クエスト会議①
ご覧いただきありがとうございます!
おはようございます!寝落ちしましたね!
朝までぐっすりでした。
さて、学校がありますから準備しましょう。
着替えつつ、目線をスマホに落とします。
Your Story -ミツキ-
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渡り人同士で集まり、意見を交わしました。
他人の意見を聞く、取り入れることは貴女の経験値にも、勉強にもなるでしょう。
縁は、力になります。様々な縁を結びましょう。
中華を味わった後に、黄金の仮面を用いて黄金のダンジョンへと挑みました。
特定黄金生物はリルを蓄えています。積極的に倒しに行きましょう。
柘榴の店主の店に行きました。
柘榴の技術を用いて作られる装備は、冒険の力になるでしょう。
未知の物語に挑む貴女への助力はいつでも惜しみません。遠慮なく、声をかけてください。
星詠みと国王と帝王、ギルドメンバーの会合に混ざりました。貴女も星詠みとして、話す時が来るかもしれません。
己が目的のため、報告連絡相談は良い手段です。忘れないようにしましょう。
黄昏時のヴァルフォーレン領で混沌の眷属の創造物と邂逅しました。
黄昏時は特殊なモンスターが出現します。貴女は気を付けた方が良いでしょう。
お疲れ様でした。
今日もみっちりです。
なんだか日替わりで別のAI?が綴っているのかとも思うようになってきました。
みっちり書いてくれるのと、あっさり綴ってくれるパターンがありますもんね。技術力がとんでもないです。
さて、本日は他のクランの人との会議もあります。
気を引き締めて、気合いを入れなければ……
よし、学校へ向かいましょう!
朝食の時に両親と兄に簡単に報告したので、花ちゃんにもさらっと報告しました。
校舎裏の木陰のベンチに座り膝の上で弁当を広げます。
「大変な事だわ」
「わたしの応援よろしくね……」
「クエストをきっちり詰めるのは必要だけど、それを担う満月たちが大変なこともわかる。用意しなければならないものとかあれば言うのよ」
「ちゃんと話し合ってくるね……クエストってどういうものかわからないから、ちゃんと聞いてくる」
参加する側とさせる側でこんなにも違うので、混乱です。ちゃんと考えなければなりません。
運営は大変ですね……
「ひとまずいつでも返信できるよう、今日はホームでアクセサリーを作るわ」
「花ちゃんがくれたアクセサリーアイテムまだ使ってないや」
「まあお守りとして持っていて」
「うん!」
昼食を終えて教室に戻り、午後の授業を乗り越えました。テストの範囲はバッチリノートに印つけましたし、問題集にもわかりやすく書き込みました。
「希望者と赤点取った人には夏休み期間中に夏期講習やるからなー。受けたくなけりゃ頑張れよ」
「「「えーーーーん」」」
「泣くな先生も夏休み期間中は色々やる事あるからマジで頑張れよ」
……テスト、頑張りましょう。
放課後となり、花ちゃんと別れて帰宅しました。
兄の部屋の扉に現像中というプレートがかかっていたので、さっと自分だけで夕食を済ませました。
お風呂も済ませて部屋に戻り、少しだけ問題集を解き直してゲームにログインしました。
アルフレッドさんが作ってくれたサンドイッチを食べてガーデンへ向かうと、レンさんが祭壇を見つめていました。
「……よう」
「こんばんはです」
レンさんの隣で膝をつき、手を合わせます。
今日は渡り人で集まって話し合いをします。頑張ります、と。
よし、宣誓して気合い入りました。
ふと隣に立つレンさんを見て、気になっていた事を問いかけます。
「そういえば聞きたかったのですが、ヴァスタトル様からの試練とはどのようなものでしょう?」
「……基本は指定されたモンスターを、執行者のアーツを使ってブッ倒す」
「わあ……」
「稀に欲しい素材がとかアイテムが欲しいだとか言われンな」
「それは中々、大変ですね?」
レンさんはため息を零しました。
中々自由な試練が混ざっていますね……概念的存在が欲しがる素材とアイテムって絶対集めるの大変そうです。
「お二人ともこんばんはですわー」
「こんばんはミカゲさん」
「…………ヨシ!今日は頑張りましょうね」
手を合わせたミカゲさんが、拝礼を終えてこちらに向かって拳を握りました。
それに頷き返して、世界樹の様子をみるために世界樹の元へ向かいます。
「今日は渡り人同士で話し合いに行ってくるからね」
世界樹わたしの言葉をきいて、枝で軽くわたし達の体を叩きました。
プレアデスの《枝》
