日常 その6
ご評価ありがとうございます!
これからもどうぞよろしくお願いします!
今日も今日とて勉学に勤しみます。
そして休み時間にタロットカードについて調べます。
バフデバフ、とおっしゃってましたし、大体のイメージはつきそうですが。
あんまりピンとは来ませんね。
〈魔術師〉が魔攻、魔防にバフがかかるなら、〈力〉は圧倒的攻撃バフでしょうか。
こればかりはユアストで調べても、誰もプレイヤーでアストラルウィザードになってないからかどこにも記載されていません。
やはり使って確かめるのが1番ですね。
「満月、なにしてるの?」
「花ちゃん」
わたしに話しかけてきたのは友人の駿河花ちゃんです。サバサバとした凛々しい女の子で、弓道部に所属しています。
「ちょっと調べもの」
「へぇ。満月、星以外に趣味でも見つけたの?」
「趣味、と言うか。最近ゲームは始めたかな」
「へぇ…あんなに星Love!て感じだった満月がね。珍しいわね」
「ゲームの中でも天体観測しようと頑張ってる所だよ」
「そこは変わらないのね」
花ちゃんはクスクスと笑います。
わたしはゲーム内で撮った星空のスクショを花ちゃんに見せます。
「それ最近流行ってるユアストってやつかしら?綺麗ね」
「そう!」
「へぇ、私もやってみようかしら」
「花ちゃん弓使いとか似合いそう」
「私が弓道部だから??」
「うん」
「まぁいい練習になりそうね。ちょっと考えてみようかしら」
「おーう授業始めるぞー」
「じゃあ後で調べてみるわ」
「うん!」
花ちゃんにユアストを勧めてしまいました。
花ちゃんも楽しんでくれたら嬉しいですね。
そして放課後となり、部活に行く花ちゃんを見送ってわたしは帰路につきました。
兄とのチャットに、魔花の花園で撮ったスクショを送ります。
(こんな景色も撮れるよ、と)
きっと興味を持つでしょう。
そうしたらいつか一緒にプレイできるかもしれません。
それまでの間にわたしはわたしでゲーム進めときましょう。
食事の際に両親にもスクショをみせました。
「へえ、すごい綺麗だね」
「今時のゲームってすごいのね」
「うん、とても楽しいよ。これからも色々な景色を撮ってくるね」
「ええ、楽しみにしてるわ」
感じた感動はお裾分けしたいですからね。
家族みんな星空大好きですもん。
お風呂も済ませたのでいざ!ログインします!
ログインしました。
身嗜みを整えて、お師匠様に挨拶しましょう。
「お師匠様、こんばんは」
「ああ、ミツキか。そうか、夜に来るんだったね」
「あと数日はこの時間帯に来ることになると思います」
「そうか、わかった」
ぐぎゅるるるるるる
…………わたしのお腹がなりました。
もう少しで満腹度が0になってしまいます。
「くく……」
「す、すみません恥ずかしい……」
「少し待ってな」
お師匠様はその手にパンケーキを持って戻られました。
パンケーキ???
「そら、食べな」
「あ、ありがとうございます。お師匠様が作られたのですか?」
「ワタシじゃなくて〈乙女座〉が作ったのさ。豊穣を司る〈乙女座〉は作物を育てたあと料理を作るのにハマっていてね。今日はそれがディナーさ」
「お料理も出来るんですね……」
「彼女たちは実体を持つし意思も持つ。やりたい事をやらせるのが良い関係を築く秘訣さ」
確かに喚び出したサダルスウドも話しかけると頷いたりにこりと笑ってましたね。
「彼らは言葉を話したりするんですか?」
「そりゃそうさ。〈おおいぬ座〉も話しているだろう?熟練度が上がれば彼らと意思疎通しやすくなるだろうさ」
そういえば普通にしていましたがシリウスさんお話しされてました。
「いただきます」
「あいよ」
スピカさんが作ってくださったパンケーキを切り分けて口へと運びます。
「!」
美味しいです!
