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クエスト準備②

ご覧いただきありがとうございます!


おはようございます!

週の真ん中です。伸びをして、制服に着替えます。

合間にスマホの通知を開きます。



Your Story -ミツキ-



85ページ目



参加資格用のポーションを作製しました。

星の力を使い、数多のポーションを作製しました。

貴方の特別なアイテムは、様々な民を救うことが出来るでしょう。

貴方の星の輝きで、救えるものがあるでしょう。



お疲れ様でした。




星のポーションシリーズ……これはわたしの強みです。

アストラルウィザードとして、薬師としてのわたしが出せるオリジナリティ……これは大切にしていきたいものです。


なのでひとまず星の蘇生薬を……アーサーさんにプレゼンしましょう。

星のポーションシリーズについてもプレゼンしましょうか。一セット渡しても良いかもです。お世話になってますからね。


よし、今日も頑張りましょう!







「なんだかイケる気がしてきたわ」

「そう……」

「まあ、さすがに勉強するわよ。そしてユアストもね」


放課後、花ちゃんと教室で問題集を広げます。

花ちゃんも勉強の休憩として、ユアストでモンスターを倒してストレスを発散しているのだとか。

現実でなくとも体を動かせば頭がスッキリしますよね。


わたしもポーション類を作りつつレベルも上げたいですが、中々レベルも上がりにくく……たくさん戦わないといけませんからね。


「あ、花ちゃんチョーカーとか作れる……?」

「最近ハンドメイドアクセサリーの作り方を調べているし、その中にあったわね。恐らく作れるわ」

「マレフィックさんと他の悪魔を見分ける為のアクセサリーが欲しいなって」

「なるほど……じゃあ、デザインは洋服に合わせてレザーでパンクな感じがいいかしら……」


花ちゃんがスマホの画面を見せてくれました。

そこには様々な生地や柄、装飾等が表示されていました。


「マレフィックさんからは似合うものというリクエストしかなかったから……」

「プレッシャーね……満月には素材の提供をお願いするわね。満月が入手した素材で作ったほうが良いと思うもの」

「そこは勿論!アイテムボックスから吟味するね」


確かアルヒラル遺跡で皮系のアイテムをたくさん入手しましたからね。わたし自身が使うことはほぼ無いですし、ここは使える人に渡すのが良いです。


「この大変な時期に申し訳ないや……」

「アクセサリー作りって息抜きに良いのよ。まあ現実では作れないけれど……今度お菓子でも貰おうかしら」

「ゲームでも現実でも渡すね!」


花ちゃんとそんな会話をしつつ、授業の復習をして帰宅しました。学生の本分はちゃんとせねば……!


お風呂を済ませてキッチンを覗き込むと、兄が立っていました。


「なに作る予定?」

「レシピみてアレンジ加えたラーメン。もーちょいかかるから待ってろ」

「はーい」


インスタント麺のアレンジレシピで美味しそうなものがあったのだとか。それは楽しみですね!


今月の天文雑誌を読みつつ待ちます。

キッチンの方から美味しい匂いが漂ってきてお腹が鳴りました。なんか焼いてますね……


「できたぞー」

「ありがとうお兄ちゃん……!」

「インスタントの塩ラーメンにベーコンと半熟目玉焼き乗せただけ。でも美味そうだよな」


野菜とベーコンと半熟目玉焼きが乗せられた塩ラーメン……!なんてコラボなのか!


「いただきます!」

「おー召し上がれ。俺も食べよ」


塩ラーメンにベーコンの塩気が混ざるとしょっぱいかと思いましたが、半熟目玉焼きでマイルドに……!

むしろ塩ラーメンに黄身が絡んで、美味しすぎでは??


