遭遇①
皆様ご評価とご感想ありがとうございます。
自分でも気付かない着眼点が有り難いです。
ログインしました!
身嗜みを整えて、唐揚げを1個だけ口に運びます。
あとディアデムを喚び出しておきましょう。
「〈かみのけ座〉」
魔法陣から出てきたディアデムは光となってわたしに吸い込まれました。
よし、これで良いでしょう。
【MP自動回復】もあるので少しずつ増えていくはずです。
部屋を出ると、お師匠様はいらっしゃいませんでした。
………まだ寝てらっしゃるのでしょうか。
「あーーーーっ!」
「ぴっ」
「貴女、エトワールの新しいお弟子さんね?」
びっっっくりしました。
キッチンに見慣れない方がいたようです。
天使のような羽が生えた、美女さんがいらっしゃいます。
「わたくしは〈乙女座〉。貴女に会いたかったわ」
「〈乙女座〉さん!いつぞやのパンケーキ、美味しかったです。ありがとうございました!」
「あら、いいのよ。好きで作ったものだから」
スピカさんはとても嬉しそうに微笑みます。
美女さんの微笑みは眩しいです!
「エトワールなら作業場で作業しているわ。宝石職人として急ぎの依頼が入ったみたいなの」
「そうなのですね」
お師匠様は宝石職人って確かヴァイスさんが会話の中で言っていましたね。
お師匠様が作る宝石細工、気になりますね。
「エトワールは作業場に他の人が入るのを嫌がるから、何か声をかけるならわたくしが伝言を預かるわよ?」
「あ、いえ。挨拶したかっただけですので。お師匠様お忙しそうですし、わたしもルクレシアに出かけようと思います」
「そう、わかったわ。もしエトワールに聞かれたら、ルクレシアに出かけたって言っておくわね」
「ありがとうございます。よろしくお願いします!」
「今度一緒にお茶しましょうね」
スピカさんに見送られて外へ出ます。
んんんん朝日が気持ちいいですね!
大きく深呼吸します。
「おう、出かけるなら気をつけてな」
「シリウスさん、行ってきます!」
芝生で寝転んでいたシリウスさんに挨拶していざルクレシアへ!
石碑広場に到着しました。
土曜日だからかたくさん人がいますね!
あ、グレナダさんです。
ちょっと屋台を覗いてみましょう。
「グレナダさん、おはようございます」
「お、嬢ちゃん元気してたか!」
「はい!」
挨拶しながら鉄板を見ると、……これは!
「グレナダさん!これもしかして」
「おう!コッコのつくねさ!」
コッコのつくね(甘辛タレ)
コッコのムネ肉を利用して作られたつくね
満腹度+20
コッコのつくね(わさび)
コッコのムネ肉を利用して作られたつくね
満腹度+20
コッコのつくね(ネギ塩)
コッコのムネ肉を利用して作られたつくね
満腹度+20
つくね!!!!!わたしつくね大好きなのです!!
「3本ずつ買います!!!」
「おう、1本100リルだから3本ずつで900リルだぞ」
買います!!!!
すぐさまディスプレイで支払います。
美味しいものが食べれるのはモチベーション高くなりますからね!
「ありがとうございます!」
「おう!頑張れよ!」
よし、ではギルドへ向かいましょう。
お金おろして、討伐依頼を受けましょう。
依頼ボードの前に立ちます。
今まではルクレシアの周りの依頼ばかり受けていましたが、ちょっと遠出して依頼を受けるのもいいですよね。
ルクレシアはクリスティア王国最南端の街です。
北に向かい、森を抜けるとクリスティアの王都ミゼリアへの牧草地があります。
ルクレシアは周りを草原に囲まれて、さらに周りを森に囲まれています。
森を抜ければ小さな村や遺跡などが点在しています。
なので、森を抜けた先にある景色を見るためにもそっち方面の依頼を受けましょう!
ギルドランクFでも受けられる討伐依頼は、と。
あ、ありました。
このアイレ村近辺のモンスター退治(ウルフ、角ウサギ)とか良さそうです。
あとは、このアイレ村の周りに出没するイビルフォックスの討伐依頼も受けましょう。
推奨レベルはどちらも8です。
油断せずに行きましょう。
カウンターで依頼を受注します。
そうと決まれば、移動に時間かかりますので、リゼットさんのところに早く行きましょう!