世界樹から浮島プレアデスへと伸びる枝
《枝》:よくわからないけれど、がんばれ?祝福もあげるよ
「あはは……ありがとう」
わからないなりに応援してくれましたね。
世界樹の祝福で、何事もなく終わることを願いましょう。
ミカゲさんの白衣を掴ませて貰って、マイヤーさんの店に移動しました。
部屋に入って、ミカゲさんと作戦会議をしながら皆が集まるのを待ちます。
この時はこう話して、ここまでは明かして……頭がこんがらがりそうですね。
レンさんも話せるところは話してもらいます。でもまあレンさんに話しかける猛者がいるかもわかりませんけどね。
アーサーさんからいただいたメッセージを見返します。書かれたクラン名は、わたしには聞いたことがありません。ちらっとバルムンクはわかりますけどね。
えっと、今回出席予定のクランは……
ステラアーク
アヴァロン
輝白の祈り
魔眼検証班
ズーロジカルガーデン
アルケミスト
ファーマシー・サーペスト
バルムンク
彼岸花
エレメンタル
マモン商会
アサシネイト
冒険旅団
ミューニション・スラッガー
世界を旅する料理人
というクランです。クランではありませんが、カメリアさんいらっしゃる予定です。
中々ツッコミたいところがありますが……響きでわかるクランとわからないクランがあります。
クランも多いですね……覚えられるように頑張らないと。
「こんばんは、ミツキさん」
メッセージを眺めていた時、アーサーさんの声が聞こえました。アーサーさんの後ろから、ぞろぞろとプレイヤーが入ってきます。
「こんばんはです。アーサーさん」
「今日はよろしくお願いします。彼らの紹介は皆が集まった時にしましょう」
目が合ったプレイヤーとは、簡単に会釈をします。
うおおお緊張してきました。
「やあミツキさん。それにミカゲさんと弟」
「どもです。カメリア氏とグラン氏」
「今日もカメリアのお供だぜ」
グランさんが疲れたような表情を浮かべて片手を上げました。HPが少し減っているので、戦闘をしてきたのでしょうね……
「失礼いたします」
「失礼する」
部屋へ入ってきたのは白を身に纏う少女です。
その後ろには鎧を身に着けた女性騎士のような方もいます。噂の聖女さんでしょうか。
「いやあ、他のクランと集まる事なんてそうそうないぞ」
「それも名だたるメンツが集まるなんて凄い事だ」
「セシー、今日は大人しくしてろよマジで」
「……善処!」
「お口チャックしてて」
それなりに広い部屋なのですが、これだけの人数が集まると狭く感じますね。目が合ったセシーさんに小さく手を振ると、満面の笑みで大きく振り返されました。セシーさんはいつお会いしても元気いっぱいです。
見覚えのないプレイヤー、アデラさん、様々なプレイヤーが集まり、時間となりました。
アーサーさんがプレイヤーを眺めて、最後にわたしへと視線を向けて頷きました。
全員、揃ったのでしょう。勇気を出して、一歩前に踏み出します。
「本日は皆様、お集まりいただきありがとうございます。ステラアークの、ミツキと申します」
視線がわたしに集まります。それを腰が引けそうになりますが、カメリアさんやアーサーさんは柔らかく笑みを浮かべているので、少しだけ緊張が和らぎました。
「大規模なレイドクエストについての、ご相談をしたいのです。本日は、よろしくお願いいたします」
「ミツキさんとは初対面のプレイヤーも多いので軽く紹介をしましょうか。アヴァロンのアーサーと申します。彼は嵐スロット」
アーサーさんの言葉に、嵐スロットさんが一礼をしました。そしてアーサーさんの近くに立っていた聖女さんが一歩踏み出して優雅に一礼しました。
「わたくしはモモカと申します。輝白の祈りというプリーストを中心としたクランのマスターをしております。彼女は騎士のシンディです」
聖女さん……モモカさんは優しく微笑み、騎士の女性もきっちりと一礼しました。おお、何というか高貴な……!モモカさんのレベルは72で、シンディさんは76です。
そしてすぐ、その隣の大柄な男性が力強く頷きました。
「俺はバルムンクのジークだ。こっちは副官のヒルト」
なるほど、彼がバルムンクのジークさん……
レベルは80と高く、単純な言葉ですが強そうです。
副官として紹介された女性もキリッとした方で、こちらもレベルは78と高いですね。
「魔眼検証班のアデラです。普段は掲示板にいます。こちらはメンバーのレギオスです」
アデラさんとレギオスさんのレベルは70です。
魔眼だけではなく、バッチリ戦闘もされるようですね。視るためには戦闘しないといけませんよね!