「めっちゃ美味しいじゃん……」

「こりゃ美味いわ」


二人であまりの美味しさに無言で食べ進めました。

最近忙しそうでしたからね。落ち着いたのでしょうか。


「忙しさは落ち着いたの?」

「おー。俺的に嬉しいプロジェクトに声を掛けてもらえたんだよ。言えるようになったら言うわ」

「……気になるけど、待ってるね」


天体写真家として活動する兄の撮影への本気さは理解していますからね。兄の写真が評価されるのは嬉しいことです。続報を待ちましょう。


部屋に戻って指定された範囲の問題集を開きます。

アーサーさんと約束した時間までは問題集を解きます。



時間が近くなってきたので、ユアストにログインしました。アデラさんからメッセージが届いていました。

早速参加したいというプレイヤーが現れたので、参加資格用のポーションを渡したとのことです。

よし、その辺りは順調、ですね!


軽くお腹を満たして、祭壇と世界樹に手を合わせてから王都ミゼリアへと向かいました。


アーサーさんから、この場所でとお店の名前が送られてきたので、そちらへ向かいます。

その道中、スイーツ店があったので手土産として30個入りのクッキーを買いました。

美味しそうなので祭壇と世界樹へ供える用にも買っておきました。


……教えていただいた店の場所にたどり着いたのですが、なんだか雰囲気が凄いです。

これはアレです、なかなか初めてでは入りにくいお店と言いますか……!入るのに勇気を使いそうな店です。

高級なタイプで!


意を決して、扉を開けて店内を覗き込むとカウンターに立っていた店員に迎えられました。

ぷ、プレイヤーです!プレイヤーのお店ですね!?


「あの、ミツキと言います。アーサーさんとお約束してまして」

「存じ上げておりますよ。どうぞ、こちらへ」


案内された個室では、アーサーさんと嵐スロットさん、モルド赤さんがいました。


「お待たせしました……!」

「いえ、時間通りですよ」

「本日は相談があると伺いましたので、意気込んで参りました」

「そんな大それた相談ではありませんが……」


拳を握ったモルド赤さんの言葉に苦笑します。

それぞれソファに腰掛けて、わたしはテーブルに星のポーションシリーズを並べます。


「こちらわたしが作ったポーションなのですが、特別な効果がありまして」

「……詳しく見ても?」

「構いませんよ」


アーサーさん達がそれぞれ手に取るのを眺めます。

星のキュアポーションと星の蘇生薬を手に取って眺めたアーサーさんの瞳が丸くなりました。


「……これはまた、とんでもないアイテムですね」

「ふおおおなんだこれ……ステ上昇に蘇生後のアフターケアみたいな大幅なダメ減……!めっちゃ欲しい」

「相談というのはその星の蘇生薬なんですが、倒れたら士気に関わるプレイヤーに渡そうかと思いまして。何が起こるかわからないので、ジークさんや勿論アーサーさんにも」

「……私にも、ですか」


わたしはアーサーさんの言葉に頷き返します。

すると、アーサーさんが複雑な表情を浮かべました。


「大変光栄ですが、難しいですね」

「難しい、ですか?」

「こちらのアイテムは十分特殊なアイテム枠に入りますからね。適正価格の判断が、難しい」


あっ、普通に無償で渡す気満々でした。

使わないにしても、お守りとして持ってもらいたかったのです。


「使っている材料は蘇生薬のレシピそのままです。そこにアストラルウィザードとしての星のバフを受けて、複製したら作れるアイテムなので……」

「マ!?これ魔力神草と月光神草、カマル草、ワルドゥの雫、精製水で作れるのと同じですか!?」

「わ、よく覚えてますね……」


モルド赤さんがウィンドウを開いたまま、勢い良く顔をこちらに向けました。


「なのでコストは蘇生薬と同じですよ!あまり量産はできませんが!」

「……コストが同じでも、付加価値がヤバイです」

「ええミツキさん、これはヤバイですよ」

「ミカゲさんと同じことを仰る……」

「むしろ普通にこのポーションセットは報酬としても有能すぎますね。効果と珍しさといい、話題を掻っ攫えます」

「普通に欲しいです」

「同じくです」


アーサーさんの言葉に嵐スロットさんとモルド赤さんが頷きました。

……想像以上に高評価です!これは嬉しいですね!