「リゼットさんいらっしゃいますか?」
「はーい。あらミツキさん」
「ちょっとお時間よろしいですか?見て頂きたいものがありまして」
「ええ、大丈夫よ」
カウンターにお邪魔して星のハイポーションとハイMPポーションをリゼットさんへ見せます。
「……あらあら。これはまた新しいアイテムね」
「この間偶然作り上げてしまって……」
「私も見たことはないわ。扱いには気を付けた方がいいわね」
「はい、承知してます」
「でもすごいわ。ステータスが上がるポーションなんて初めて」
「まだ使ったことはないですが、今度自分で使ってみようと思います」
「ぜひ効果を教えてほしいわ」
オークションには出さない、信頼できない人には渡さない。
そう決めてリゼットさんに挨拶してお店を出ます。
数がある訳では無いですし、変に騒がれたくないですからね。
よし、では急ぎましょう。
森を抜けてアイレ村に向かいます。
門を抜けて東へと走ります。
アイレ村は東の森を抜けた先にあるのです。
マップを頼りに森の中を進みます。
今回は森の中にある素材はちょっとスルーです。
出てくるモンスターはレベルが低めなので、魔法で狙い撃ちしながら走り抜けます。
案外マップの通りに進むと森の出口まで30分程度で行けるんだなっていうのがわかりました。
マップを見ずに素材を見ながら歩いていたらそら迷いますよね………
明るくなってきました。
森の出口です!
森を抜けると、目の前にはとても雄大な景色が広がっていました。
草原の先にある大きな湖。
湖の近くにアイレ村と思われる家々が建ってます。
奥に見える雪をかぶった山々。
アルプスみたいです!
心なしか空気がちょっとひんやりしているような!
ちょっと森を抜けるとこんなにも景色が違うなんて。
素晴らしいです!
「〈おおいぬ座〉、〈わし座〉」
今回のお供はこの2匹です。
シリウスは見た目はオオカミ犬です。
もっふもふでかっこいいです。
アルタイルはキリっとして、鋭い眼光を湛えてます。
大きさは翼を広げて1mでしたね。
「今日はよろしくね」
「ガゥ」
「ピィッ」
お師匠様のシリウスさんはバリバリ言葉話してますからね。
どこまで熟練度を上げれば会話できるのでしょう。
これから毎回誰かしらを喚び出すことにしましょう。
ちなみに2匹喚び出したらMP4割持ってかれました。
中々のコストですね。
MPポーションで回復しておきます。
ではアイレ村近辺へ向かって走ります!
「【身体強化(魔)】!サンドボール!」
土魔法の熟練度稼ぎでサンドボールを乱発します。
シリウスとアルタイルが敵の注意を逸したり、引いたりして下さるので安心して魔法を命中させることができます。
「サンドボール!サンドボール!」
ウルフの群れに向かってサンドボールを放ちます。
サンドボールはいい目くらましになりますね。
「ガゥ!」
「よし!サンドボール!」
シリウスがウルフを押さえつけます。
そこをすかさずサンドボールを当てに行きます。
シリウスは軽々とサンドボールがウルフに当たる瞬間に器用に離れます。
頭がいいですね。
アルタイルは角ウサギを空中から翻弄しています。
彼らはあくまでもトドメをわたしにさせてくれるようなので、容赦なく魔法を放ちます。
‐ウルフ、角ウサギの群れを倒しました‐
種族レベルが上がりました。
任意の場所へステータスを割り振って下さい。
SPを2獲得しました。
メインジョブレベルが上がりました。
ウルフの毛皮、魔石、角ウサギの角を手に入れました。
お、レベルがあがりました!
ちまちま向かいながら倒してた分の経験値が溜まってたみたいですね。
ミツキ Lv.11
ヒューマン
メインジョブ:アストラルウィザード Lv.2/サブ:薬師 Lv.1
ステータス
攻撃 22 +1 (+5)
防御 26 +1 (+11)
魔攻 44 +2 (+10)
魔防 26 (+11)
敏捷 30 (+15)
幸運 25 +2
よし、これでいいでしょう。
依頼も、1つ達成となっています。
よし、あとはイビルフォックスとやらを探すだけですね!
