勉強の合間に
ご覧いただきありがとうございます!
今年もよろしくお願いします!
作者は見事に体調を崩しましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
おはようございます!良い天気です。
あともう少しで週末ですし、週末も勉強はちゃんとしつつ、クエストの準備を進めたい所です。
時間を決めてやるようにしましょう!
制服に着替えて、通知を開きます。
Your Story -ミツキ-
86ページ目
作製したアイテムを渡り人へと見せました。
アイテムの価値は、様々な人の目を集めて上がるものです。
貴方のアイテムの価値は、貴方の想像を超えるでしょう。
友とアクセサリーについて語り合いました。
素材や造形にも拘りがあるようです。
完成が楽しみですね。
お疲れ様でした。
今まで作ったアイテムをお師匠様達やクランメンバー以外に渡すことは考えていませんでしたからね。
これもクエストでプレイヤー同士の関わりが広がったからです。
始めた頃は一人でも、と考えていましたが、他の人と協力する大切さや楽しさも知りましたからね。頼れる所は頼ります。
一人も楽しいですし!
まあ星座たちを喚び出しますから完全に一人じゃないですがね……
よし、学校へ向かいましょう。
昼食を食べ終えて午後の準備をしていると、花ちゃんがノートの端に描いていたイラストを見せてくれました。
そこには革ベルトとチェーンで繋がれた星のイラストが描かれていました。
「普通の星の形だと結社感と五芒星感が強いからアスタリスクマークで、褐色の肌にはゴールドも良いけどシルバーも映えるじゃない?」
「花ちゃん必死にノート書いてると思ったらデザインしてたの??」
「楽しくて……赤よりも黒が無難かしら」
「衣装が黒で統一されているからね、良さそう」
「じゃあこれで作るわね」
「……花ちゃん彫金師って言ってなかったっけ」
「星を彫るわよ。それと革を組み合わせるから実質彫金師の作業よ」
そ、そうなんですねぇ……
サブジョブは奥が深い……何でもあり……
「余ったら満月にもお揃いで腕輪作るわね」
「わ、ありがとう。嬉しい」
「一つのことに集中するの、良いわよね」
花ちゃんの言葉に頷き返します。
わたしも今日はホームでポーション作製や畑の手入れをしましょうかね。
このスピカさん印の野菜は量がないので料理に使ってくださいとは言いづらいので、ホームで消費しましょう。
そうして午後の授業を終えて、帰宅しました。
ささっとお風呂と食事を済ませて、問題集も解いて、ログインしました。
冷蔵庫を覗き込むとミルクがあったのでフレンチトーストを作ります。
……あ、マレフィックさん用のフルコース、時間がある時に作らないとです。土日のどちらかで作りましょうか。アルフレッドさんに教わりつつ、スピカさんとウィローさんが育ててくれた野菜を使えば良いものが出来上がること間違い無しです。
よし、食べ終えたら畑の様子を見に行くとしましょう。スピカさんとウィローさんも喚び出して、野菜と花を育てましょう!
出来上がったフレンチトーストに蜂蜜をかけて、フルーツと一緒に食べます。
「ラクリマ」
『おはよ!』
「最近あまり喚べなくてごめんね。今日は島で好きに過ごしてて」
フレンチトーストとフルーツを分けてラクリマに差し出します。
目を煌めかせたラクリマはフレンチトーストとフルーツに近付きました。
『ミツキは今日は何するの?』
「畑の手入れかなぁ……ヴァスタトル様の花も植えたいんだよね」
『ラクリマも手伝う!土魔法あるから』
「頼もしい……じゃあ一緒にやろうか」
『うん!……ごちそうさまでした!美味しかった!』
ラクリマと一緒にフレンチトーストを堪能して、外へ出ました。ストレッチで軽く体を動かします。
星座の配置も変えましょう……今日はペルセウスさんとアンドロメダさん、ケフェウスさんとカシオペヤさん一家を島に配置しておきます。
スピカさんとウィローさんを喚び出して、二人と共に畑の様子を見に行きました。
ホームの横にある畑は小さなものですが、それでも一部屋くらいの大きさがあります。
その横、少し離れた場所にある花壇はスピカさんが手入れをして……
「……あの花!」
「あら!咲いたわね!」
「おや、やっとですね」
花壇に見覚えのある白い花が……!