「星のキュアポーションの解呪、破邪の力は自分でも体感してますし、アンデッド系にも効果があるのは確認してます」

「……解呪アイテムもそうそう見つからないものです。現段階では教会で聖水を使用し高位の神官が祓う方法と、解呪師による解呪しか、方法は見つかっていませんから」

「ひゃあ……」

「聖女の前で出すのはやめましょう。変な火種を作りたくはありませんし」


ひえ……争いは遠慮したいです。

やはりこっそりと使うしかないですか……


「お守りとして持っていて貰いたかっただけなのですがね……」

「お守りの効力が強すぎますね」

「これはラストエリクサー症候群待ったなし」

「もったいなくて使えないです」

「作れるので使ってほしいのですが!?」


すごい頑張れば量産できますから!

コストも通常の素材でいけますし!コストパフォーマンスは最高ですよ!


「コスパが良すぎる……」

「だからこそ、その価値に正当な値段をつけられるか、真価が問われると言いますか」

「通常の蘇生薬が5,000リルだとして、いくらだ……」


あ、蘇生薬って5,000リルなんですね。

なら……その倍とか……?


「……ふむ、10,000リルとか?」

「それでも安いと思ってしまう所はあります」

「もっといろいろなアイテムを見て、適正な価格を見極めたいですね」


あれ、結構高いと思いましたが。

ならば、そのセット一式はアーサーさん達に預けるとしましょう。


「……あまり世に出さない方が良いでしょうか?」

「そこに関してはミツキさんとその師の判断にお任せします。注目を浴びるのは間違いないと断言しますが」

「オークションには出すなと言われていますね。仲間に渡すのはオッケーなので、この一式はアーサーさん達に預けます」

「……お預かりします。クランの総力をもって適正な価格を見積もりましょう」

「壮大なスケールに……むしろ使い勝手を確かめていただきたく……」

「……善処しましょう」


その後このポーションの扱いについて話し合いを続けました。

ミカゲさんと話した通り多くは用意できない事をふまえて、ひとまず今回参加するクランの中で戦闘系クランに分類されて、アヴァロンや先陣を切るバルムンク、彼岸花さん達へのお渡しなら大丈夫だろうとのこと。

魔法契約外のプレイヤーには渡さないことになりました。まあ知らない人に渡すのは気が引けるといいますか。


「本日はお時間いただきありがとうございます」

「いえ、こちらこそ。興味深いお話でした」

「良いものを見させてもらいました」

「ポーション作製、頑張ってくださいね」


アーサーさん達に挨拶をして、島に戻りました。

世界樹に買ったクッキーを供えて、空を見上げます。

夜空に輝く星々は、今日も綺麗に瞬いています。

落ち着く……テストも頑張れそうです。日光浴ならぬ星光浴でパワーを充填できました。


ホームに戻ると共有ルームにはジアちゃんがいたので一緒にわたしのアイテムボックスを眺めて、使えそうな素材を渡しました。

星座達は星の形のアクセサリーやシンプルなアクセサリーを身に着けていますからね。

マレフィックさんにも星の形やシンプルなデザインのものが良いかもです。


デザインについて再度話をして、ログアウトしました。



ストレッチをして明日の学校の準備をして、ベッドに横になります。

眠すぎるので、今日は寝てしまいましょう。


おやすみなさい。


星のポーションシリーズ……とんでもねえアイテムですね!星の霊薬や宇宙の秘薬も万能薬として優秀ですよね。もったいなくて使えません!



今年はミツキの物語を書籍として新しい形でもお届けできました。これも皆様のおかげです、ありがとうございます!

小説家としてはまだまだ未熟ですが、これからもたくさんミツキの物語をお届けできればと思います。

これからもミツキの物語をよろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
いつも楽しく読ませていただいてます。 ちょっと気になったのですが、アヴァロンの3名アーサーさんと嵐スロットさんは魔法契約してますけどモルド赤さんはしてないですよね? ミツキちゃんがアストラルウィザー…
世に出してはいけないモノを出してしまいました。ちゃんと金庫にしまっておかないと(笑) チョーカーに落ち着きましたか。喜んで着けて自慢しまくりそうですね(笑)……かわいいヤツ(笑)
明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。 ラストエリクサー症候群って宝の持ち腐れでは?(笑) “抱え落ち”したらそれこそ勿体無いですよね。 使った時には他人に状態データはバ…
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