妖精の雫
投稿遅くなりました!
よろしくお願いします!
門を抜けて森へと走ります。
ある程度人気が無くなったところで【神秘】を試してみましょう。
えっとまずは【神秘】についてですね。
【神秘】
0-21の番号が振られたカードを召喚する。
その効果はカードによって異なる。
リキャストタイムは24時間
【0:愚者】
【1:魔術師】
【2:女教皇】
【3:女帝】
【4:皇帝】
【5:教皇】
【6:恋人】
【7:戦車】
【8:力】
【9:隠者】
【10:運命の輪】
【11:正義】
【12:吊るされた男】
【13:死神】
【14:節制】
【15:悪魔】
【16:塔】
【17:星】
【18:月】
【19:太陽】
【20:審判】
【21:世界】
おお、カードの一覧です。
タロットカードでうっすら見たことがありますね。
文字だけだと効果はわからないのですが、詳細もないんですよね………
ひとまず【1:魔術師】を試してみましょうかね。
これはお師匠様が魔攻や魔防にブーストかけてくれる、と言っていましたし。
「【1:魔術師】」
ひとまず両手を前に出してそう唱えると、1枚のカードが出現しました。
棒を掲げた魔術師の絵柄が書かれたカードです。
カードは、光となってわたしに吸い込まれました。
……特に身体に変化はありませんね。
ステータスを見てみましょう。
ミツキ Lv.10
ヒューマン
メインジョブ:アストラルウィザード Lv.1/サブ:薬師 Lv.1
ステータス
攻撃 21 (+5)
防御 24 (+10)
魔攻 62 (+10) 【+20】
魔防 45 (+10) 【+20】
敏捷 30 (+15)
幸運 22
【神秘】効果時間 残り119分
「わ、わあ……」
魔攻が見たことない数字になってます。
こ、これは………すごいですね。
効果時間は2時間程度しかありませんが、これは熟練度を上げていけば伸びるのでしょうか。
森まで行くのに魔法の威力を試してみましょう。
リキャストタイムが24時間なので、こればかりは毎日使えるように頑張りましょう。
お、恐ろしい………
ウルフやスライムたちは魔法1発で消えていきます。
出会ったコッコや暴れ牛たちも2発で倒すことができます。
素材回収が捗りますね!
お肉もたくさん手に入ります。
やはりステータスって大切なんですね。
森にたどり着きました。
魔力草や魔力キノコの状態の良いものを回収しながら、森の奥へ向かいます。
森の奥へと進んでいくと、昼間でも薄暗くなります。
風に揺れる木の葉が重なり合う音が響き、動物の鳴き声などの気配がないので、少し怖いですね。
というか道、合っているのでしょうか。
森の奥深くに咲く妖精花。
奥深くとはどこまで進めば……
森も段々獣道みたいになってきましたし。
これ本当にギルドランクが低い人向けの依頼ですよね?
これまでモンスターと出会わないので、ランクが低い依頼、ということでしょうか……
花、ということなので地面に近い場所や木の幹などをみて歩いていると、ちらほらと花が咲いています。
「わぁ綺麗な花」
というかこれネモフィラでは?
真っ青なネモフィラはまるで案内してくれるようにポツポツと間隔を開けて咲いています。
ひとまずそれについていくこととします。
ネモフィラの咲く通りに森の中を進むと、一筋だけ陽の光が差し込んだ少しだけ開けた空間に出ました。
そこには、1輪の大輪の花が咲いていました。
その花に見惚れていると、どこからかクスクスと小さな笑い声が聞こえます。
『クスクス…ヒトだね』
『そうだね、ヒトだね』
「わっ」
姿は見えないけれど、何かがいる気配は感じます。
「み、ミツキと申します。妖精の雫を頂きにきました」
『ふーん』
『勝手に持っていけば?ヒトはみなそうするもの』
『私達は育てているだけだもの。どう使おうと知ったことではないもの』
『クスクス……』
なんというか、無邪気な狂気を感じるような……
妖精さん、でしょうか?