スピカさん達と駆け寄ると、ツェアシュテーレンの花が元気に咲いていました。しかも五本も!
「種をいただいたでしょう?それを前に喚ばれた時に植えて、他の星座達に水を任せていたのだけど」
「咲きましたな」
「植えてからどれくらいで咲くかわからなかったのよね。ここは世界樹のおかげで作物や草木は育ちやすいから普通なら一日で咲くのだけど、この花は咲かなかったから」
世界樹のおかげで一日で咲く!?
世界樹のパワーがすごすぎでは!?
「島でも問題なく咲いたようで良かったわ」
「育て方は間違っていなかったようですな」
「ふ、二人ともありがとうございます!」
『これ、触ると駄目なんだよね?』
「うん。壊れちゃうからね」
花を見つめるラクリマに言葉をかけます。
このツェアシュテーレンの花があれば、星の霊薬が作れます。
お師匠様やリゼットさん、ヴァイスさんや……クエストの時には帝王様にもお守りで持っててもらいたいですからね。作っちゃいましょうか。
「採取していいです?」
「いいわよ。種がもう少しあったから、それを植えるわ」
「じゃあ……ヴァスタトル様、お花をいただけますか」
ツェアシュテーレンの花の前で願うように手を組みます。目を瞑ると、空気がちいさく揺れました。
『良いよ。ちゃんと育てられたようだから』
「ヴァスタトル様、こんばんはです。ありがとうございます」
『こんばんは!』
『ふふ、星の乙女とキミの手なら問題なかったようだね』
空中で微笑むヴァスタトル様に一礼するスピカさんとウィローさん。
何か育つ環境に決まりがあるんでしょうかね?
「ヴァスタトル様、質問しても良いでしょうか?」
『いいよ』
「ツェアシュテーレンの花が育つ環境には、何か決まりがありますか?」
『……そうだね、必要なものは三つかな。まず高所であること』
高所。……確か、高山植物でしたか。
霊峰くらいの高さの場所にしか生息してないのだとか。
『ここは浮島だから問題ないね。次はマナが濃い場所であること。かつて枝が伸びていた霊峰や、現に枝が伸びているこの島はマナが濃い。だから通常の速度よりも速く植物が育ちやすいんだ。植物はマナを使って成長できるからね』
……世界樹の枝の苗が急成長した時のことを思い出しました。あの時の枝はマナを使って急成長して乾燥してましたからね。
『地上に流れるマナは薄いからね。速く育てたいなら高所がいいよ。そして三つ目は、俺の目が届く場所であること』
「目が届く……」
『その花は俺の力の残滓を浴びて育つからね。ここは近くに祭壇があるから、良い目印だ』
ヴァスタトル様が向ける視線の先には、ガーデンと祭壇があります。
……もしやヴァスタトル様、たまに花の様子を見に来てくださっている!?
「……ありがとうございます、ヴァスタトル様!」
『なぁに急に。その気持ちは受け取るけどね』
「一番品質の良い星の霊薬、ヴァスタトル様に捧げますね」
『……もう俺は貰ったから良いよ。他にも君達、色々と俺にくれるから』
柔らかい笑みを浮かべるヴァスタトル様に目を奪われました。
『ヴァス様、何か欲しいものはないの?』
ラクリマの言葉に目を丸くしたヴァスタトル様。
ラクリマ、ヴァスタトル様をヴァス様と!?