アイレ村も覗いてみましょうかね。
あの湖畔の村がアイレ村です。
そちらに向かいましょう。
‐アイレ村‐
「わぁ………」
村、とのことでしたが、活気があります。
柵で囲まれてモンスターが侵入しにくいようにしてますし、プレイヤーや自警団が常駐してるみたいですね。
なるべくプレイヤーを写さないように、山々と湖と村を収めてスクショを撮ります。
うん、いい光景ですね!
色々な種類の露店があって目移りしちゃいます。
あ、お皿とかは欲しいですね。
目についた食器を買います。
白地に藍色のラインが綺麗なので買っちゃいました。
ハッ買い物をしてる場合ではないのです。
ついつい買ってしまいましたが、目当てはイビルフォックスです。
依頼は確か5体討伐、とのことでした。
入り口近くに立っている男性に聞いてみましょう。
「あの、すみません」
「なんだ」
「イビルフォックスというモンスターはどの辺りにいますか?」
「山に近い森にいる。ここから北へ行け」
「ありがとうございます」
無表情でしたが、親切に教えてくれました。
お礼を告げて北へ向かいます。
街の中では還っていたシリウスとアルタイルを喚び出して、走ります。
スライムや角ウサギなど小型のモンスターが多いので蹴散らして進んでいると、空中を飛んでいるアルタイルが何かを発見したようです。
小さく鳴いて、加速します。
わたしも急いで追いかけると、アルタイルは森の中でモンスターを空中から牽制していました。
イビルフォックス Lv.9
アクティブ
【闇魔法】【威嚇】【寄生】
【突進】【爪撃】
イビルフォックス Lv.8
アクティブ
【闇魔法】【威嚇】【寄生】
【突進】【爪撃】
イビルフォックス Lv.8
アクティブ
【闇魔法】【威嚇】【寄生】
【突進】【爪撃】
イビルフォックス Lv.8
アクティブ
【闇魔法】【威嚇】【寄生】
【突進】【爪撃】
イビルフォックス Lv.8
アクティブ
【闇魔法】【威嚇】【寄生】
【突進】【爪撃】
丁度5体いるのは嬉しいんですけども!
【寄生】って何ですか!
エキノコックスですか!
最近授業でみましたよ!
なるべく近寄らないようにしましょう。
それに【闇魔法】………どんな魔法でしょう。
なるべく確実に倒していきたいので、もう1手欲しいですね。
ペルセウスさん、喚びましょう。
「〈ペルセウス座〉」
ペルセウスさんはペルセウスさんですからね。
ミルファク、とお呼びすれば呼び出せるようです。
魔法陣から現れたペルセウスさんは、逆手に短剣を握ってイビルフォックスへと斬りかかります。
「よろしくお願いします、ペルセウスさん!」
そちらはペルセウスさんにまかせて1体1体を確実に倒しましょう!
「やぁあ!」
大振りに手を振り回してイビルフォックスに距離を取らせます。
「サンドボール!ファイアーアロー!」
砂で目くらまししてアロー系で削るこのコンボいいですね。
割と高い確率でイビルフォックスの顔面を直撃して目潰ししてくれます。
「ッ!」
MPポーションでMPを回復して次の魔法を唱えようとした時に、イビルフォックスから黒い玉が飛んできます。
避けられない速さではないので、難なく避けます。
ドッジボールみたいな感覚です。避けられますね!
これが【闇魔法】でしょうか。
魔法の系統だとダークボール、と言うところでしょう。
「ウィンドアロー!ウォーターアロー!」
「ギャッ」
よし、1体は倒しました。
次のイビルフォックスを倒しましょう。
1人は楽ですが、1人で戦うよりは安心できるのが仲間と戦うことの良さですね。
シリウスもアルタイルも、ペルセウスさんも頼もしすぎます。
そうして1体1体を倒していたところ、アルタイルの牽制を振り切って1匹のイビルフォックスがこちらへと飛びかかります。
これは転がれば避けられ、る!?