ちょっと恐ろしいですが、妖精の雫をいただこうと思います。
そういえば依頼には何本、と書いていませんでした。
納品は1本で良いのでしょうか。
ひとまずポーション瓶を【清潔】で綺麗にして代用しましょう。
妖精花に近付くと、花の中心部分に蜜が溜まっているのを見つけます。
ですが、少しだけ萎びているような……
妖精花
妖精が気まぐれで育てる花。
その花の蜜は妖精の雫と呼ばれ回復力を高める素材となる。
水分不足状態であるため蜜の効果は薄れている。
わっ水分不足みたいです。
気まぐれ、で育てているようなので特に妖精さんは気にされないのでしょうか。
これは水をあげるほうが良いでしょう。
「えと、妖精さん。この花、水分が足りないみたいなのです。水をあげても良いでしょうか」
『ふーん』
『好きにしたら』
『でもあげるなら特別な水がいいわ』
『普通の水じゃ育たないものね』
『クスクス』
『クスクス』
と、特別な水……
この間の精霊池の水は依頼分しか頂いてませんし、ウォーターボールの水は特別な水ではありません。
周りを見渡しても水場は無さそうですし、妖精さん達がどこからお水を調達しているかもわかりません。
教えてもくれない気がします。
特別な水………
………みずがめ座の水はどうでしょう。
すごく、特別だと思います。
ステータスを開いて【星魔法】の欄を確認します。
【星魔法】
88星座を召喚する。
召喚効果は星座によって異なる。
その説明の下に、星座の名前がずらっと並んでいます。
ふむ、わたしの世界の星座と名前は同じですね。
「【みずがめ座】」
唱えると、魔法陣が地面に浮かんで中から水瓶を持った少年が出てきました。
こちらをみてにこりと笑います。
「あの花に水をあげたいので、水を頂きますね」
少年はこくりと頷いて、水瓶を差し出します。
わたしは残念ながらジョウロを持っていなかったので、コップで水瓶から水をいただきました。
「ありがとうございます」
みずがめ座の水
星の力を秘める水。最高級品。
料理にも素材にも使える優れもの。
「はわぁ」
最高級品。水の、最高級品。
………これは特別ですね!
コップの水を花の根元の地面にまきます。
確か水分あげすぎるのも良くないんでしたっけ。
足りたでしょうか。
すると花が一瞬光に包まれたかと思うと、次の瞬間にはとても瑞々しくなっています。
妖精花
妖精が気まぐれで育てる花。
その花の蜜は妖精の雫と呼ばれ回復力を高める素材となる。
絶好調。蜜の効果は最大まで高まっている。
………絶好調になったみたいです。
よし、蜜をいただきましょう。
ポーション5本分の蜜をいただきました。
お礼にもう1回だけ水をまきます。
妖精の雫
妖精花の蜜。回復力を高める素材。
効果は最高まで引き出されている。
おお、効果が最高だそうです。
これは良いハイポーションの材料になるでしょう。
みずがめ座はお礼を告げたらスーッと消えました。
これは還った、ということでしょうか。
「ありがとうございました」
何もない空間に頭を下げて、来た道を戻ります。
『なぁんだ』
『特別な水を持っていたのね』
『残念ね』
『クスクス』
なにが!残念なのでしょう!
無邪気が怖いです!
わたしは少し早歩きで森の出口へ向かいました。
何事もなく森から出ました。
妖精さんはちょっとだけ怖いですね。
依頼分足りれば良いのですが。
ひとまず街に戻って、ギルドで聞いてみましょう。
街まで魔法でモンスターを倒しながら戻ってきました。
レベルは上がりませんでしたが、素材はそこそこ集まってます。
未だにウルフの素材やスライムの素材は何に使うかわかりません。
今後何かに使うでしょうか。
「リルファさん、妖精の雫の納品なんですが」
「はい、どうされましたかミツキ様」
「ポーション瓶で代用したのですが、納品は1本でよろしいのでしょうか?」
「はい、取れる量に限りがありますので、1本で大丈夫です」
「では、納品します」
………5本も貰ってきてしまいましたが1本で良かったみたいです。
ハイポーションに使いましょう。
‐採集依頼を達成しました‐
採集依頼達成報酬として5000リル手に入れました。
よし、では次は月光草ですね。
夜に咲く、とのことなので次は夜にログインしましょう。
ギルドから街の外へ出て、魔花の花園へ飛びます。
いつ来ても綺麗な場所ですね。
花が煌めいています。
一旦ログアウトしましょう!
これからもこの作品をよろしくお願いします!