「あー、クラン名はズーロジカルガーデン。まんま動物園だな……一応クランマスターをしているギンだ。普段はシルバーウルフとしてパーティーを組んでる。テイマーとしては、セシーが中心だ」
ふむふむ、クランは大きな括りですもんね。パーティーを組めない訳ではありませんし。
ギンさんはレベル74、セシーさんは71です。
「錬金クラン、アルケミストのマスターのラケルです。今日は一人ですが、私だけでも問題ないです」
ラケルと名乗った女性のコートには、ミカゲさんのように試験管が何本か装備されています。
あれは錬金術師の基本装備でしたか……ラケルさんはレベル72ですね。
「薬師クランのファーマシー・サーペスト。マスターの高麗です。こっちはメンバーの彩冷」
薬師クラン……高麗さんと彩冷さんは似たような装備を身に着けています。もしや制服……?
お二人ともレベルは70です。
「あたし達は彼岸花。戦う奴らしかいないよ。あたしがマスターの朱連、こっちはアケミ」
全身赤い色の装備を纏う朱連さんと、アケミさん。
……強そうです。何というか、戦い慣れている雰囲気を感じます。お二人ともレベルは78です。
「私たちはエレメンタル。エレメンタルジョブの集まりです。マスターのアマネです。彼は副マスターのカガリ」
魔法使いのようなローブを身に纏う女性と男性です。
アマネさんのレベルは75、カガリさんのレベルは73です。エレメンタル……確かエクリクシのチェリーさんや、インフィニティの二人がエレメンタルと名の付くジョブでしたよね。
「マモン商会の商人、アーロです。お声がけいただき光栄です。商人として働きますよ」
アーロと名乗った男性は、なんだかアラビアン風の装備を身に着けています。もしかしてレダンで活動されているのでしょうか……?
アーロさんのレベルは70ですね。
「……アサシネイトのマスター、カゲロウ。アサシンの集まり。モンスター倒すのなら任せて」
こちらは全身真っ黒な……カゲロウさん。
夜闇に紛れそうな装備です。あ、アサシンですもんね。レベルは73です。
「冒険旅団というクランを組んでいるキルキスです。色々なプレイヤーが集まっています。こちらはメンバーのカルラ」
冒険旅団……冒険が好きなんでしょうかね?
シンプルに冒険者!という格好をされています。
キルキスさんはレベル74、カルラさんは72です。
「重火器中心のクラン、ミューニション・スラッガーだ。マスターのアサギ。こっちは副マスターのシェネ。空飛ぶモンスターと聞いたから来た」
アサギさんと名乗った男性と、シェネさんと紹介された男性共にサバイバルゲームのような格好をされています。迷彩柄、装備で作れるの凄いですね……
アサギさんはレベル72、シェネさんは71です。
「世界を旅する料理人っていう料理人クランを組んでいる。一応マスターのマダラメです。料理人として後方支援となると思いますね」
コック服に似たような装備を纏う男性、マダラメさん。料理人クラン……様々な料理を作るプレイヤーが所属しているのでしょうか。気になります。
レベルは70です。
「クランじゃないが、一般プレイヤーとして参加する予定のエクリクシのカメリアだ。こっちはグラン」
カメリアさんが名乗った所で、各々用意された椅子にマスターが座りました。うおお、人が多いです……!
プレイヤーネームが頭上に表示される機能が、今はとても助かります。無かったら絶望するところでした。
「ご紹介ありがとうございます。わたしの後ろにいるのは、ステラアークのメンバーのレンさん、ミカゲさんです」
レンさんとミカゲさんの紹介をして、クエストの説明をするためにクエスト欄を確認します。
「今回はミツキさん達ステラアークが、レダン帝国の帝都レガリアで起こる大規模レイドクエストの情報を掴んだ所から始まりました。ミツキさん、簡単に流れの説明をお願いしてもよろしいでしょうか?」
「はい。今回……」
アーサーさんが簡単に前振りを入れて下さったので、クエストを受注した流れについて説明をしました。
大まかにでないと、話せないところがたくさんありますからね!突っ込まれたら補足で説明をさせていただきたい所です。
「……という流れで、情報を掴んだところクエストを受注しました。皆様にはクエストにクランとして参加していただいて、助力をお願いしたいのです」
「私がメッセージをした理由をご理解いただけたでしょうか?『日常とは違う事をしませんか』の内容の大部分はコレです。何かご質問等あればどうぞ」
アーサーさんそのような事を送ったんですね??
アーサーさんの言葉に皆様顔を見合わました。
「……いや気になる事しか無いんですけど!?」
レギオスさんの叫びに、わたし達とアーサーさん以外が一斉に頷きました。
で、ですよね……視界の端で、カメリアさんが苦笑しました。
あ、あかん……プレイヤーの人数が増えてしまった……しょうがないとは言え、さらっとこれくらいいるんだなーと思っていただければ……!
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




