
‐サブジョブレベルが上がりました‐
おっとこのタイミングですか。
ハイポーションとハイMPポーションたくさん作っても上がらないと思っていたら1足りないでしたか。
………オールMPポーションを作ってみましょう。
同じように魔力草と刻んだ魔力キノコ、ヤドリギの種、水を入れて混ぜ合わせます。
この濃い青汁みたいなのを【精製】したらあんなに透き通るのは謎ですね………
【精製】!
オールMPポーション
パーティーメンバーのMPを20%回復する
なんか薄めの紫蘇ジュースみたいなポーションが出来上がりました。
少し、毒々しいですね!
この調子でオールハイポーションとオールハイMPポーションも作りましょう。
サダルスウドが水を汲んでくれるので、混ぜるのに集中します。
オールハイポーション
パーティーメンバーのHPを50%回復する
オールハイMPポーション
パーティーメンバーのMPを50%回復する
ふむ、先程より色が濃くなりましたね。
一旦ポーション類を出して並べてみます。
ポーションは薄い緑
ハイポーションは緑
MPポーションは薄い黄緑
ハイMPポーションは黄緑
オールポーションは薄めの紫
オールハイポーションは葡萄のような紫
オールMPポーションは薄めの赤紫
オールハイMPポーションは赤紫
すっごいカラフルですね!!!!
オール系に至っては毒と言われても無理はないですが!
効果が上がると色が濃くなるんですね………
ここまでくるとキュアポーションが何色か気になります。
作りましょう。
えっとキュアポーションは、魔力草と刻んだヨモギ、妖精の雫ですね。
キャンプセットの中のお手軽調理セットから、ペティナイフを取り出します。
【清潔】をかけて、ヨモギを細かく刻みます。
この刻む作業は少し手間ですね……
刻んだヨモギを魔力草と一緒に混ぜ合わせ、妖精の雫を1滴落とします。
キュアポーション
状態異常を回復する
…………うっすら青いポーションが出来上がりました。
もう何もわかりませんね。
魔力草とヨモギの緑は何処かへ行ったようです。
「とてもカラフルです……」
「本当ね」
「ひょわっ」
「休憩しましょ?」
スピカさんが肩を叩いて顔を覗き込みます。
スピカさんに連れられてキッチンのダイニングテーブルまでやってきました。
そして椅子に座らせられます。
「人間には適度な休憩が必要でしょう?」
「あ、ありがとうございます」
「ふふ、召し上がれ!」
目の前に紅茶とフルーツたっぷりのタルトが置かれました。
スピカさんお菓子づくりとてもお上手ですね……
「いただきます」
フォークでさくりとタルトを切り分けます。
んんんんんフルーツがみずみずしく甘くて、生地もサクサク!美味しいです!
「美味しい……」
「ふふ、良かったわ!ゆっくり食べなさいね」
私はエトワールにも持っていくわね。
と告げてキッチンを出ていくスピカさんを見送って、タルトをいただきます。
甘さ控えめな紅茶と甘くてみずみずしいタルトの組み合わせって良いですね………
名残惜しいですが最後の一口を頬張ります。
「ごちそうさまでした」
「はい、お粗末様〜」
いつの間にかスピカさんが戻られてたみたいです。
「とっても美味しかったです!」
「私がキッチンにいたら、また作ってあげるわね」
そう言ってウインク飛ばされるスピカさんにもう一度お礼を言って、お皿を綺麗にして棚に戻します。
「根を詰め過ぎないようにね!」
「はい、ありがとうございました!」
よし、また作業に戻ります!
‐サブジョブレベルが上がりました‐
3時間くらいかけて各20くらい作っていたらレベルが上がりました。
そろそろ夕飯の時間になります。
今日はこれくらいにしましょう。
「ありがとうございます、サダルスウド」
サダルスウドはにこりと笑ってスーッと消えました。
お礼は今度にしましょう。
「お師匠様、そろそろ戻りますね」
「ああ、わかったよ」
真剣にダイヤモンドを見つめて作業するお師匠様に声をかけて、部屋に戻ります。
今日も色々ありましたねぇ………
わたしはベッドに横になってログアウトしました。
ご飯とお風呂を済ませて部屋にもどりました。
火照った身体を夜風で冷まします。
ハンモックに横になって指で星座を繋ぎます。
もうすっかり冬の星座は西に傾いて春の星座が夜空を飾ります。
うしかい座のアークトゥルス
しし座のデネボラ
乙女座のスピカ
春の大三角ですね。
側にはしし座のレグルスも瞬いています。
今度、何かのタイミングで喚び出してみましょう。
どんな能力をお持ちなのか確かめます。
「っくしゅん」
夜はまだ少しだけ肌寒いですね。
部屋に戻ります。
テストに備えて、明日は勉強です。
机に教科書と問題集を置いて、と。
今日はもう寝ることにします。
「おやすみなさい」
おはようございます。
今日は曇りですね。
ストレッチをして、着替えます。
そしてスマホの通知を開きます。
Your Story ‐ミツキ‐
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ディアデムはとても珍しい能力だと思いますね。
ぜひ活用してあげてください。
グレナダの屋台はいつ見ても美味しそうです。
レパートリー豊富なので、ぜひ立ち寄るといいでしょう。
新しい場所へ進むのは心が躍りますね。
あなたが何を見つめるのか楽しみにしています。
フィールドにはいくつもの危険が隠れています。
油断せず探索しましょう。
良き出会いがありましたね。
ぜひ、縁を大切にしてください。
新しいアイテムを作りましたね。
これからも楽しみにしています。
お疲れ様でした。
「ふふ、夢じゃない」
本当にゲームでフレンドを作ることが出来ました。
街中だと人目があるので話しかけづらいので、あまり期待できないなと思いましたが、一緒に戦って一緒にご飯を食べたら悪い人じゃないとわかりました。
これからも街の外で出会えたプレイヤーさん、もしくはイベントで仲良くなれたら、勇気を出してフレンド申請してみましょう。
そのためにも、テストを乗り越えないといけません。
よし、頑張りましょう。
テスト………懐かしい話ですね(遠い目)
ちょっとした話を挟んだらイベントに向けて準備していきます!
これからもこの作品をよろしくお願いします!