手と足に力を込めた瞬間に、飛びかかってきたイビルフォックスは石になりました。
「!?」
慌てて距離を取ると、視界の端にイビルフォックスを相手取りながら左腕をこちらに向けるペルセウスさんの姿がみえます。
左腕に巻き付いている蛇の目が、赤く光っています。
やはりあの蛇さんはメドゥーサ関連の蛇さんでしょうか!
石化したイビルフォックスに魔法を放ちます。
「ファイアーアロー!」
炎の矢は命中しましたが、全然ダメージを与えません。
え、石化が魔法防いでます????
石化した敵には魔法、効かないんでしょうか!!!
「ペルセウスさんありがとうございます解いてもらってかまいません!」
ひとまずイビルフォックスから目を逸らさずペルセウスさんへ叫びます。
すると徐々に石化が解けていきます。
空中に浮いているところを杖でもフルスイングして、飛んでいったところを魔法でトドメをさします。
よし、あとはペルセウスさんが相手している1匹だけです。
MPポーションでMPを回復して、サンドボールをひたすら放ちます。
‐土魔法の熟練度が一定に達しました‐
サンドアローを取得しました。
よしきました!!!!
「サンドアロー!」
土と砂でできた矢がイビルフォックスへと飛んでいきます。
当たると砂まみれになって、少しだけ動きを阻害してくれます。
地味に便利です!
「サンドアロー!サンドアロー!」
ペルセウスさんにHPを削られていたイビルフォックスは、わたしの魔法でHPを消し飛ばしました。
‐イビルフォックスを倒しました‐
種族レベルが上がりました。
任意の場所へステータスを割り振って下さい。
SPを2獲得しました。
メインジョブレベルが上がりました。
イビルフォックスの毛皮、爪、尻尾を手に入れました。
あれ、もうレベルが上がりました。
イビルフォックス、レベル高かったですからね。
道中ちまちまモンスター倒した分もあるのでしょう。
ミツキ Lv.12
ヒューマン
メインジョブ:アストラルウィザード Lv.3/サブ:薬師 Lv.1
ステータス
攻撃 24 +2 (+5)
防御 27 (+12)
魔攻 46 +2 (+10)
魔防 27 (+12)
敏捷 30 (+15)
幸運 26 +1
よし、これで良いでしょう。
依頼はこれで達成ですね!
「シリウス、アルタイル、ペルセウスさん。ありがとうございます」
わたしの足元でお座りするシリウスの頭を撫でます。
アルタイルは器用に杖の上に止まります。
ペルセウスさんは頷いて、周りを警戒するように見渡します。
わたしも消耗したMPを回復するためにMPポーションをアイテムボックスから出したところ、シリウスがわたしの腕を甘噛みして引っ張ります。
「わ、どうかしましたかシリウス」
ひとまずそのままシリウスについていくと、木の根元にある草むらに身を隠すように、傷だらけの白い仔馬がいました。
「わ、傷だらけ……!」
ポーションで治りますかね???
ハイポーションをアイテムボックスから取り出して、傷口に障らないようにゆっくりかけます。
すると傷口が淡く光って、少しずつ傷が塞がりました。
良かったです。
わたしでも抱えられるような仔馬なので、大きなモンスターに襲われてしまったのでしょうか。
それにこの仔馬、緑のマーカーなので、モンスターではないですね。
傷が治るのを待っていると、ペルセウスさんが急に頭を上げて、勢い良く左側を向きます。
シリウスとアルタイルも、唸りを上げて同じ方向を向きます。
わたしは優しく仔馬を抱き上げて、ペルセウスさんの後ろに寄ります。
地面を鳴らしながら、大きなモンスターがこちらにゆっくりと近寄ってきます。
隻眼のレッドグリズリー Lv.18
アクティブ
【狂化】【爪撃】【噛み付き】
【炎魔法】【覚醒】【突進】
‐徘徊型フィールドボスモンスター『隻眼のレッドグリズリー』と接触しました‐
アナウンスが響いたと同時に、そのモンスターはその隻眼で私のことを捉えました。
戦闘は難しいです……
ですがまだ戦闘は続きます。
これからもこの作品をよろしくお願いします!