アルヒラル神殿 ②
ご覧いただきありがとうございます!
出てくるモンスターを燃やします。
アンデッド系は、ラクリマの光魔法が効果抜群ですからね!積極的に使ってくれていますし!
『……気に入らぬ。月の観劇場を太陽が照らすのは。ならば、こちらには月の光を』
っ!
ルーナ様から放たれた光でモンスターが照らされました。すると、モンスター達の凶暴性が増しました。
「っ、あぶな!」
「ハァッ!」
「フレイムピラー!ストームピラー!」
素早さも上がったビッグスライムの水の鞭が腕を掠りました。
アストラエアさんが近寄るビッグスライムの攻撃を切り裂いたので、燃やして風で吹き飛ばします。
確かに、HPは減っているような……倒しやすくは、なりましたが!
それでも、数が多いので!攻撃回数は増えますが!
熟練度稼ぎには最適です。
それに……
『貴様、自身に焦がれる者を利用、改造した上階層モンスターとして遺跡内に配置していたな。合意か?』
『月に生命を捧げると言うから利用したまでのこと。何か問題が?』
『……いや、そのような態度でいるから貴様はいつまでたっても偶像止まりで信徒が増えないのだと理解しただけだ。使い潰しているとはな』
……以前デイジーさんと少しだけ話をしましたが。
何やら犬猿の仲のようです!?バチバチどころか冷え冷えです。
ソル様はどちらかと言えば……種族を見守り、導くような方で、ルーナ様の印象は……神様寄り、でしょうか。
考え方は違いますよね。
……わたし、【18:月】を使用していいんですかね?
ここでルーナ様の目に留まらないと、大変です。
概念的存在の方々は、自分の意思でお帰りになりますからね。
もしかしたら、力を借りれない事も……あるかもしれません。
……ルーナ様の祝福云々は置いておいて、ひとまず試練をクリアできるよう戦闘に集中しましょう。
ヘラクレスさんがモンスターを戦闘不能にしていくので、まとめてトドメを刺します。
……ビッグスライムは出てきましたが、キングとクイーンはいませんね?
階層のボスモンスターは出てこないのでしょうか?
次に出てきたのは……あ、サイですね。ソイル・ライナセロスです。
まあボスモンスターが出てきたら戦闘がとても難しくなるのでありがたいんですけどね。
ドラゴンのおかわりは恐ろしいので遠慮したい所……
「【ブラックホール】ストーンピラー!」
なんてモンスターを倒しながら思っていたら、離れた所にスケルトン・キングがいました。
おお……兄がハンマーを片手に相手しています。兄に任せましょう。
わたしはフォレストモンキーを燃やします。
数が多いと何をしてくるか、怖いですからね。
フォレストモンキーが扱う木魔法による蔦はアストラエアさんが切り裂いてくれるので、わたしは本体を狙う事ができるのです。助かります!
……これさすがに素材のドロップは無いですかね。
ソル様の試練も経験値だけでしたし。
フォレストハニー・ビーがいたので、はちみつが欲しかったですね……
「っしゃオラァ!倒した!」
『次のモンスターが来るぞ!』
「……分身だけど、トニトルスはよく喋るな。どんな仕組みなん?」
『……今更ではないか?』
遠くから兄の声が聞こえます。
スケルトン・キングは倒したみたいですね。そしてトニトルスのその分身は気になります。
「フレイムピラー!ストームピラー!」
「そらそらそらそら!」
タイミング良く、リズム良くアストラエアさんがモンスターを蹴り上げていきます。
その宙を舞うモンスター達に次々と矢が突き刺さって、爆発しました。
皆さん知ってました??矢って、爆発するんですよ……
サジタリウスさん、フィールドを駆けながら矢を射るその技量は勿論すごいんですが……
ジアちゃんも爆発的させられるんですかね。今度聞いてみましょう。
「ミツキさん」
「ソウくん、どうかした?」
離れた場所からソウくんが走ってきました。
耐熱薬の効果が無かったでしょうか……
「いえ、あの……今から使うのを躊躇していた戦闘方法を試そうと思いまして。なので少しの間、僕のことはあまり気にしないでほしいんです」
「……それは危険なものなの?」
「絵面的に、あまり人に見られたくは……無いですね。なので今まで躊躇していました。でも今回は良い機会なので……慣れる目的も兼ねて、使ってみたいんです」
ほほう……何やら新しい戦い方がある様子です。
使いたいのであれば、そこはソウくんが好きなようにしてほしいですね。
「今まで人目がある場所では使えないなと思っていました。ダンジョンも人目がありますからね。でも今は、ミツキさんとリューさんしかプレイヤーがいないので……」
「……なるほど、そういうことなら全然わたし達に構わず、どんどんやっても!フォローもできるからね」
こうして戦闘中に会話できるのもこちらにモンスターを近寄らせないヘラクレスさんとアストラエアさんのおかげですからね。
試したいものは試せるときに!
「……あ、わたしも試したいアーツがあるんだ。ソウくん、その戦闘って魔攻の値も参照する?」
「僕の銃剣はそれぞれ攻撃と魔攻を参照していますね」
「なら……」
少しの間ソウくんと作戦会議をしました。
よし、では兄が森トンボやフォレスト・バタフライとの戦闘に苦戦しているようなので、参加しないとです。
「【変光星】【連星】」
アーツを唱えるとウィンドウが出現しました。
選べるのはプレイヤーだけですね。
ソウくんを選ぶと、お互いに淡く光りました。
よし、これでお互いの最大ステータスが共有されたはずです。ソウくんが頷きました。
「どちらかが戦闘不能になると、お互いに戦闘不能になるから……わたし死なないように頑張るね」
「僕も頑張ります。ありがとうございます」
小さく笑みを浮かべたソウくんに頷いて、モンスターを見据えます。
「フレイムピラー!【重力操作】!」
「【自動装填】【自動操縦】……【罪刑執行】【剣召喚】」
兄に群がろうとする森トンボを燃やし、飛びかかってきたデザートライオンを地面へと押さえつけます。
ソウくんが聞き慣れないアーツを唱えていますね……
あまり見られたくないって言ってたので、少し離れましょうか。
「【流星群】!」
少し離れた場所で一体一体を確実に仕留めます。
っ!キメラ・クロコダイル!