『……今は無いかな。欲しいものはレンに頼むから』
『そっか!じゃあラクリマの好きなものをお供えする!』
『ふふ、楽しみにしてるよ』
その様子を眺めていると、胸が暖かくなります。
仲良きことは美しきかな……
『供物の礼にまた種あげるよ』
「わわ、ありがとうございます」
『じゃあ、またね』
小さな袋を残してヴァスタトル様は消えました。
ツェアシュテーレンの花を採取して、袋をスピカさんに渡します。
「ドキドキしちゃうわね」
「ほっほ。震えましたな」
「すごいフットワークです……また種を預けておきますね」
「はぁい。任せて!」
「畑の手入れをしてきますぞ」
わたしも雑草の処理を手伝って、ラクリマに土魔法での畑の耕し方を教えるスピカさんと野菜に触れて状態を確認するウィローさんに声をかけて、ホームへと戻りました。
調合室で星の霊薬に必要な素材を並べます。
魔力神草と世界樹の葉、サダルスウドの水、ツェアシュテーレンの花。
「【17:星】【星の祝祭】」
周囲に星を浮かばせて、準備完了です。
ポンチョをしまって腕まくりをして、いざ!
一つ一つの動作を丁寧に行い、時間をかけて星の霊薬の工程をなぞらえました。
「【精製】」
ポーション瓶に無色透明な液体が流れ込みました。
やはり無色透明なんですねぇ……
星の霊薬 ★★☆☆☆
星詠みの一族の古の霊薬。
HP、MP、状態異常を回復する。
アストラルウィザードが使用すると、パーティーメンバー全てに作用する。
-サブジョブレベルが上がりましたー
「!」
黒い星が、一つ増えました!
それに説明文も増えたような……えっと、これは。
例えばパーティーを組んだわたしが使えば、パーティーメンバー皆に効果がある、と言うこと……
この一本で、パーティーメンバーに!
とんでもないですね……星マークが全て増えたら、どんな性能になってしまうのか。
とりあえずもう一つだけ、作ってみましょう。
同じように作り上げた星の霊薬は、同じ星の数でした。
むむ……今のわたしでは星二つまでしか、作れないのかもです。
ツェアシュテーレンの花を使うアイテムは今の所星の霊薬しかわたしは知らないので、星の霊薬を作ってしまおうと思います。
そうすればお師匠様、リゼットさん、ヴァイスさんにお渡ししても二本余りますし、帝王様にもお渡しできるかもです。
そうして残りのツェアシュテーレンの花を使って、追加で星の霊薬を作り上げました。
ヴァスタトル様のおかげでツェアシュテーレンの花が手に入ったので作れたアイテムです。
ヴァスタトル様にまたお礼を探しましょう。
よし、今日はここまでにしましょうか。
窓から差し込む星の光に、出来上がった霊薬を掲げます。霊薬の向こう側で、星空が煌めきました。
畑の様子を見に戻ると、ウィローさんが持つ籠に野菜を入れるスピカさんの姿が見えました。
「食べ頃よ!」
「旬ですぞ」
『栄養たっぷりだって!』
野菜を掲げて笑みを浮かべる三人から野菜を受け取ります。一瞬やっているゲームが農産ゲームかと思いました。CM並のいい絵でした……
「これで今度料理しましょう!」
「わたしも手伝うわね」
「その時はよろしくお願いします!」
アイテムボックスへと野菜をしまって、部屋に戻ってログアウトしました。
明日の授業の準備をして、ベッドに転がります。
出来上がった霊薬を、お師匠様達に渡しに行くのは時間がある休日にしましょう。
明日は金曜日ですし、課題もやってテスト勉強もして……テストを乗り越えたらクエストが始まります。
ちゃんと準備をしなければ。週末をちゃんと計画的に!
よし、おやすみなさい!
息抜きで星の霊薬を増産しました!楽しいですね!
やはり島で栽培できるのは強い……許しがあれば……概念的存在ゆかりの素材をこっそりと……ゲフンゲフン
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