ふわふわの食感、それにこれは苺ジャムですね。
甘酸っぱいジャムと甘さ控えめのパンケーキが絶妙なバランスで成り立っています。
食べながら笑顔になるのが自分でもわかります。
美味しいです………至福………
「美味いかい?」
「とっっても!」
「そりゃ〈乙女座〉も喜ぶさ」
美味しいパンケーキに舌鼓を打ちます。
食べ終わるのが勿体無いですが、最後の1切れを口に運びます。
「ごちそうさまでした!」
「皿は【清潔】をかけて食器棚へ置いておいてくれ」
「はい」
言われたとおり【清潔】をかけてお皿を戻します。
【清潔】をかけたら綺麗になりました。
手洗いしないのは慣れませんね。
「どこか空いてるスペースをお借りして良いですか?ポーションを作りたいのですが」
「リゼットの依頼かい?」
「依頼分と自分でも使う分を作ります」
「ゲストルームでやってもいいが、まぁアタシがいる所ならそのテーブル使ってもいい」
お師匠様はダイニングテーブルを指差しました。
お言葉に甘えてダイニングテーブルをお借りしましょう。
よし、ではハイポーションを作りましょう。
「【みずがめ座】」
わたしはサダルスウドを呼び出します。
「アイテムを作るのに、お水使わせて下さいね」
彼はこくりと頷いて、水瓶を椅子に置いてコップを手に取ります。
「……いれてくれるんですか?」
満面の笑顔で頷いてくれました。
ううう嬉しいです。
「なんだい、ポーション作るのに〈みずがめ座〉を喚んだのかい」
「はい、綺麗なお水だったので【精製】しなくとも良い効果を発揮してくれるのかな、と」
「いい着眼点さ。こいつの水は最上級の清水、不純物など一切含まれない水だからね」
サダルスウドの頭をなでながらお師匠様がそう教えて下さいます。
はにかむサダルスウドの笑顔が可愛らしいですね。
魔力草を鍋に入れると、サダルスウドが水を入れてくれます。
それを混ぜ合わせて、妖精の雫を1滴入れます。
ポーション瓶を利用したので、1滴入れるのに苦労していたらお師匠様が1滴ずつ出るようになる蓋を下さいました。
とても助かりました。
よし、【精製】!
ハイポーション
HPを50%回復する
作れました!
よし、じゃんじゃん作りましょう!
1時間くらい作業をしました。
ハイポーション30本、ハイMPポーションを20本作りました。
「ありがとうございます、〈みずがめ座〉」
サダルスウドはこくりと頷いて、微笑んでからスーッと消えました。
今度お礼を考えましょう。すごく手伝ってくれましたので。
シリウスさんも食べてましたし、甘いものとか食べれますかね。
「ありがとうございます、お師匠様」
「なに、ワタシは何もしてないさ」
ソファに座って本を読みながら左手をひらひらさせます。
「ふふ、おやすみなさいお師匠様」
「あいよ。おやすみ」
今日はここまでにします。
また明日残りのハイポーションを作りましょう。
お部屋に戻ってベッドに横になります。
ログアウトしました。
まだ少し寝るには早いので、明日の予習をします。
窓の外には欠けていく三日月が夜空に飾られています。
ちょっと窓を開けて夜風を浴びます。
双子座の近くに火星がいますね。いいタイミングで見れました。
明日は夜、お師匠様のお庭に出てみましょうかね。
星空の下でのポーション作りは楽しそうです。
予習を終わらせて、ベッドに潜り込みます。
それでは、おやすみなさい。
起きました。
おはようございます。
着替えて、ストレッチをして通知を開きます。
Your Story ‐ミツキ‐
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乙女が作ったパンケーキの味は如何だったでしょう。
水瓶の子も、貴方を手伝えるのを喜んでいるようです。
アイテム作りも順調ですね。
これからも良いアイテムを作り続けて下さい。
お疲れ様でした。
サダルスウドは喜んでいるのですね。
やはりお礼を考えないと。
労働には対価が必要ですからね!
よし、今日も1日頑張りましょう!
今回の日常は終わりになります!
これからもこの作品をよろしくお願いします!