「【重力操作】!ストームピラー!」
重力によって地面へと沈んだキメラ・クロコダイルに風の柱が直撃し、そのHPを全て削りました。
いいダメージです!よし!
モンスターを出しているムーンバニーがステッキを打ち鳴らし、靄の中から次のモンスターが出てきます。
むう……次はどのモンスターで!?
ツイン・ワイバーン Lv.70
アクティブ
【???】【???】【???】
ゲッ!!ツイン・ワイバーンです!
兄のおかげで攻略法はわかっていますが、レベルも上がっていますし!どうしたものか……!
「行きなさいヘラクレス!【星の射手】!」
「オオオオオオッ!」
空を飛ぶために地を離れたツイン・ワイバーンは、次の瞬間サジタリウスさんに射抜かれました。
その勢いのまま背中から地に倒れそうになったツイン・ワイバーンの首を掴んだヘラクレスさんが、その双頭を身体全てを使って絞め上げました。
「…ッガァ、ギッ!」
「…………!」
ツイン・ワイバーンのHPは瞬く間に消え、ヘラクレスさんがわたしに視線を寄越しました。
あのHPなら、両方同時に攻撃すれば倒せる……!ツイン・ワイバーンは瀕死の状態で地面に転がっています。
「【二重詠唱】フレイムピラー!」
ツイン・ワイバーンの頭部を、二柱の炎が貫きました。
……少々火力が強すぎたかもしれませんが、復活されるよりはマシです。
ヘラクレスさんのパワーの方が強かったですし!ヘラクレスさん、素のパワーでモンスターを圧倒できるの、本当に凄いです。
時間制限があるのも納得の強さですよ。
と、いうか……ツイン・ワイバーンの次に出てくる階層ボスは、あのゴーレムでは!?
『光よ!』
「【蒼炎】!」
「ハァッ!」
ブラックウルフやアンデッドサモナーがラクリマの光魔法とシリウスの炎で燃え尽きました。
そこに、片手に剣を持ったソウくんが切り払いながら突っ込みます。
……珍しいタイプの剣を持っています。なんか、剣先が扇状になって幅広くなっている剣です。
そして、ソウくんの背後に銃剣が……浮いてますね?一定のタイミングで、銃撃しています。
確か先程、オートパイロットって聞こえたような……オートって自動ですもんね!?
ソウくんの目の前にアンデッドサモナーが出現しました。
杖を掲げ、黒い光を集めたその瞬間、一歩踏み出したソウくんのタイミングと同時に空中に出現した縄がアンデッドサモナーの首に巻き付き、その体が宙に浮かびました。
「【首吊り、そして切断】!」
飛び上がったソウくんがその首元に剣を振りぬいた瞬間、アンデッドサモナーのHPが全損しました。
……一撃特化系、でしょうか?
確かにこれは、なんと言いますか……その辺の草原とかでは目立ちますね……?
ソウくんは次々と首があるモンスターを吊るしては首をはね、それを繰り返しています。
……ミカゲさんと似たようなものを感じますね。ミカゲさんは死神みたいな感じですが。もしかしたら、話が合うかもしれませんね。
『【破邪結界】!』
ラクリマの力によってレイスの姿が掻き消えました。
次いで現れたゾンビと食屍鬼をシリウスが炎を纏いながらぐるりと囲い、蒼炎が壁のように立ち昇ります。
「燃えちまえ!ガァッ!」
小さく吠えると、蒼炎がゾンビと食屍鬼を燃やします。火達磨となりながら、ゾンビと食屍鬼が地面へと崩れ落ちました。
「サンドボム!ストーンピラー!」
シリウスの炎、綺麗です。戦場を燃やす青い炎は恐ろしく、神秘的です。……一万度もありますけど!トドメの土魔法を放って、フィールドを見渡します。
兄はトニトルスと何か会話をしているようです。
ヘラクレスさんはモンスターを死屍累々に、サジタリウスさんはソウくんの援護をしつつ、モンスターを牽制しています。
シリウスは……積極的にアンデッドを燃やしていますね。顔を顰めながら……嗅覚的にダメージ負ってそうです。
アストラエアさんはフィールドを広く見てくれているので、攻撃を避けながら度々助言をくれます。
『嗚呼、以前貴様が島の泉に置いていった箱だが。星の娘が眷属のために心を砕いてくれた故、今年も良いプラムが実った。貴様のおかげで星の娘との特別な縁が出来たからな。そこは感謝しよう』
『……ふぅん?完全に開かなかったか。残念だが……此度の星の娘は優秀なようだ。ならば、もう少し手を加えても良いな』
えっっっっ!!?
この太陽と月のレスポンスバトル、どう締めようかをずっと考えています( ˘ω˘)もう少しで終わらせますけどね。
アーツも……文字を見ればわあ……てなりますけど、響きだけなら普通にかっこよく聞こえるんですよ……!
これからもミツキの物語をよろしくお願いします!




